いなくなった伯爵令嬢の代わりとして育てられました。本物が見つかって今度は彼女の婚約者だった辺境伯様に嫁ぎます。

りつ

文字の大きさ
11 / 28

11、騎士団

しおりを挟む
 マリアはカリウス辺境伯夫人となった。ジークハルトの妻に。

 辺境伯の妻。また城の女主人となれば、やらなければならないこと、覚えることはたくさんある。

 と言っても、いきなりすべてをこなしていく必要はないと言われた。

「まずはここでの生活に慣れてくれればいい。わからないことや困ったことがあったら、俺や他の者に相談してくれ。みんなマリアの力になりたいと思っているから」

 ジークハルトは優しくそう言うと、使用人たち一人一人を改めて紹介してくれた。

「ベルタと申します。どうぞよろしくお願いいたします」

 すでに名前を教えてもらっていたベルタも、正式にマリア付きのメイドに決まったので畏まった様子で挨拶してくれた。

 自分より少し年が上のベルタにマリアはすでに親しみを覚えており、こちらこそと返した。

「男の俺には相談しにくいことは、ベルタを頼るといい。ベルタ、よろしく頼んだぞ」

 はい、とベルタは頷きながら、真面目な顔に少し笑みを浮かべた。

「旦那様、そう何度もおっしゃらずとも、理解しておりますわ」
「……そんなにしつこく言っていたか?」
「はい」

 きっぱりと、どこか面白がるようにベルタは肯定したので、ジークハルトは気恥ずかしそうに頬をかく。

「奥様。旦那様はよほど奥様のことが心配で、この城で快適に過ごしてほしいとお思いのようです」

 こちらに話を振られて、マリアは少し照れ臭い気持ちになりながら答えた。

「えっと……ジークハルト様、いろいろお気遣いいただきありがとうございます。その……嬉しいです」
「そうか。なら、よかった」

 ぎこちない……けれども、決して悪くない雰囲気になり、ベルタが気配を消すようにその場を離れようとしたので、気づいたジークハルトがコホンと咳払いして今度は城内を案内すると言った。

 わかっていたことだが、城の中は広く、王都の王宮にも匹敵するのではないかと思われるほど部屋数が多かった。

 一人では絶対に行かないようにと言われた場所もある。

「ここから先は仕掛けがあるんだ。万が一敵が攻め込んだ時、普段使用している通路に行かないよう扉を封鎖して、ここを通るように誘導する。ある場所で下に落下したり、上から剣や槍が落ちてきて敵を捕らえる仕掛けになっている」

 串刺しにされれば当然命は落とすだろう。他にもいくつかの仕掛けを教えられて、マリアは背筋が凍るような思いがした。

「すまない。気分が悪くなったな」
「いえ、大丈夫です。きちんと教えてくれてありがとうございます」

 知ってしまえば、絶対に足を踏み入れようとは思わない。

 ジークハルトもそう思ってマリアに伝えたのか、騎士見習いの子どもたちにも一番初めに教えることだと言った。

「少年はちょっとした危険程度では、冒険心が刺激されて探検してみようとするからな」
「……もしかして、ジークハルト様も?」

 こっそり忍び込んだことがあるのかと訊くと、彼は不意を突かれた様子で目を反らした。

 だがマリアがじっと見つめていると、内緒だぞ、と前置きして秘密を打ち明けてくれた。

「厳しい鍛錬に憧れた時期があってだな。命を懸けてこそ、カリウス辺境伯の騎士だと思っていたんだ。それに実際に自分たちで体験した方が、より効率的に敵を捕まえる参考になると思った。だから注意されても、ラウル……幼馴染の少年と一緒に通路先へ行ってみたというわけだ」
「まぁ……」

 少年とはなんと無謀な生き物なのか。

 マリアが保護者の立場だったら血の気が引いて、気を失っていたかもしれない。

「それで、どうなりましたの?」
「いくつかトラップを乗り越えて気が緩んだのが、敗因の始まりだった。目の前の穴を飛び越えたかと思えば、着地した床が開いて、下へ落ちて呆気なく閉じ込められた。真っ暗で、酸素も薄い。あれは怖かったな。幸いすぐに大人たちがやってきて助けられたが、拳骨を落とされて、しばらく部屋で反省するよう命じられた」

 今となってはいい思い出だというようにジークハルトが語るので、マリアは少し呆れた。

「まぁ、とにかく、そういう俺自身の経験もあるから、子どもたち含めて、あなたにもきちんと伝えたわけだ」

 マリアは納得した様子で深く頷いた。

 自分たちが暮らしている城の中にそういう仕掛けがあることは怖いが、敵に侵入された時のことを考えると、すごく心強く思えた。女子どもだけしかいない時は特にだ。

 マリアがそう言うと、ジークハルトは神妙な顔で頷いた。

「ああ。昔は戦が頻繁に起こっていたから、男性は城を留守にすることが多かった。その間、どうしても女性や子どもに任せるしかなかった。……男の方も、気が気じゃなかっただろうな」

