19 / 34
第二部
2. もうひとりの王子
しおりを挟む
カシュアは、マイヤーの言葉に小さくうなずいた。きつい口調だが、言ってる内容は納得がいく。
彼らはクーデターの後、国の建てなおしに取り組んでいるのだ。執務室まで物見遊山気分でこられても、邪魔なだけだろう。
「さっそくだけど、ヒースダイン王宮の見取り図を入手したんだ。王子様は後宮のどの辺で暮らしてたの?」
マイヤーは、会議テーブルの書類を押しのけるようにして、大判の図面を広げた。
それは王宮の全体を上空からとらえた見取り図で、本宮殿から後宮、その他敷地内の施設に至るまで網羅されている。
カシュアは、はじめて目にする王宮の全貌を記した図面に、思わず息を飲んだ。
(他国にここまで知られているなんて……ヒースダインの安全管理は、どうなってるんだ?)
カシュアは半分あきれつつ、図面にすばやく目を走らせた。
「……この辺りです」
「あ、真ん中なんだ。意外。王子様のような身分なら、もっと端に追いやられていたのかと思ったよ」
マイヤーの指摘は的を得ている。
カシュアの母親は身分が高くなく、有力な貴族の後ろ盾もなかった。後宮内の地位も、下から数えたほうが早い。
だが本宮殿へのアクセスが便利な中央エリアは、より優遇される立場の寵姫や側室の住むエリアだ。カシュアのような身分が低い者は、通常ならば端の部屋に住む。
「この部屋の中には、地下へ通じる入り口があるんです」
「あー、なるほどね……この下は大昔、排水路だったかな。でも表向きは閉鎖されてるよね?」
「地下部分は全体的に改装されて、今は……別の用途に使われてます」
不自然な間に、マイヤーはすぐピンときたようだ。
「そこが蠱毒の実験場なんだね!? そっかー、入り口がなかなかわからなかったけど、部屋の中にあったのか」
カシュアは、特に隠すつもりはなかった。しかし口に出して言うには、あの場所はあまりにも忌まわしく、悲しい場所だった。
マイヤーが察してくれて、よかったとすら思えた。
「ねえ、後宮の部屋割りって、ときどき変わるものなの?」
「はい、序列によって年に一度変わります。移動しない側室もいるのですが、どこかしらは変更されてます」
「年に一度は頻繁すぎるな。となると、この部屋に被験者を移動させる、カモフラージュかもな……どんな人が入ってたか、調べる価値がありそう」
マイヤーの言葉に、カシュアは胸を撫で下ろす。少しは役立つ情報だったようだ。
するとピアース執務補佐官が、テーブルをはさんで向かい側から、図面をのぞきこんだ。
「後宮の序列といえば、カシュア妃殿下の御母堂がご健勝だったころと比べて、かなり大きな変革があったようです」
ピアースは、本宮殿にもっとも近い一角を指して続ける。
「こちらに正妻、第一側室、第二側室の三名の居室がございますが、問題はこの第一側室エリーゼです」
カシュアの記憶では、たしか後宮では、正妃に次ぐ権力を持っている側室だ。
「エリーゼは、ヒースダインの有力貴族でも筆頭とも言われる、アバネシー家の出身です。しかし例の流行病に罹患して、容体も思わしくないそうです」
「すると第二側室が、次の第一側室に繰り上がるだろうね」
マイヤーの言葉に、ピアースは小さくうなずいて同意を示した。
「ただエリーゼには、ひとり王子がいます。名はエンシオ。近々ウェストリンへやってくる可能性がもっとも高い王子候補の一人です」
カシュアは驚いて、ピアースの顔を見つめた。
ピアースはカシュアに向けて、口もとだけで笑ってみせた。
「ヒースダインの要求は、事前に送られてきた公式書簡で確認しておりますが……」
ピアースの視線が、これまで傍観者に徹していたバージルへと向けられた。
カシュアは、なにが起ころうとしているのか、なんとなく分かってしまった。
短い会議のあと、カシュアだけ先に居室へ返された。
室内にはいつものように、兵士と侍女が一名ずつ、部屋の奥で静かに控えいた。交代制だが、空気のように気配を消しているため、気づくと別の人間に変わっていることが多い。
