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1章 ~ロイス視点~
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「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった。
緑豊かな高原地帯にそびえたつ尖塔。デニスミール王国のシンボルである。俺は尖塔の頂上にある部屋で城下町を見下ろしている。
「エアリー、君はいったいどこへ行ってしまったんだ……」
誰に聞かせるでもなく、のどかな日常をすごしている街に向かって呟いた。
すると、背後から階段を荒々しい足音が聞こえてきた。
「ロイス王子、ここにおりましたか」
階段からひょっこりと顔を出して話しかけてきたのはソイメル兵士長だ。
「それは嫌味で言っているのか。昨日からここに入り浸っているのは知っているだろ」
「これは失敬。冗談の一つでも言っておかないと気が滅入ってしまうのではないかと思いましてな」
ソイメル兵士長はそう言って笑った。
ソイメル兵士長には小さい頃から面倒を見てもらっている。武術全般に精通していて、俺は戦闘の基本を剣の握り方から教わった。今では出世してこの国の兵士を率いるポジションに就いている。
「エアリーは見つかったか?」
エアリーの捜索を兵士長に頼んでいた。
「まだです。一晩でそう遠くまで行けるはずはないのですが」
兵士長は首を捻っている。
エアリーは隣国アーランドの王女で、来月に俺と結婚式を挙げる予定になっている。元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。このような感覚を味わったのは初めてだった。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて。エアリーは未だ見つかっていない。
そう書き残してエアリーはいなくなった。
緑豊かな高原地帯にそびえたつ尖塔。デニスミール王国のシンボルである。俺は尖塔の頂上にある部屋で城下町を見下ろしている。
「エアリー、君はいったいどこへ行ってしまったんだ……」
誰に聞かせるでもなく、のどかな日常をすごしている街に向かって呟いた。
すると、背後から階段を荒々しい足音が聞こえてきた。
「ロイス王子、ここにおりましたか」
階段からひょっこりと顔を出して話しかけてきたのはソイメル兵士長だ。
「それは嫌味で言っているのか。昨日からここに入り浸っているのは知っているだろ」
「これは失敬。冗談の一つでも言っておかないと気が滅入ってしまうのではないかと思いましてな」
ソイメル兵士長はそう言って笑った。
ソイメル兵士長には小さい頃から面倒を見てもらっている。武術全般に精通していて、俺は戦闘の基本を剣の握り方から教わった。今では出世してこの国の兵士を率いるポジションに就いている。
「エアリーは見つかったか?」
エアリーの捜索を兵士長に頼んでいた。
「まだです。一晩でそう遠くまで行けるはずはないのですが」
兵士長は首を捻っている。
エアリーは隣国アーランドの王女で、来月に俺と結婚式を挙げる予定になっている。元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。このような感覚を味わったのは初めてだった。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて。エアリーは未だ見つかっていない。
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