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しおりを挟むいやだア!って思ったんだ。
ぜったい転校なんていやだって。三年生の新しいクラスになってまだ一か月じゃないか。さびしいよ。でもこの島にいるしかないんだ。これから、じいちゃんとばあちゃんと三人でくらすんだ。
とうさんは一人で渡し船に乗って帰っていった。
島の小学校は六年生が二人と、タケルの三人だけ。六年生は二人とも女子だ。二人がいつもいっしょ、校舎の中ばかりにいて、ほとんど校庭には出てこない。だから、昼休みになっても、広い校庭の中はタケル一人だ。
タケルは最初よろこんでいた。だって、東京の小学校は千人くらい児童がいる。だから、休けい時間なんか校庭はいっぱいだ。まっすぐ走ることなんてできっこない。だけど、ここの小学校は走りほうだいだ。
「今日は休みの日か?」なんて、びっくりするくらい静かだ。
昔は中学校もいっしょにあったみたいで、校庭はとても広い。両はしのサッカーゴールだって立派なのが立っている。ゴールからゴールまで三年生には広すぎる。
だーれもいないんだ。ピカピカのサッカーボールをタケルがけったら、まっすぐ飛んでって、だれにもさわられずに、ずっとずっと先の方まで転がっていく。じゃまする者なんてなんにもいない。
思いっきりボールを追いかけながら、まっすぐ走っていってシュート!
「ゴールだぞ。どうだ、すごいだろう。きょうはこれで何ゴール目だっけ?」
何べんも何べんもゴールだ。これだけシュートを成功させた小学生っていないだろう。きっと、小学校三年生の世界記録だ。
最初はうれしくてうれしくて、鼻がぴくぴくしていた。でも、そのうち本気で走るのをやめた。だって、ゆっくり走ったって、軽くけったって、ゴールはするんだ。
ラインオーバーするだろ。でも、相手にボールが渡るわけじゃない。シュートが曲がってそれたって、やり直しすればいいんだ。ルールだって自由に変えられる。
「つまんないよ」
相手がいなきゃサッカーじゃない。ちょっと手でボールを持ったって、「ずるいよ!」って文句を言ってくる相手がいないんだ。タケルの自由だよ。反則のしほうだいだ。
サッカーだけじゃない。何をしたって勝ってばかり。負けることがない。でも、勝つってだれに勝つんだい?自分で、「勝った!勝った!」て言ったって、それで負けたやつっているのか?だれにも勝ってないよ。これじゃあ、何をやったって面白くない。
転校してきてずっとそうじゃないか。
「あーあ、だれかボールをけり返してくれないかな」
そう思ってると、ボールの後ろをものすごいスピードで追っかけていくやつがいた。ぽんちゃんだ。やせっぽちの、でもしっぽだけはでかいタヌキ。ぽんちゃんは前足でボールをけりながら、まっすぐゴールめがけてかけ抜けた。きのうの昼休みのことだ。
タケルがボールをけったら、ぽんちゃんはすぐに追いかける。ボールに追いついたら鼻先で止めて、前足で反対方向にけりながら、あっちのゴールに向かって突進だ。
きのう突然出てきたんだ。校庭の横のミカン畑から。転がっていくボールが気になったのか、ボールを追いかけるタケルが気になったのか、とにかくボールにくっついてくる。
「じゃれているんかな」
でも、きのうはそれで昼休みが終わった。チャイムが鳴ったら、ぽんちゃんはびっくりしてみかん畑に逃げて行ったんだ。
おかげできのうはとても楽しかった。だから、今日もきたいしていたんだ。校庭に一人で立って、ミカン畑の方をずっと見ていた。
「おかしいなあ。気が付いてないのかな」
そう思ってボールをポーンと真上にけってみた。すると、出てきた出てきた。
「ぽんちゃん、今日はぼくと勝負しよう。ぽんちゃんはあっちのゴールで、ぼくはこっちだぞ。よーし勝負だ!ぼくからけるぞ」
そう言ったら、ぽんちゃんはルールが分かったみたいで、タケルからボールをうばったら、いちもくさんにゴールに突進する。
やっぱり楽しい!勝負の相手ができたんだ。けったりけられたり、ボールを追っかけっこして、思いっきりかけまわる。でもそのうち、タケルがボールをけることなんてほとんどなくなった。追っかけても追っかけても、ぽんちゃんには追いつけない。
「スピードじゃとてもかなわないや。ぽんちゃん、速すぎだよ」
ぽんちゃんにボールを取られると、とても追いつかない。
「でも、ぽんちゃんズルくないか?四本足で走るんだもん」
「わかった。じゃあ、走るときは後ろ足だけで走るよ」
ぽんちゃんはタケルの不満がすぐに分かったみたいで、二本足で立ち上がった。
「なんだ、立てるんじゃないか」
でも、ええっ!二本足だって速いぞ!