 城の中をあらかた案内し終わると、普段マリアたちが過ごす建物と併設するようにして建てられている騎士団の施設に行こうとジークハルトは言った。

 最初マリアは嫁いできたばかりの自分が足を運んでは迷惑になると思い断ろうとしたのだが、ジークハルトは真面目な顔をして知っておいてほしいんだと伝えた。

「もし俺に何かあった時、その時はあなたが俺の名代として騎士団に命じることになる」
「えっ、わたしがですか?」

 何百人といる騎士団員を自分が指揮すると言われてマリアは蒼白になった。

「もちろん作戦を練ったりするのは、俺の部下だ。だが最終的な決断……部下が練った作戦を聞き、それを実行してもいいと許可を与えるのが、マリアの役目だ」

 決して少なくない人間が命を落とす作戦だと思えば、重すぎる責任だ。

 マリアは自分にそんなことできるのだろうかと、つい不安が顔に出てしまう。

「怯えさせるようなことを言ってすまない。あなたがそんな立場を担う必要がないよう、俺も十分気をつける。それに、万が一そうなっても、俺の部下たちはとても優秀で思いやりがある。マリアのことも、絶対に守る」
「……はい。わかりました」
「うん。では、行こうか」

 ジークハルトに手を差し出されて、マリアはそっと手を取った。

(辺境伯の妻、ってすごく大変なのね)

 マリアはめげそうになる。そんな彼女の心を励ますように握っていた手に力が込められた。

 顔を上げても、彼は前を見据えていた。

 ジークハルトが宣言したように、彼は無責任な人には見えない。

 信じることが今の自分のできることだと、マリアは自身に言い聞かせた。

     ◇

 騎士団員が駐在している施設はマリアたちが暮らしている建物の近くと、堀にかかった跳ね橋を渡った外にもあるそうだが、今回は前者を見学させてもらうことにした。こちらの騎士団員は主に城の警備を任されているそうだ。

「今日は鍛錬する様子を見学すると予め伝えてあるから、みんな張り切っているはずだ」

 ジークハルトの言葉通り、木刀で素振りしている者や、地面に手をついて腕立て伏せする者と、みな熱心に身体を鍛えていた。

「団長!」

 大きな声にマリアがそちらを見れば、元気よく手を振りながら駆け寄ってくる者がいた。癖のある金髪にやや垂れ目の男性。確か初めて城に来た日、砕けた態度で黒髪の男性と喧嘩していたラウルという青年だ。

「ラウルか。どうした」
「どうした、って。団長の奥方が顔を出したから、ご挨拶しなきゃと思って」

 ラウルはそう言うと、胸の前に手を置き、王都の貴公子のように恭しく頭を下げた。

「本日は我が騎士団に足を運んでいただき、大変恐悦至極です。できればその見目麗しいお手に口づけを落としたく――いたっ」
「いい加減にしろ、ラウル。マリアが困っている」

 本人の許可を得る前にすでにマリアの手を取っていたラウルの頭をジークハルトが叩いた。

 そんなに力は込めていないように見えたが、ラウルは大げさな素振りで痛いと頭を押さえた。

「なんだよ、ジーク。もう夫気取りかよ!」
「結婚したのだから、当然夫だ」
「独占欲なんか滲ませちゃって!」
「お前がマリアの承諾を得ず、安易に触ろうとするからだろう」
「じゃあ彼女が許可したら、してもいいんだな?」

 するとジークハルトはむっとした表情で黙り込んだ。
 ラウルはそれを見てニヤニヤしている。

「どうした? 嫌なのか?」
「……そうだな。嫌だな」

 かぁーっとラウルはよくわからない声を上げて、一人会話に入れていないマリアに笑いかけた。

「奥様。ジークハルト団長はとっても嫉妬深いようですから、これから気をつけてくださいね」
「はぁ……」
「あっ、俺の名前はラウルと申します。団長をどんな時でも支える、有能かつイケメンな男ですので、以後お見知りおきを」

 マリアがよろしくお願いしますとぎこちなく返答し、ジークハルトはそれではよくわからないだろうと苦笑しながら補足してくれた。

「ラウルとは昔からの付き合いなんだ。それで今は俺の補佐をしてくれている」
「団長殿は細々とした事務作業が苦手でありますからね」

 聞くと秘書官のような仕事を担っているらしい。
 ぱっと見た感じ器用そうに見えるので、適任に見えた。

(先ほどジークハルト様のお話にも出てきた方よね。親友って感じなのかしら)

「奥様。よろしければ、私もご一緒させていただいて構わないでしょうか」
「えっと、わたしは構いませんが……」
「では早速――」
「団長!」

 また別の人間が駆け寄ってくる。今度は初日にラウルと言い争いをしていた黒髪の青年だ。

 マリアたちの前でピタリと足を止め、きびきびした所作で敬礼する。

「こちらにいらしていたのですね」
「ああ。マリア、彼はヘリベルト。小隊を率いている。真面目で正義感にあふれた青年だ。剣の扱いにも優れている」

 ジークハルトの紹介にヘリベルトは恐縮した、しかし嬉しさを隠せない様子で口元に笑みを浮かべた。

「えージークハルト様ぁ。俺の時と違いませんかぁ? 俺も超真面目で頼りになる男だって言ってくださいよぉ」
「お前は九割方ふざけた態度をとるのが欠点だな」
「ひどい!」
「おい、ラウル。奥方の前でみっともない姿を晒すな」

