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第二部
4. エンシオ王子との面会
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中庭でのひとときを終え、部屋へ戻ってしばらくするとノックの音が聞こえた。
「突然お邪魔して申し訳ありません、妃殿下」
取り次ぎの侍女に続いて現れたのは、ピアース執務補佐官だった。つい先日バージルの執務室で顔を合わせて以来だ。
カシュアはなんとなく、バージルの留守を見計らって、彼が訪ねてくる気がしていた。
「陛下のご命令でしょうか」
「察しがよくて助かります。実は、エンシオ王子と面会していただきたいのです」
カシュアは、侍女に茶を用意するよう告げたが、訪問者は『手短かにすませますので』と丁重に断った。
「はじめにお伝えしておきますが、陛下は、この度のヒースダインからの申し出を却下されます」
「却下するだけ、でしょうか」
ヒースダインによる、失礼極まりない申し出を、エドワード国王陛下はどのように対処するつもりか……カシュアは少し興味があった。
「却下するだけです。ただせっかく足を運んだエンシオ王子を、このまま帰らせるのはもったいないと思いませんか?」
「つまり俺と面会させて、彼からなにか有益な情報を得たいのですか」
「あなたの能力が、活かせるかと」
ピアースはやわらかな微笑を浮かべて、カシュアへと手を差し出した。
「……なんの真似です?」
「本当に他者の体調がわかるのか、試させていただけませんか」
まるで医師の診断を期待しているようだが、カシュアはそんなことできない。
「俺は痛覚を感知できるだけで、病の種類までは分かりかねます」
「なるほど。自覚症状がないものや、痛みをともなわない病は分からないのですね。そうだとしても、すばらしい能力には違いありません」
「すばらしい能力、ですか? これが?」
カシュアは、ピアースの瞳をのぞきこみ、その奥にひそむ意図を知りたくなった。
そこで、差し出された手に指を伸ばすと、目を閉じて視界を遮断した。こうすることで、より知覚が敏感になるからだ。
(……この人は)
ゆっくりと目を開き、あらためてピアースは瞳を見つめた。そこには先ほどはなかった、疑いようもない喜色が浮かんでいた。
「いかがでしたか」
「まさに満身創痍ですね」
ピアースは体中に傷を負っていた。
なぜ平然としてられるのか、信じられないほどに、ひどかった。
カシュアは数日前に図書室で目にした、ウェストリンの戦歴を思い出した。たしか直近の記録は、五年ほど前だった。
「ええ、満身創痍『でした』。もう完治してますよ」
「これで? まだ痛みますよね? 特に左肩から肘にかけて、それから右の薬指と小指の……付け根が」
「すっかり慣れてしまったもので。ただもう剣をにぎれないのは、少し残念ではありますが」
ピアースは微笑みながら、手袋をはめた右手を軽く持ち上げてみせる。
「そのような、困った顔をされなくても、いいのですよ。この痛みは主君を守れたという、私の矜恃でもあるのです。それにあの方はすでに、私よりもお強い。今は別の形で、あの方の盾になれればいいだけです」
エドワード国王は、そうとう剣の腕が立つらしい。五年前の戦いでも、総勢数百人の一個連隊を、たった一人で薙ぎ倒したと記されていた。
ピアースは、そのときに負傷したのだろうか。
いずれにしても、先の戦いは一時停戦となった。エドワードは帰還して、すぐ妃を娶ったと聞く。
(たしか彼の妃は、元近衛騎士だとか。きっと、その戦いの場にいたんだろうな)
エドワードの戴冠式では、遠目でしか見えなかったが、女性にしては背が高く、顔立ちも精悍だった。
彼女もおそらく、ピアースと同じ矜恃を持って、主君を支えているに違いない。
「国王陛下は、周りからの人望が厚い方なのですね」
「ええ、前国王とは違って。敵の多さだけは、似てるかもしれませんが」
どこか含みのある言い方に、カシュアはたじろく。
「陛下の周りにいる人間については、細心の注意を払っております。もちろん妃殿下についても、いろいろ調べさせてもらいました。なんといっても、もとはヒースダインの方ですから」
「……そう簡単に、俺のこと信用できませんよね」
ピアースは否定も肯定もせず、ただ微笑んだ。
(俺のこと疑うのも、無理もない)
人の痛みを感知できる能力なんて、荒唐無稽な話すぎて、疑われても仕方ない。
ピアースは、カシュアの行動や言動に不審な点がないか見張っている。なにかあれば、たとえ剣を握れなくても、容赦なく切り捨てるに違いない。
「バージル殿下は、エンシオ王子との面会についてなんと?」
「バージル殿下には、まだお知らせしておりません」
意図的に知らせてないことは明白だった。もちろん、カシュアは国王陛下の命令ならば、応じるしかない。