自由になった両手でサッカーボールをかかえて、まっすぐ走りだした。さっきよりずっと速いじゃないか。ボールを持ったままゴールに突進する、まるでラグビー選手みたいだ。
「ぽんちゃん、サッカーは手を使っちゃあだめだよ。足でボールをけって進むんだ」
「そうか、前足が楽になったものだから、ついボールを持っちゃった」
「それにしても速いなあ。これじゃあサッカーみたいに走るのはとてもかなわないよ。よしぽんちゃん、野球をやろうぜ」
野球だったらぽんちゃんに負けるはずがない。やわらかいゴムボールをまっすぐ投げて、バットで打って、飛んできたボールを両手でつかむんだ。中学校があったころのバックネットだってある。
「ピッチャー、ぽんちゃん。思いっきり右手を振りかぶって、投げました!」
ほら、とてもバッターまでとどかない。うでが短いんだ。ボールは元気なくてんてんてんてん、やっとタケルの前まで転がってくる。
「これじゃあ、ストライクなんて来ないぞ。めんどうくさいや!」
タケルは思いっきりバットを振った。
ホームランだ!やった。初めてホームランってやつを打ったぞ。
ぽんちゃん、あそこまでボールを取れにいけるか?
「えええ、速いっ!」
ぽんちゃんはあっという間にボールに追いついた。ボールが落ちるすれすれにダイビングキャッチだ。
「すごい、よく取ったな。でも、ぽんちゃん今のはルールいはんだぞ。四本足で走っちゃだめって言ったじゃないか」
「えっ、野球もだめなの?ごめん、つい習慣で前足を使っちゃうんだ」
「よし、じゃあ交代だ。ぼくが投げるからこのバットで打つんだよ」
タケルはにんまり。
ピッチャーをやってみたかったんだ。思いっきり投げて空振りさせて、三振をとってやる。
「ピッチャー、剛速球のタケルくん。うでをぐるぐる回して、投げましたっ!ものすごいスピードだ」
あれ、ぽんちゃんがバットを転がしちゃった。と思ったら、ポンちゃんは太いしっぽを思いっきり振り回して、
ポカーン!
「ありゃ、あんな遠い所まで追いかけていけないよ」
やっとのことで追いついて戻ってきたら、ポンちゃんはとっくにベースを一周して、ランニングホームランだ。
「ぽんちゃんだめだよ、バットを使わなくっちゃ。しっぽで打っちゃ太さがちがうだろ」
「ごめんよ。ついしっぽが出ちゃったんだ」
「ずるいよ。でも、その太いしっぽっていろんな使い方があるんだね」
「そんなことはないよ。ふだんはあんまり使うことなんてない。動くとき、バランスをとりやすいってのはあるけれど。でも、人間ってなんでしっぽがないんだ?」
「えっ!なんでかな?しっぽをつけるなんて考えたこともないや。ぽんちゃんはなんでしっぽがあるんだ?」
「だって、しっぽがないと変だろ。動物はみんなしっぽがあるんだぞ。短いのやら、細長いのやら、オレみたいな太いのもあるけど、これがあるから、あっタヌキだ、って一目でわかるんだ」
「そうか、アクセサリーみたいなもんか。ぼくもしっぽをつけたら、ぽんちゃんみたいに速く走れるかもしれない。でも、たぬきのしっぽってしまもようがなかったかなあ?」
「あれは、あらいぐまだよ。よくまちがえられるんだ。最近都会ではあらいぐまがふえて、めいわくをかけてるらしい。タヌキはめいわくなんてかけないおとなしい動物だよ」
「でも、じいちゃんが言ってたけど、ここのタヌキはみかん畑を荒らしてこまるんだそうだよ」
ちょうどミカンの花が満開だ。島じゅうとてもいいにおいがする。じいちゃんとばあちゃんは、咲きすぎた花をつむ作業で大変だ。
「ミカンかぁ。おいしいもんね。人間の作るものってなんでもおいしい。いいじゃないか。みんなこの島の仲間だぞ。少しだけ、動物に分けてくれたっていいだろ」
「でもさ、じいちゃんの畑、段々畑の山の上の方まで作っていて、せまい石段を上ったり下りたりするのが大変なんだってよ。それを、やっとミカンが実ってきたら、タヌキやらイノシシやら、サルにいっぱい食べられてくやしいっておこってたぞ」
「人間ってよくばりだなあ。タケルはさ、家に帰ったらちゃんと晩ごはんが待ってるじゃないか。でも、オレたちは自分の食べるものは自分でさがさなくちゃいけないんだ。ちょっとくらい分けてくれたっていいだろ。仲間なんだからさ」