 不敬な態度は許さないと、すかさずヘリベルトが注意する。ラウルの方は魚が釣り針にかかったようにニヤリとした。

「なぁに、ヘリベルト君ったらいい子ぶっちゃって。奥方の前だから、かっこつけようとしてるんでしょ」
「なっ、俺は別に」
「結婚式の時も、花嫁衣装を着た奥方に鼻の下伸ばしてたもんねぇ」
「違う! 俺はジークハルト団長と一緒に並ぶ姿が美しくて目を奪われていたんだ!」
「それを鼻の下を伸ばすって言うんだよ」
「全然違う! お前はなんでそう一々下品な表現を――」
「団長!」

 ラウルたちの喧嘩を止めたのはまたこちらへ走ってくる騎士だ。今度は一人ではない。ヘリベルトたちのやり取りを見て自分たちも輪に加わりたいと思った大勢の団員たちがジークハルトとマリアの周りをあっという間に取り囲んだ。

「俺たちにも紹介してくださいよ!」
「そうだそうだ。ラウルだけずるい!」

 きらきらした眼差しを注がれてマリアは少したじろいでしまう。気づいたジークハルトが守るように腰を引き寄せた。

「こら、お前たち。そんな一斉に詰め寄られたらマリアが怖がる」
「あの、ジークハルト様。わたしは大丈夫ですから」
「いや、彼らにははっきり言っておいた方がいい」
「そうそ。戦うことしか頭にない脳筋がほとんどだから」

 ラウルがさらりとひどいことを述べたが、意外にも彼らは否定しなかった。

「団長! 奥方のことは何と言えばよいでしょうか!」
「お名前でお呼びしてもよろしいでしょうか!」
「そうだな……マリア。いいか?」
「あ、はい。どうぞお好きなように」
「じゃあ俺、マリアちゃん!」
「ラウル!」

 またヘリベルトがラウルに突っかかり、他の騎士団員も野次を飛ばしたり面白そうに見守っている。一気に騒がしくなって収拾がつかないと思われたが……。

「はい、そこまで!」

 ジークハルトがパンと手を叩いたことで、ピタリと喧騒が止んだ。

「みな、マリアのことは敬称を付けて呼ぶように。わかっていると思うが、無礼な真似は決してせず、俺の妻として、カリウス家の女主人として敬うように」
「はい!」

 全員の声が一つに重なり、ジークハルトはよしと頷くと、それぞれの鍛錬を再開するよう命じた。

 直前までのぐだぐだしたやり取りはいったい何だったのだと思うくらい彼らは綺麗に散っていった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

三年の想いは小瓶の中に

月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。 ※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?

Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。 簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。 一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。 ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。 そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。 オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。 オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。 「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」 「はい?」 ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。 *--*--* 覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾ ★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。 ★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓ このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。 第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」 第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」 第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」 どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ もしよかったら宜しくお願いしますね!

侯爵家の婚約者

やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。 7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。 その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。 カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。 家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。 だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。 17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。 そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。 全86話+番外編の予定

本日、私の妹のことが好きな婚約者と結婚いたしました

音芽 心
恋愛
私は今日、幼い頃から大好きだった人と結婚式を挙げる。 ____私の妹のことが昔から好きな婚約者と、だ。 だから私は決めている。 この白い結婚を一年で終わらせて、彼を解放してあげることを。 彼の気持ちを直接聞いたことはないけれど……きっとその方が、彼も喜ぶだろうから。 ……これは、恋を諦めていた令嬢が、本当の幸せを掴むまでの物語。

捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。

蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。 これで、貴方も私も自由です。 ……だから、もういいですよね? 私も、自由にして……。 5年後。 私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、 親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、 今日も幸せに子育てをしています。 だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。 私のことは忘れて……。 これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。 はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?

悪役令嬢と誤解され冷遇されていたのに、目覚めたら夫が豹変して求愛してくるのですが?

いりん
恋愛
初恋の人と結婚できたーー これから幸せに2人で暮らしていける…そう思ったのに。 「私は夫としての務めを果たすつもりはない。」 「君を好きになることはない。必要以上に話し掛けないでくれ」 冷たく拒絶され、離婚届けを取り寄せた。 あと2週間で届くーーそうしたら、解放してあげよう。 ショックで熱をだし寝込むこと1週間。 目覚めると夫がなぜか豹変していて…!? 「君から話し掛けてくれないのか?」 「もう君が隣にいないのは考えられない」 無口不器用夫×優しい鈍感妻 すれ違いから始まる両片思いストーリー

処理中です...