カシュアは、すでに担当する全員の顔と、交代のタイミングをおぼえていたので、違和感に気づくのは簡単だった。
「……いつもと担当が違いますね。あなたは今日は、早朝の当番では?」
侍女にたずねると、少し恐縮した様子で配置換えがあったと説明する。
(きっと、ヒースダインから来る王子を迎える準備だろう)
カシュアは窓辺の寝椅子に横になると、目をつぶった。昼食前には、休むことを義務付けられているからだ。
未だ体内に残っている蠱毒は、少しの疲労でも活発化する。あまり血の巡りが良くなると、寿命を縮める危険性があるらしい。
カシュアの場合、痛みや苦しみが感じられないので、どの程度体に負担がかかっているか自覚できない。
そのことを医師はもとより、バージルがとても心配していた。
(エンシオ王子か……会ったことはないけど、たしか俺より五、六歳は年上だったはずだ)
カシュアは今年で二十三になるから、件の王子は三十近くになる計算だ。
先ほどピアースから聞いた話では、当面の間はウェストリンに滞在する予定だという。
(俺の代わりに、その王子をバージル殿下の妃にあてがおうとするなんて……勝手な話だな)
自分に大した価値かあるとは思ってない。むしろ欠陥だらけだ。
しかし、仮にも一度側室として送りつけた王子を、今さら別の王子と交換しろだなんて……ウェストリン王家に対して、失礼もはなはだしい。
(それに、バージル殿下に対しても……失礼だろ)
カシュアはそこで、これ以上深く考えるのをやめた。
仮にバージルがエンシオ王子を気に入ったとしても、カシュアをヒースダインへ送り返すなんてことはしないはずだ。
それではヒースダインの意に従ったことになり、諸外国の手前あまりにも体裁が悪い。
ヒースダインより格下だと軽んじられては、相手に攻め入る隙を与えてしまう可能性だってあるだろう。
(でも、もしエンシオ王子が、俺より役に立つならば……)
情報は鮮度が命だ。
エンシオなら、ヒースダインの最新情報を提供できる。そうなればカシュアは用済みだ。
(用済みになったら、俺は……どうなる?)
「カシュア」
名前を呼ばれたカシュアは、驚きのあまり椅子から転げ落ちそうになった。
「……危なかった。もう少しで、椅子ごと床に倒れるところだった」
「し、失礼しました」
部屋には、いつの間にかバージルが戻ってきていた。
「あなたは、あんがいそそっかしいな」
バージルはカシュアを椅子から抱き上げると、奥のソファーへと移動する。
そのタイミングで、侍女が茶の用意をはじめた。
「もう下ろしてください」
「もう少しだけ、このままで」
人の目を気にするカシュアに、バージルは不思議そうにする。
バージルは、カシュアを抱いたままソファーに腰を下ろすと、片手で器用にポットを操って、二つのカップに紅茶をそそいだ。
「ほら、あなたの分だ」
「ありがとうございます……」
ソーサーごとカップを受け取ると、赤くゆらぐ水面を見つめた。
「あなたが心配するようなことは、一切起きない」
間近で響いた声に、カシュアはハッとして視線を上げた。
湖水のように澄んだ水色の瞳が、わずかに細められる。
「私は、あなた以外の男に興味はない。私の妃はただひとり、あなただけだ」
彼らはクーデターの後、国の建てなおしに取り組んでいるのだ。執務室まで物見遊山気分でこられても、邪魔なだけだろう。
「さっそくだけど、ヒースダイン王宮の見取り図を入手したんだ。王子様は後宮のどの辺で暮らしてたの?」
マイヤーは、会議テーブルの書類を押しのけるようにして、大判の図面を広げた。
それは王宮の全体を上空からとらえた見取り図で、本宮殿から後宮、その他敷地内の施設に至るまで網羅されている。
カシュアは、はじめて目にする王宮の全貌を記した図面に、思わず息を飲んだ。
(他国にここまで知られているなんて……ヒースダインの安全管理は、どうなってるんだ?)