「よし、ぽんちゃんだけだぞ。特別に許してやるよ」
タケルが許したんだ。じいちゃんだってきっと許してくれるにちがいない。たぶん・・・
それにしても、ぽんちゃんの運動神経ってすごい。タケルなんてとてもかなわない。
「よし、じゃあ今度はすもうを取ろう。ぼくはすもうはあんまりなんだけど、でもぽんちゃんには負けないぞ」
すもうだったらぜったい負けるもんか。
「いいかい、はっけよい、で両手を上げてこのまるい線の中から押し出すか、相手を倒すかするんだ。地面についていいのは両足だけだぞ。しっぽもついちゃいけないんだぞ」
こんなの、タケルが勝つに決まってるよ。
「はっけよい、のこった!」
ほら、ぽんちゃんは後ろに押し返されると弱いんだ。後ろが気になってよろよろする。おまけにしっぽをずっと上にあげとかなくちゃいけない。
でもぽんちゃん、いっしょうけんめいがんばった。両手でしっかりタケルの身体にしがみついて押し返す。後ろ足だけで、力を入れて立っているってしんどいはずだ。すぐに口からだらんと舌をたらして、ハアハアハアハア荒い息を出しはじめた。それでも、押しても振り回しても、ぽんちゃんはしっかりタケルにつかまって、しがみついているんだ。
こいつ、なんでこんなに負けん気が強いんだろう。すもうくらい人間に負けたっていいじゃないか。
「もうつかれたよ。勝負がつかないや。休けいしよう、休けい」
途中でタケルがすもうをやめた。ところが力をぬいたとたん、ぽんちゃんが引き倒し。タケルは両手をぱたっとついてしまった。
「ひどいよ。やめようと言ったのにさ。手のひらがすりきずだらけじゃないか」
「ハハハ、タヌキの勝ちだ!タケルくんはすぐに勝負をあきらめるんだな」
「ぽんちゃんがしつこいだけだよ」
「でもさ、生きていくのって大変なんだぞ。自分で食べ物をさがすって大変なんだから。一日中、山の中を歩き回って、海辺をさがして、人の家のまわりをこっそりと通って、それでも食べ物がみつからない日だってあるんだ。タケルくんみたいにすぐにあきらめてちゃ、なんにも食べられなくなっちゃうよ」
「そうか、タヌキが生きて行くって大変なんだな」
「タヌキだけじゃないよ。生き物ならなんでも大変なんだ。人間だってそうだろ。生きてくって大変なんだよ」
「そうさ、ぼくだって大変だったんだ。東京からこんなちっちゃい島にこしてきて、ひとりぼっちで楽しいことなんてありゃしない」
「そうか、じゃあオレが友だちになってやる。毎日ここで遊ぼう。イノシシのウリ坊もさそおう。子ザルのモンタにも声をかけてやるよ。みんな楽しい仲間だぜ。そのうち東京よりも楽しい仲間がいっぱいできるよ」
その時、校舎から校長先生が歩いてきた。
「あっ、いけない。見つかっちゃったかな?」
そう言ってぽんちゃんはミカン畑にかくれた。
「タケルくん、今だれかとしゃべっていたのかい?」
「いえ、ぼくずっと一人で遊んでいました」
ふと、みかん畑の方を見たら、
『アッ!ぽんちゃん、しっぽ!』
白い花いっぱいのミカン畑からちょっとだけ見えている、ぽんちゃんのしっぽ。太くて茶色いしっぽだけ、だらんとたれて見えてるぞ。
「そうか、楽しそうな声を出してたから、だれかとしゃべっていたのかと思ったよ」
よかった。校長先生はぽんちゃんに気付いていなかったんだ。
ぽんちゃんのしっぽが、するっとミカン畑の中に消えていった。
夜、東京の父さんから電話がかかってきた。
「友だちはできたかい?」
「うん、ぽんちゃんっていう楽しいやつなんだ。あしたは、ぽんちゃんの仲間にたくさん会うことになってるんだ」
「そうか、よかったね。ぽんちゃんか。ミカン畑から出てくる子かな?」
えっ、なんで知ってるの?
「だから、全然さびしいことなんてないよ。楽しいことでいっぱいなんだ」
「あした、ぽんちゃんによろしくな。いい子と友だちになれてよかったね」
電話の父さんはうれしそうに笑っていた。
あしたか!なんだかわくわくするなあ。
あしたが待ちどおしいぞ
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