エンシオ王子との面会は、直ちにおこなわれた。
ピアースはあらかじめ場を整えてから、ただカシュアを呼びにきたにすぎなかったらしい。
(まったく、用意周到なことだ)
エンシオ王子たちが滞在する賓客室は、宮殿の中央から少し離れた、王宮の東側に位置した。また王族の居住エリアからは、もっとも遠い。
貴賓室自体は、クーデターによる被害が最小限だった。しかし無傷というわけではない。復旧工事ではもっとも優先度が低く、手入れもあまり行き届いてなかった。
「体裁を取り繕っても、しかたないでしょう。先に着手しなくてはならないところは、いくらでもありますからね」
ピアースは案内する道すがら、こともなげにそう言った。暗にヒースダインの訪問は、重要度が低いと言っているようなものだ。
それはヒースダイン一行にも、正確に伝わっているだろう。
面会の場は、貴賓室が並ぶエリアの、一番端にある小部屋だった。
小部屋とその周辺は、ものものしい警備体制が敷かれていた。
扉を囲むように兵士が四人、室内にも二人。窓はなく、家具も簡素な椅子が数脚あるだけだ。
「まるで、罪人の尋問部屋のようですね」
そんな軽口を叩くのは、エンシオ王子とともに同席する宮廷医師だった。
細い眼鏡の蔓を耳に巻きつけた、三十がらみの男は、感情の乗りにくい淡白な顔立ちをしていた。
彼は自らを『主治医』と名乗っただけで、本名を明かそうとしなかった。
ピアースは、男の名前について気にした様子もなく、むしろ申し訳なさそうに口を開いた。
「警備について、お気を悪くされないでください。ご存じのとおり我が国では、今の国王が即位して日も浅いものですから」
「いえ。このような時期に、こちらの方こそ押しかけて申し訳ありません」
エンシオ王子の低い声が、黒いベールの下から響いた。
謁見の間でも着用していたが、遠目では顔が見えない。しかし、こうして近くで対峙すると、顔色こそ分からないが、表情は透けて見えた。
王子は疲れたような表情で、カシュアを見つめていた。
おたがい形式ばったあいさつをすませると、カシュアは思い切って口火を切った。
「ところで……エンシオ様は、どこかお体の具合が悪いのですか」
するとベールの下の顔が、一瞬皮肉げに笑った。
「どういう意味でしょう」
「そのままの意味です。宮廷医師を同行させるくらいですから」
「生まれつき体が弱いのです。それに、はじめて国外に出るもので、いろいろ不安がつきまといます。そういうカシュア妃殿下こそ、お体の具合はいかがですか?」
ベールからのぞく瞳が、どこか挑発的に光った。
「もうすっかり回復されたのでしょうか。ヒースダインでは、ほとんど床に伏せっていたとうかがいましたが?」
「突然お邪魔して申し訳ありません、妃殿下」
取り次ぎの侍女に続いて現れたのは、ピアース執務補佐官だった。つい先日バージルの執務室で顔を合わせて以来だ。
カシュアはなんとなく、バージルの留守を見計らって、彼が訪ねてくる気がしていた。
「陛下のご命令でしょうか」
「察しがよくて助かります。実は、エンシオ王子と面会していただきたいのです」
カシュアは、侍女に茶を用意するよう告げたが、訪問者は『手短かにすませますので』と丁重に断った。
「はじめにお伝えしておきますが、陛下は、この度のヒースダインからの申し出を却下されます」
「却下するだけ、でしょうか」
ヒースダインによる、失礼極まりない申し出を、エドワード国王陛下はどのように対処するつもりか……カシュアは少し興味があった。
「却下するだけです。ただせっかく足を運んだエンシオ王子を、このまま帰らせるのはもったいないと思いませんか?」
「つまり俺と面会させて、彼からなにか有益な情報を得たいのですか」
「あなたの能力が、活かせるかと」
ピアースはやわらかな微笑を浮かべて、カシュアへと手を差し出した。
「……なんの真似です?」
「本当に他者の体調がわかるのか、試させていただけませんか」
まるで医師の診断を期待しているようだが、カシュアはそんなことできない。
「俺は痛覚を感知できるだけで、病の種類までは分かりかねます」
「なるほど。自覚症状がないものや、痛みをともなわない病は分からないのですね。そうだとしても、すばらしい能力には違いありません」
「すばらしい能力、ですか? これが?」
カシュアは、ピアースの瞳をのぞきこみ、その奥にひそむ意図を知りたくなった。
そこで、差し出された手に指を伸ばすと、目を閉じて視界を遮断した。こうすることで、より知覚が敏感になるからだ。
(……この人は)
ゆっくりと目を開き、あらためてピアースは瞳を見つめた。そこには先ほどはなかった、疑いようもない喜色が浮かんでいた。
「いかがでしたか」
「まさに満身創痍ですね」
ピアースは体中に傷を負っていた。
なぜ平然としてられるのか、信じられないほどに、ひどかった。
カシュアは数日前に図書室で目にした、ウェストリンの戦歴を思い出した。たしか直近の記録は、五年ほど前だった。