カシュアは半分あきれつつ、図面にすばやく目を走らせた。
「……この辺りです」
「あ、真ん中なんだ。意外。王子様のような身分なら、もっと端に追いやられていたのかと思ったよ」
マイヤーの指摘は的を得ている。
カシュアの母親は身分が高くなく、有力な貴族の後ろ盾もなかった。後宮内の地位も、下から数えたほうが早い。
だが本宮殿へのアクセスが便利な中央エリアは、より優遇される立場の寵姫や側室の住むエリアだ。カシュアのような身分が低い者は、通常ならば端の部屋に住む。
「この部屋の中には、地下へ通じる入り口があるんです」
「あー、なるほどね……この下は大昔、排水路だったかな。でも表向きは閉鎖されてるよね?」
「地下部分は全体的に改装されて、今は……別の用途に使われてます」
不自然な間に、マイヤーはすぐピンときたようだ。
「そこが蠱毒の実験場なんだね!? そっかー、入り口がなかなかわからなかったけど、部屋の中にあったのか」
カシュアは、特に隠すつもりはなかった。しかし口に出して言うには、あの場所はあまりにも忌まわしく、悲しい場所だった。
マイヤーが察してくれて、よかったとすら思えた。
「ねえ、後宮の部屋割りって、ときどき変わるものなの?」
「はい、序列によって年に一度変わります。移動しない側室もいるのですが、どこかしらは変更されてます」
「年に一度は頻繁すぎるな。となると、この部屋に被験者を移動させる、カモフラージュかもな……どんな人が入ってたか、調べる価値がありそう」
マイヤーの言葉に、カシュアは胸を撫で下ろす。少しは役立つ情報だったようだ。
するとピアース執務補佐官が、テーブルをはさんで向かい側から、図面をのぞきこんだ。
「後宮の序列といえば、カシュア妃殿下の御母堂がご健勝だったころと比べて、かなり大きな変革があったようです」
ピアースは、本宮殿にもっとも近い一角を指して続ける。
「こちらに正妻、第一側室、第二側室の三名の居室がございますが、問題はこの第一側室エリーゼです」
カシュアの記憶では、たしか後宮では、正妃に次ぐ権力を持っている側室だ。
「エリーゼは、ヒースダインの有力貴族でも筆頭とも言われる、アバネシー家の出身です。しかし例の流行病に罹患して、容体も思わしくないそうです」
「すると第二側室が、次の第一側室に繰り上がるだろうね」
マイヤーの言葉に、ピアースは小さくうなずいて同意を示した。
「ただエリーゼには、ひとり王子がいます。名はエンシオ。近々ウェストリンへやってくる可能性がもっとも高い王子候補の一人です」
カシュアは驚いて、ピアースの顔を見つめた。
ピアースはカシュアに向けて、口もとだけで笑ってみせた。
「ヒースダインの要求は、事前に送られてきた公式書簡で確認しておりますが……」
ピアースの視線が、これまで傍観者に徹していたバージルへと向けられた。
カシュアは、なにが起ころうとしているのか、なんとなく分かってしまった。
短い会議のあと、カシュアだけ先に居室へ返された。
室内にはいつものように、兵士と侍女が一名ずつ、部屋の奥で静かに控えいた。交代制だが、空気のように気配を消しているため、気づくと別の人間に変わっていることが多い。
カシュアは、すでに担当する全員の顔と、交代のタイミングをおぼえていたので、違和感に気づくのは簡単だった。
「……いつもと担当が違いますね。あなたは今日は、早朝の当番では?」
侍女にたずねると、少し恐縮した様子で配置換えがあったと説明する。
(きっと、ヒースダインから来る王子を迎える準備だろう)
カシュアは窓辺の寝椅子に横になると、目をつぶった。昼食前には、休むことを義務付けられているからだ。
未だ体内に残っている蠱毒は、少しの疲労でも活発化する。あまり血の巡りが良くなると、寿命を縮める危険性があるらしい。
