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変わる日常
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あの後また寝てしまったらしいおれは、朝早くに目が覚めた。ちょっと疲れた感じはあるが、熱っぽさは引いていて、いつもとそこまで変わらない。これ以上周りの皆に心配かけるのも嫌だったので学校には行くことにし、ゆっくりとシャワーを浴びてからリビングへ向かった。
「おはよう。体は大丈夫か?昨日倒れたそうじゃないか。」
朝に父さんと話すのは久しぶりだ。
「ちょっとだるいけど大丈夫。昨日は勉強頑張ったし、知恵熱だったのかも。」
「勝くんと了平くんには感謝だな。勉強嫌いの新を引っ張ってくれるし、二人が心配してたから大丈夫だったって母さんが二人の親御さんに連絡してたぞ。」
相当心配かけたらしい。そりゃそうか、突然倒れたみたいだもんな。そう父さんと話していると、母さんも会話に加わってきた。
「そういえば、魁理くんには勝くんから連絡するって言ってたから任せちゃったけど、昨日は魁理くんも一緒だったの?」
そういや今は二人の話しか聞いてないな。
「魁理とはモールで会ったんだよ。一人だったから勝が一緒に回ろうって言って。それで一緒だった。」
「そう。今日は学校どうする?休む?」
「怠いくらいだから行くよ。」
「なら今日は送り迎えはするから。勝くんには今日は来なくていいって伝えてるし、とりあえず準備出来たらお父さんと一緒に出なさい。」
そう言って母さんは父さんの食べたものを片付け始めた。今は怠さはあるものの、昨日みたいなぼーっとする感じはない。学校に行くのに問題はないと判断して、母さんが持ってきてくれた朝ごはんに手をつけた。
父さんと軽く話しながら学校まで送ってもらったおれは無事学校に着き、いつも通り授業を受けていた。4限が終わりお昼休みになると、勝だけでなく魁理までこちらのクラスにやって来た。
「勝から大丈夫だったって聞いてたけどさすがに来てるとは思わなかったよ。」
「あー…三人とも心配かけてごめんな。ちょっとだるいけど全然大丈夫。勉強頑張ったからだと思う。」
そう言って笑うと三人が笑ってくれた。
「ならよかったけど、あんな思いはもうしたくないからさ、部活休んで病院いけよ?」
そう言っておれの頭を撫でた後、弁当を買いに売店に行ってしまった。
「ひとまず大丈夫みたいだし俺もご飯行くよ。藤也こっち来ると困るっしょ?了平くんもまたね。」
そう言って魁理も去って行った。
「ご飯食べよっか。」
りょうの言葉に頷いて、おれたちは弁当を机の上に広げた。
なんかおかしい。授業が終わり迎えに来る母さんを待つおれは、沢山の "におい" に酔いそうだった。よく考えればお昼終わりからやけに鼻が過敏になってきた気がする。スマホを見ると、母さんからこれから向かうと連絡が来ていたが、しんどい中、微かに香る爽やかで、でもほんのり甘い良い匂いに釣られる様におれは移動してしまった。
「しん!」
気づくと魁理に肩を掴まれていた。探し求めた良い匂いがする。
「行くぞ。お前の親は後で呼ぶ。」
そう言っておれの手を引いて向かったのはシェルターだった。
「どうしたんだ?」
そう聞いたものの、問答無用で学生証を取られてシェルターのロックを解除した。少々乱暴ながら、学生証と共におれを投げ入れた魁理は、真っ赤な顔でドアを閉めてしまった。
何がどうなったのかも、どれくらい経ったのかも分からないが、目を開けるとおれはまたもや倒れたようで病院らしき場所に寝ていた。
とりあえず起き上がりベッドから出てみたが、外には出られなかった。隔離されている様だ。ここまでくればおれでも分かる。おれはΩで、発情したのだろう。どうすればいいのかわからず、もう一度ベッドに入ると、ボタンを見つけた。押していいのか躊躇いはあったが、怒られるとしても1人でいるよりはマシだと思い押してみた。
「おはよう。体は大丈夫か?昨日倒れたそうじゃないか。」
朝に父さんと話すのは久しぶりだ。
「ちょっとだるいけど大丈夫。昨日は勉強頑張ったし、知恵熱だったのかも。」
「勝くんと了平くんには感謝だな。勉強嫌いの新を引っ張ってくれるし、二人が心配してたから大丈夫だったって母さんが二人の親御さんに連絡してたぞ。」
相当心配かけたらしい。そりゃそうか、突然倒れたみたいだもんな。そう父さんと話していると、母さんも会話に加わってきた。
「そういえば、魁理くんには勝くんから連絡するって言ってたから任せちゃったけど、昨日は魁理くんも一緒だったの?」
そういや今は二人の話しか聞いてないな。
「魁理とはモールで会ったんだよ。一人だったから勝が一緒に回ろうって言って。それで一緒だった。」
「そう。今日は学校どうする?休む?」
「怠いくらいだから行くよ。」
「なら今日は送り迎えはするから。勝くんには今日は来なくていいって伝えてるし、とりあえず準備出来たらお父さんと一緒に出なさい。」
そう言って母さんは父さんの食べたものを片付け始めた。今は怠さはあるものの、昨日みたいなぼーっとする感じはない。学校に行くのに問題はないと判断して、母さんが持ってきてくれた朝ごはんに手をつけた。
父さんと軽く話しながら学校まで送ってもらったおれは無事学校に着き、いつも通り授業を受けていた。4限が終わりお昼休みになると、勝だけでなく魁理までこちらのクラスにやって来た。
「勝から大丈夫だったって聞いてたけどさすがに来てるとは思わなかったよ。」
「あー…三人とも心配かけてごめんな。ちょっとだるいけど全然大丈夫。勉強頑張ったからだと思う。」
そう言って笑うと三人が笑ってくれた。
「ならよかったけど、あんな思いはもうしたくないからさ、部活休んで病院いけよ?」
そう言っておれの頭を撫でた後、弁当を買いに売店に行ってしまった。
「ひとまず大丈夫みたいだし俺もご飯行くよ。藤也こっち来ると困るっしょ?了平くんもまたね。」
そう言って魁理も去って行った。
「ご飯食べよっか。」
りょうの言葉に頷いて、おれたちは弁当を机の上に広げた。
なんかおかしい。授業が終わり迎えに来る母さんを待つおれは、沢山の "におい" に酔いそうだった。よく考えればお昼終わりからやけに鼻が過敏になってきた気がする。スマホを見ると、母さんからこれから向かうと連絡が来ていたが、しんどい中、微かに香る爽やかで、でもほんのり甘い良い匂いに釣られる様におれは移動してしまった。
「しん!」
気づくと魁理に肩を掴まれていた。探し求めた良い匂いがする。
「行くぞ。お前の親は後で呼ぶ。」
そう言っておれの手を引いて向かったのはシェルターだった。
「どうしたんだ?」
そう聞いたものの、問答無用で学生証を取られてシェルターのロックを解除した。少々乱暴ながら、学生証と共におれを投げ入れた魁理は、真っ赤な顔でドアを閉めてしまった。
何がどうなったのかも、どれくらい経ったのかも分からないが、目を開けるとおれはまたもや倒れたようで病院らしき場所に寝ていた。
とりあえず起き上がりベッドから出てみたが、外には出られなかった。隔離されている様だ。ここまでくればおれでも分かる。おれはΩで、発情したのだろう。どうすればいいのかわからず、もう一度ベッドに入ると、ボタンを見つけた。押していいのか躊躇いはあったが、怒られるとしても1人でいるよりはマシだと思い押してみた。
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