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第二部
9. はじめての試み*
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やわらかくて、あたたかな感触が頬や額や瞼をなぞる。
薄く眼を開くと、バージルの淡い水色の瞳にのぞきこまれていた。
「朝……?」
「すまない、起こしてしまったか。まだ起きるには早い」
そうか、とカシュアは再び瞼を落とす。
しかしあの、いつもの独特な違和感に再び目を開いた。
「また、薬を飲んだのですか」
「ああ」
「少しの我慢もできないくらい、痛むのですか?」
カシュアがバージルの額に手をのばしかけると、とどく前に大きな手に阻むように握られた。
「あなたに苦痛を与えるなんて、少しの我慢もできない」
「俺のことは気にしなくていいって、何度も話したでしょう? こんな体質ですが、痛みには耐性がありますから」
「痛みになど慣れてほしくない。むしろ忘れて欲しいくらいだ、なにもかも」
バージルの腕が腰に回され、強く引き寄せられる。カシュアが素直に体の重みを預けると、首筋に唇を押しつけられた。
「んん……」
「あなたと体を繋げたい」
カシュアは驚いて体を引くと、バージルの顔を見上げた。
(本気で、俺を抱きたいのか?)
もちろん、己の立場として、こうした誘いに応じることは当然だと理解していた。
しかし自分の体は普通ではない……体内の毒が、バージルに害を及ぼすかもしれないのだ。
そんなカシュアの不安を見透かしたのだろう。バージルはそっと手を伸ばして頬に触れた。やさしく撫でられると、気持ちがほどけて、不安も小さくなってきそうだ。
「新しい薬のおかげで、体調もじきに良くなる」
「でも……」
最近もらった薬は、なんとなく体を疲れさせる気がしてならない。それをバージルに説明すると、副作用だと指摘された。
「効果があるから、その症状が出るそうだ。逆になにも変化がなければ、別の薬が必要らしい。どうやら、あなたには今回の薬が体に合ったようだな。しかも、適度な運動をしても熱が出てない……いい兆候だ」
「あっ……」
いつのまにか上着の前がくつろげられ、長い指が胸の尖りにやさしく触れた。撫でるようにころがされると、下腹部に切ないうずきを覚える。
これはきっと、バージルの『快感』だ……なぜなら、中心が張り詰めて、どんどん昂ってくるのが分かるから。
(そうだよな? 殿下のほう、だよな……?)
カシュアは、もうどちらの快感を拾っているのか分からなかった。
バージルは、カシュアを片手で抱き寄せると、もう片方の手で背中をやさしくなでた。
「解毒には体力がいる。たくさん食べて、適度に体を動かして、体力をつければ……いずれここで」
バージルの長い指が、カシュアの後孔を下着の上からなぞった。はじめて触れられる場所だ……恐怖が無いといえば嘘になる。
それにもうひとつ、とても心配してることがあった。
(殿下の快感を、うまく処理できるかな……いや、どうせなら気持ちよくなってもらいたいけど、でも)
相手に感じて欲しいけど、自分は感じたくない。いや、自分の快感なら感じたいが、二人分はちょっと荷が重い……気がする。
「こちらを向いて、顔を見せて」
やや強引に顎をつかまれ、舌を差し入れられた。荒い息遣いから、バージルの興奮が伝わってくる。熱い粘膜が絡み合うと、痺れるような快感が生まれた。はじめから、激しかった……頭がクラクラしてくる。
「あなたは可愛いな……キスひとつで、それほど感じてくれるとは。体を繋げたらどうなってしまうだろう……今から待ちきれない気分だ」
逆にカシュアは、今からとても心配だ。
もちろん拒絶などしないつもりだが、かなり乱れてしまうのは必至だろう。
(……淫乱だと思われるかもしれない)
そんな醜態をさらして、さすがのバージルもあきれ、嫌悪しないだろうか。
「か、感じやすい体質、みたいで……その、お手柔らかにお願いします……」
「もちろん。無理させないように進めていくつもりだ。段階を追って慣らしていけば、挿入時にあなたの負担も減らせる」
真面目な調子で説明しながらも、バージルの愛撫の手は止まらない。ずらされた下着の隙間から、少し冷えた手が差し込まれ、カシュアの腰が自然とはねた。
「すまない、どうも緊張で手が冷えてしまったようだ」
「緊張、されてるのですか?」
「ああ、この上なく」
後ろを触れられるのは二度目だが、体の反応はとんでもないことになっていた。すで昂っているバージルの快感が伝わるせいで、カシュアも前を固く張り詰めさせてしまったのだ。
「ふっ……あなたも期待してるのか」
違う、それはバージルの感覚がこちらへ伝わった結果だ。
そう言いたくても説明が難しい。カシュアは、うまく伝えられる自信がないまま、やけになって口を開いた。
「それは、殿下が興奮してるから……ひゃ!」
「バージル、だ」
後ろに直接濡れた指を這わされ、思わず声を上げてしまった。これは間違いなくカシュア自身の感覚だ。
しかし前の張り詰めかたは、どう考えてもバージルの影響だと思う。
(どうしよう、毎回こうなるのか……?)