カシュアの場合、痛みや苦しみが感じられないので、どの程度体に負担がかかっているか自覚できない。
そのことを医師はもとより、バージルがとても心配していた。
(エンシオ王子か……会ったことはないけど、たしか俺より五、六歳は年上だったはずだ)
カシュアは今年で二十三になるから、件の王子は三十近くになる計算だ。
先ほどピアースから聞いた話では、当面の間はウェストリンに滞在する予定だという。
(俺の代わりに、その王子をバージル殿下の妃にあてがおうとするなんて……勝手な話だな)
自分に大した価値かあるとは思ってない。むしろ欠陥だらけだ。
しかし、仮にも一度側室として送りつけた王子を、今さら別の王子と交換しろだなんて……ウェストリン王家に対して、失礼もはなはだしい。
(それに、バージル殿下に対しても……失礼だろ)
カシュアはそこで、これ以上深く考えるのをやめた。
仮にバージルがエンシオ王子を気に入ったとしても、カシュアをヒースダインへ送り返すなんてことはしないはずだ。
それではヒースダインの意に従ったことになり、諸外国の手前あまりにも体裁が悪い。
ヒースダインより格下だと軽んじられては、相手に攻め入る隙を与えてしまう可能性だってあるだろう。
(でも、もしエンシオ王子が、俺より役に立つならば……)
情報は鮮度が命だ。
エンシオなら、ヒースダインの最新情報を提供できる。そうなればカシュアは用済みだ。
(用済みになったら、俺は……どうなる?)
「カシュア」
名前を呼ばれたカシュアは、驚きのあまり椅子から転げ落ちそうになった。
「……危なかった。もう少しで、椅子ごと床に倒れるところだった」
「し、失礼しました」
部屋には、いつの間にかバージルが戻ってきていた。
「あなたは、あんがいそそっかしいな」
バージルはカシュアを椅子から抱き上げると、奥のソファーへと移動する。
そのタイミングで、侍女が茶の用意をはじめた。
「もう下ろしてください」
「もう少しだけ、このままで」
人の目を気にするカシュアに、バージルは不思議そうにする。
バージルは、カシュアを抱いたままソファーに腰を下ろすと、片手で器用にポットを操って、二つのカップに紅茶をそそいだ。
「ほら、あなたの分だ」
「ありがとうございます……」
ソーサーごとカップを受け取ると、赤くゆらぐ水面を見つめた。
「あなたが心配するようなことは、一切起きない」
間近で響いた声に、カシュアはハッとして視線を上げた。
湖水のように澄んだ水色の瞳が、わずかに細められる。
「私は、あなた以外の男に興味はない。私の妃はただひとり、あなただけだ」
510
あなたにおすすめの小説
悪役会計様に転生した俺は、生徒会長に媚び売って生き残る
桜城 寧
BL
処刑された記憶とともに、BLゲームに登場する悪役会計に転生したことに気付く。処刑されないために、チャラ男としての仮面を被り、生徒会長に媚び売ったり、どうにか能力を駆使したりして生きてたら、色々な人に構われる話。
帝に囲われていることなど知らない俺は今日も一人草を刈る。
志子
BL
ノリと勢いで書いたBL転生中華ファンタジー。
美形×平凡。
乱文失礼します。誤字脱字あったらすみません。
崖から落ちて顔に大傷を負い高熱で三日三晩魘された俺は前世を思い出した。どうやら農村の子どもに転生したようだ。
転生小説のようにチート能力で無双したり、前世の知識を使ってバンバン改革を起こしたり……なんてことはない。
そんな平々凡々の俺は今、帝の花園と呼ばれる後宮で下っ端として働いてる。
え? 男の俺が後宮に? って思ったろ? 実はこの後宮、ちょーーと変わっていて…‥。
昔「結婚しよう」と言ってくれた幼馴染は今日、僕以外の人と結婚する
子犬一 はぁて
BL
幼馴染の君は、7歳のとき
「大人になったら結婚してね」と僕に言って笑った。
