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33 勘違い
しおりを挟む「何で、あなたを処刑しなければならないのよ。解剖対象はアイツよ」
隣の部屋のベッド。あ、あれ?体に白いタオルケットが掛けられていて、誰か寝ている。女性…。
あ、あの顔!私を待ち伏せしていた…。
あ、あれ?
じゃあ、解剖されるのって、私じゃなかったんだ……。
急に足腰から力が抜けて、へたり込んでしまいました。
「なあに、あなた。自分が解剖されるんだと思い込んでいたの?
それでも逃げ出さずに、覚悟きめて生体解剖されに来たんだ。
いや~根性あるわね~。流石、次期会長よ。立派、立派」
保健の先生、笑いながら言いました。
美紀さんが抱き締めてくれます。
「何で有香ちゃんが処刑されなきゃいけないのよ。有香ちゃんをつけ回して会のことを探っている奴を捕獲したから処刑するってことヨ。事務局は守護者だって言ったでしょ」
なんですか? 私の勘違いなんですか?
いや、もうちょっと分かりやすく説明しておいてくれれば良かったのに…。紛らわしいんですよ。
そして、こんな時であっても生理現象は容赦ないのです。
グウウウウ~!!
と、大きな大きな、私の腹の虫の音・・・。
は、恥ずかしい…。
「ごめんなさい。取り出される内臓の中に汚いモノが残ってるのは良くないかなと思って、昨日の昼から食事抜いてきましたので…」
「お、おおっと~。そこまでするっすか~。いや~、有香ちゃん、最高っすね~。尊敬しますわ~」
夏実さん、笑いながら言わないでください。もう、穴があったら入りたい。
「ホントに! 事務局としては、頼もしい後継者が出来て喜ばしいわ。
それじゃあ、処刑の方は現会長と副会長に任せますので、よろしく。終わったら処理班に連絡してください」
「分かりました」
保健の先生は、笑いながら行ってしまいました。
でも、良かった~。私、死ななくて済んだんだ。ううう、嬉しい…。
い、いや、嬉しがっていられない。処刑ですよ。これから、生きている女性を解剖する。つまり、殺人するんです!!
「有香ちゃんってば、さっきから見てると、ひとり百面相してるみたいになってるわよ。今度はどうしたの?」
「だ、だって、これ、人殺しですよね…」
「まあ、早い話、そうだけどね。大丈夫よ。事務局が関与する処刑だから」
美紀さん、軽く言います。けれども、本当に良いの?!
「切腹の参考資料にもなってもらうんすよ~。必要な犠牲ですかね~。まあ、任されたのは私と美紀さんっすからね~。有香ちゃんは見ててくださいな~」
そうか、そういうことなんですね。私は切腹しませんから、今回の執刀は切腹して死んでしまう二人がするってことなんでしょう。
いや、でも、あの指名も紛らわしかったですよね。三人しかいない会員で私の名前だけ無いのですからね。だから私は、自分が解剖をされることになるんだと思い込んだのですよ。
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