助けを求めて無意識に伸ばした手が、バージルの腰に触れると、カシュアの腰が甘く痺れた。バージルの吐息が首筋にかかり、彼の感じる部分だと知る。
「あ、あの」
「大丈夫だ。いや、むしろいい……あなたには、私の性感帯も知って欲しい」
知るだけではなく、感じてしまうのだが……顔が羞恥で熱くなる。
バージルの指が、ゆっくりと押し入ってきた。その違和感に、苦しげな息が口からもれてしまう。
「は、あ……くっ……」
「大丈夫か……?」
もちろん痛みはない。しかし下腹からこみ上げる圧迫感に、カシュアはとまどいを隠せなかった。
「こわ、こわい、よ……少し待って」
「あと少しだけ慣らそう」
おそらく痛覚があれは、痛むのかもしれないと、少しばかり不安になった。痛みはなくても、体には負荷がかかる。
(でも、殿下が俺を傷つけるはずがないから……いやでも、俺はじめてだし、普通の体じゃないから……)
カシュアの葛藤を他所に、バージルは着々と次の段階への準備に取りかかってあるようだ。小さなボトルを手にしていて、指には透明で、重みのある液体をからめている。
「潤滑油だ。これを使えば、多少は負担を軽減できる」
なるほど、滑りをよくすれば、たしかに楽かもしれない……カシュアは、神妙な顔でうなずいた。
(もう、殿下を信じるしかない……)
バージルの手つきは慎重だが、迷いはなかった。やがてある一点を押されると、体がはねるような気持ち良さが、全身を支配した。
「えっ、なに……やだ、ま、待ってくだ」
「……ここか」
指の動きがますます大胆になっていく。どのくらい時間が経ったのか、ようやく抜かれると……代わりに、別の固いものが入り口に押しつけられた。
「う、あ……」
グッと押されると、痛みではないが、よく分からない不安が押し寄せてきた。
(いや、俺は受け入れなくては。拒否することなどできない)
すると固くつぶった瞼から影が引いた。
「すまない。怖がらせた」
体から重みが引いて、目を開くとバージルの背中があった。
「すいません、俺は大丈夫ですから!」
「大丈夫だけでは駄目だ。あなたが望み、求めなければ意味がない行為だ……私は少し頭を冷やしてくる」
バージルはベッドから降りると、椅子にかけてあったガウンを肩に掛けて、部屋を出ていってしまった。
後に残されたカシュアは、血の気が引く思いでシーツに視線を落とす。
(失敗した……このまま見限られたら、どうしよう)
薄く眼を開くと、バージルの淡い水色の瞳にのぞきこまれていた。
「朝……?」
「すまない、起こしてしまったか。まだ起きるには早い」
そうか、とカシュアは再び瞼を落とす。
しかしあの、いつもの独特な違和感に再び目を開いた。
「また、薬を飲んだのですか」
「ああ」
「少しの我慢もできないくらい、痛むのですか?」
カシュアがバージルの額に手をのばしかけると、とどく前に大きな手に阻むように握られた。
「あなたに苦痛を与えるなんて、少しの我慢もできない」
「俺のことは気にしなくていいって、何度も話したでしょう? こんな体質ですが、痛みには耐性がありますから」
「痛みになど慣れてほしくない。むしろ忘れて欲しいくらいだ、なにもかも」
バージルの腕が腰に回され、強く引き寄せられる。カシュアが素直に体の重みを預けると、首筋に唇を押しつけられた。
「んん……」
「あなたと体を繋げたい」
カシュアは驚いて体を引くと、バージルの顔を見上げた。
(本気で、俺を抱きたいのか?)