そして──今日、君は僕じゃない別の人と結婚する。
背の低い、寝る時は親指しゃぶりが癖だった君は、いつの間にか皆に好かれて、彼女もできた。
結婚式で花束を渡す時に胸が痛いんだ。
「こいつ、幼馴染なんだ。センスいいだろ?」
誇らしげに笑う君と、その隣で微笑む綺麗な奥さん。
叶わない恋だってわかってる。
それでも、氷砂糖みたいに君との甘い思い出を、僕だけの宝箱にしまって生きていく。
君の幸せを願うことだけが、僕にできる最後の恋だから。
王太子殿下に触れた夜、月影のように想いは沈む
木風
BL
王太子殿下と共に過ごした、学園の日々。
その笑顔が眩しくて、遠くて、手を伸ばせば届くようで届かなかった。
燃えるような恋ではない。ただ、触れずに見つめ続けた冬の夜。
眠りに沈む殿下の唇が、誰かの名を呼ぶ。
それが妹の名だと知っても、離れられなかった。
「殿下が幸せなら、それでいい」
そう言い聞かせながらも、胸の奥で何かが静かに壊れていく。
赦されぬ恋を抱いたまま、彼は月影のように想いを沈めた。
※本作は「小説家になろう」「アルファポリス」にて同時掲載しております。
表紙イラストは、雪乃さんに描いていただきました。
※イラストは描き下ろし作品です。無断転載・無断使用・AI学習等は一切禁止しております。
©︎月影 / 木風 雪乃
【第一部・完結】毒を飲んだマリス~冷徹なふりして溺愛したい皇帝陛下と毒親育ちの転生人質王子が恋をした~
蛮野晩
BL
マリスは前世で毒親育ちなうえに不遇の最期を迎えた。
転生したらヘデルマリア王国の第一王子だったが、祖国は帝国に侵略されてしまう。
戦火のなかで帝国の皇帝陛下ヴェルハルトに出会う。
マリスは人質として帝国に赴いたが、そこで皇帝の弟(エヴァン・八歳)の世話役をすることになった。
皇帝ヴェルハルトは噂どおりの冷徹な男でマリスは人質として不遇な扱いを受けたが、――――じつは皇帝ヴェルハルトは戦火で出会ったマリスにすでにひと目惚れしていた!
しかもマリスが帝国に来てくれて内心大喜びだった!
ほんとうは溺愛したいが、溺愛しすぎはかっこよくない……。苦悩する皇帝ヴェルハルト。
皇帝陛下のラブコメと人質王子のシリアスがぶつかりあう。ラブコメvsシリアスのハッピーエンドです。
俺の好きな人は誰にでも優しい。
u
BL
「好きなタイプは?」と聞かれて世界で一番多く答えられているのは間違いなく「優しい人」だろう。
相手の優しいところに惹かれ、気づいた時には引き返せないところまで恋に落ちている。
でも次第に気付くのだ。誰だってみんな「優しい人」ではなく「"自分だけに"優しい人」が好きなのだと。
ロランは、"誰にでも優しい男"、フィリオンに恋をしてしまい、地獄のような日々に身を焼かれていた。
そんなとある日「この恋、捨てたいな…」と溢したら「それ、捨てようとすんの、やめてくんね?オレ、あんたがアイツを見る視線に興奮すっからさ」と遊び人で有名な男、ヒューゴに言われる。
彼は、自分を好きな人間には興味がなく、別の誰かに恋い焦がれている人間の目が好きな変態らしい。
そんな身勝手な遊び人とちょくちょく話すようになってからというもの、フィリオンの様子はどんどんおかしくなっていく。
恋を捨てたい男と、恋を捨てるなと言う男と、優しさが狂い始めていく男の話。
※作者の意思ではなくキャラの意思で結末が決まります。ご要望は受け付けられませんのでどちらとくっついても美味しいと思う方のみお読みください。
※中世ヨーロッパ風学園ものです。
※短編予定でしたが10万文字以内におさまらないので長編タグへと変更します。
※完結までノンストップで毎日2話ずつ更新。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる