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第4章
第2話(1)
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その後、一週間経っても捜査に進展は見られなかった。
鍵も付け替えたし、もう大丈夫だと思うと莉音は帰宅の許可を求めたが、ヴィンセントは一向に首を縦に振ろうとしない。
「犯人が捕まるまで、悪いが帰すことはできない。鍵を替えたところで、またおなじ連中の手にかかればおなじことが起こる。夜中に侵入でもされれば、無事では済まないだろう」
「で、でも、一度侵入して金目のものはなにもないってわかってると思いますし、そう何度もおなじ部屋ばかり狙わないと思うんですけど」
「それでも、あの辺りが物騒であることに変わりはない。私を襲った連中は、君にも危害を加えようとしただろう? その犯人も、まだ捕まっていない」
鍵を付け替えた程度では、防犯上の面でとても安全とは言いきれないとヴィンセントは言い張った。
「あんな場面に出くわして、君がどんなにショックを受けて怖い思いをしたか、この目で見てる。莉音、これは私の我儘だと思ってくれてかまわない。頼むから、犯人が逮捕されて、なんの問題もないと安心できるまでここに留まってほしい」
ずっと不在にしたままのほうが余程不用心になるのではないかと思ったが、自分を心底心配してくれているヴィンセントに、それ以上言うことはできなかった。
「もし私と過ごすことが苦痛だというならば、近場のホテルか、セキュリティのしっかりした部屋を用意しよう」
思わぬ提案に、莉音は飛び上がった。
「えっ!? ま、待ってください! ダメですっ、そんなの。っていうか、僕には払えません」
「そんなことは気にしなくていい。うちのホテルか、私が所有している物件のどれかを使えばいいだけの話だ」
「それでもダメです。そこまで甘えさせてもらうわけにはいきません」
断固拒否したあとで、おずおずと目の前の長身を見上げた。
「あの、ごめんなさい。ここの生活が嫌だとか、アルフさんと一緒にいたくないとかじゃないんです。むしろその逆で、すごく居心地がよくて、毎日楽しいです。でも、アパートの部屋、荒らされちゃったままなので、少し片付けておきたくて。あと、郵便物とかも気になるし……」
莉音を見下ろしていたヴィンセントは、しばらく黙りこんだ後に、わかったと応じた。
「ならば明日、片付けに行こう。土日を使えば、ある程度はなんとかなるだろう」
「え、まさかそれって……」
「私も一緒に行く。というか、ひとりでは行かせられない。理由はさっき言ったとおりだ。それに、ふたりでやれば作業も捗るだろう」
「で、でもそんな。せっかくのお休みなのに……」
「むしろちょうど休みでよかったと思っている。平日であったとしても、必ずスケジュールを空けた」
どうあっても同行するという意志は変わらないらしい。さとったところで、「莉音」と呼ばれた。
鍵も付け替えたし、もう大丈夫だと思うと莉音は帰宅の許可を求めたが、ヴィンセントは一向に首を縦に振ろうとしない。
「犯人が捕まるまで、悪いが帰すことはできない。鍵を替えたところで、またおなじ連中の手にかかればおなじことが起こる。夜中に侵入でもされれば、無事では済まないだろう」
「で、でも、一度侵入して金目のものはなにもないってわかってると思いますし、そう何度もおなじ部屋ばかり狙わないと思うんですけど」
「それでも、あの辺りが物騒であることに変わりはない。私を襲った連中は、君にも危害を加えようとしただろう? その犯人も、まだ捕まっていない」
鍵を付け替えた程度では、防犯上の面でとても安全とは言いきれないとヴィンセントは言い張った。
「あんな場面に出くわして、君がどんなにショックを受けて怖い思いをしたか、この目で見てる。莉音、これは私の我儘だと思ってくれてかまわない。頼むから、犯人が逮捕されて、なんの問題もないと安心できるまでここに留まってほしい」
ずっと不在にしたままのほうが余程不用心になるのではないかと思ったが、自分を心底心配してくれているヴィンセントに、それ以上言うことはできなかった。
「もし私と過ごすことが苦痛だというならば、近場のホテルか、セキュリティのしっかりした部屋を用意しよう」
思わぬ提案に、莉音は飛び上がった。
「えっ!? ま、待ってください! ダメですっ、そんなの。っていうか、僕には払えません」
「そんなことは気にしなくていい。うちのホテルか、私が所有している物件のどれかを使えばいいだけの話だ」
「それでもダメです。そこまで甘えさせてもらうわけにはいきません」
断固拒否したあとで、おずおずと目の前の長身を見上げた。
「あの、ごめんなさい。ここの生活が嫌だとか、アルフさんと一緒にいたくないとかじゃないんです。むしろその逆で、すごく居心地がよくて、毎日楽しいです。でも、アパートの部屋、荒らされちゃったままなので、少し片付けておきたくて。あと、郵便物とかも気になるし……」
莉音を見下ろしていたヴィンセントは、しばらく黙りこんだ後に、わかったと応じた。
「ならば明日、片付けに行こう。土日を使えば、ある程度はなんとかなるだろう」
「え、まさかそれって……」
「私も一緒に行く。というか、ひとりでは行かせられない。理由はさっき言ったとおりだ。それに、ふたりでやれば作業も捗るだろう」
「で、でもそんな。せっかくのお休みなのに……」
「むしろちょうど休みでよかったと思っている。平日であったとしても、必ずスケジュールを空けた」
どうあっても同行するという意志は変わらないらしい。さとったところで、「莉音」と呼ばれた。
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