「ええ、満身創痍『でした』。もう完治してますよ」
「これで? まだ痛みますよね? 特に左肩から肘にかけて、それから右の薬指と小指の……付け根が」
「すっかり慣れてしまったもので。ただもう剣をにぎれないのは、少し残念ではありますが」
ピアースは微笑みながら、手袋をはめた右手を軽く持ち上げてみせる。
「そのような、困った顔をされなくても、いいのですよ。この痛みは主君を守れたという、私の矜恃でもあるのです。それにあの方はすでに、私よりもお強い。今は別の形で、あの方の盾になれればいいだけです」
エドワード国王は、そうとう剣の腕が立つらしい。五年前の戦いでも、総勢数百人の一個連隊を、たった一人で薙ぎ倒したと記されていた。
ピアースは、そのときに負傷したのだろうか。
いずれにしても、先の戦いは一時停戦となった。エドワードは帰還して、すぐ妃を娶ったと聞く。
(たしか彼の妃は、元近衛騎士だとか。きっと、その戦いの場にいたんだろうな)
エドワードの戴冠式では、遠目でしか見えなかったが、女性にしては背が高く、顔立ちも精悍だった。
彼女もおそらく、ピアースと同じ矜恃を持って、主君を支えているに違いない。
「国王陛下は、周りからの人望が厚い方なのですね」
「ええ、前国王とは違って。敵の多さだけは、似てるかもしれませんが」
どこか含みのある言い方に、カシュアはたじろく。
「陛下の周りにいる人間については、細心の注意を払っております。もちろん妃殿下についても、いろいろ調べさせてもらいました。なんといっても、もとはヒースダインの方ですから」
「……そう簡単に、俺のこと信用できませんよね」
ピアースは否定も肯定もせず、ただ微笑んだ。
(俺のこと疑うのも、無理もない)
人の痛みを感知できる能力なんて、荒唐無稽な話すぎて、疑われても仕方ない。
ピアースは、カシュアの行動や言動に不審な点がないか見張っている。なにかあれば、たとえ剣を握れなくても、容赦なく切り捨てるに違いない。
「バージル殿下は、エンシオ王子との面会についてなんと?」
「バージル殿下には、まだお知らせしておりません」
意図的に知らせてないことは明白だった。もちろん、カシュアは国王陛下の命令ならば、応じるしかない。
エンシオ王子との面会は、直ちにおこなわれた。
ピアースはあらかじめ場を整えてから、ただカシュアを呼びにきたにすぎなかったらしい。
(まったく、用意周到なことだ)
エンシオ王子たちが滞在する賓客室は、宮殿の中央から少し離れた、王宮の東側に位置した。また王族の居住エリアからは、もっとも遠い。
貴賓室自体は、クーデターによる被害が最小限だった。しかし無傷というわけではない。復旧工事ではもっとも優先度が低く、手入れもあまり行き届いてなかった。
「体裁を取り繕っても、しかたないでしょう。先に着手しなくてはならないところは、いくらでもありますからね」
ピアースは案内する道すがら、こともなげにそう言った。暗にヒースダインの訪問は、重要度が低いと言っているようなものだ。
それはヒースダイン一行にも、正確に伝わっているだろう。
面会の場は、貴賓室が並ぶエリアの、一番端にある小部屋だった。
小部屋とその周辺は、ものものしい警備体制が敷かれていた。
扉を囲むように兵士が四人、室内にも二人。窓はなく、家具も簡素な椅子が数脚あるだけだ。
「まるで、罪人の尋問部屋のようですね」
そんな軽口を叩くのは、エンシオ王子とともに同席する宮廷医師だった。
細い眼鏡の蔓を耳に巻きつけた、三十がらみの男は、感情の乗りにくい淡白な顔立ちをしていた。
彼は自らを『主治医』と名乗っただけで、本名を明かそうとしなかった。
ピアースは、男の名前について気にした様子もなく、むしろ申し訳なさそうに口を開いた。
「警備について、お気を悪くされないでください。ご存じのとおり我が国では、今の国王が即位して日も浅いものですから」
「いえ。このような時期に、こちらの方こそ押しかけて申し訳ありません」
エンシオ王子の低い声が、黒いベールの下から響いた。
謁見の間でも着用していたが、遠目では顔が見えない。しかし、こうして近くで対峙すると、顔色こそ分からないが、表情は透けて見えた。
王子は疲れたような表情で、カシュアを見つめていた。
おたがい形式ばったあいさつをすませると、カシュアは思い切って口火を切った。
「ところで……エンシオ様は、どこかお体の具合が悪いのですか」
するとベールの下の顔が、一瞬皮肉げに笑った。
「どういう意味でしょう」
「そのままの意味です。宮廷医師を同行させるくらいですから」
「生まれつき体が弱いのです。それに、はじめて国外に出るもので、いろいろ不安がつきまといます。そういうカシュア妃殿下こそ、お体の具合はいかがですか?」
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