もちろん、己の立場として、こうした誘いに応じることは当然だと理解していた。
しかし自分の体は普通ではない……体内の毒が、バージルに害を及ぼすかもしれないのだ。
そんなカシュアの不安を見透かしたのだろう。バージルはそっと手を伸ばして頬に触れた。やさしく撫でられると、気持ちがほどけて、不安も小さくなってきそうだ。
「新しい薬のおかげで、体調もじきに良くなる」
「でも……」
最近もらった薬は、なんとなく体を疲れさせる気がしてならない。それをバージルに説明すると、副作用だと指摘された。
「効果があるから、その症状が出るそうだ。逆になにも変化がなければ、別の薬が必要らしい。どうやら、あなたには今回の薬が体に合ったようだな。しかも、適度な運動をしても熱が出てない……いい兆候だ」
「あっ……」
いつのまにか上着の前がくつろげられ、長い指が胸の尖りにやさしく触れた。撫でるようにころがされると、下腹部に切ないうずきを覚える。
これはきっと、バージルの『快感』だ……なぜなら、中心が張り詰めて、どんどん昂ってくるのが分かるから。
(そうだよな? 殿下のほう、だよな……?)
カシュアは、もうどちらの快感を拾っているのか分からなかった。
バージルは、カシュアを片手で抱き寄せると、もう片方の手で背中をやさしくなでた。
「解毒には体力がいる。たくさん食べて、適度に体を動かして、体力をつければ……いずれここで」
バージルの長い指が、カシュアの後孔を下着の上からなぞった。はじめて触れられる場所だ……恐怖が無いといえば嘘になる。
それにもうひとつ、とても心配してることがあった。
(殿下の快感を、うまく処理できるかな……いや、どうせなら気持ちよくなってもらいたいけど、でも)
相手に感じて欲しいけど、自分は感じたくない。いや、自分の快感なら感じたいが、二人分はちょっと荷が重い……気がする。
「こちらを向いて、顔を見せて」
やや強引に顎をつかまれ、舌を差し入れられた。荒い息遣いから、バージルの興奮が伝わってくる。熱い粘膜が絡み合うと、痺れるような快感が生まれた。はじめから、激しかった……頭がクラクラしてくる。
「あなたは可愛いな……キスひとつで、それほど感じてくれるとは。体を繋げたらどうなってしまうだろう……今から待ちきれない気分だ」
逆にカシュアは、今からとても心配だ。
もちろん拒絶などしないつもりだが、かなり乱れてしまうのは必至だろう。
(……淫乱だと思われるかもしれない)
そんな醜態をさらして、さすがのバージルもあきれ、嫌悪しないだろうか。
「か、感じやすい体質、みたいで……その、お手柔らかにお願いします……」
「もちろん。無理させないように進めていくつもりだ。段階を追って慣らしていけば、挿入時にあなたの負担も減らせる」
真面目な調子で説明しながらも、バージルの愛撫の手は止まらない。ずらされた下着の隙間から、少し冷えた手が差し込まれ、カシュアの腰が自然とはねた。
「すまない、どうも緊張で手が冷えてしまったようだ」
「緊張、されてるのですか?」
「ああ、この上なく」
後ろを触れられるのは二度目だが、体の反応はとんでもないことになっていた。すで昂っているバージルの快感が伝わるせいで、カシュアも前を固く張り詰めさせてしまったのだ。
「ふっ……あなたも期待してるのか」
違う、それはバージルの感覚がこちらへ伝わった結果だ。
そう言いたくても説明が難しい。カシュアは、うまく伝えられる自信がないまま、やけになって口を開いた。
「それは、殿下が興奮してるから……ひゃ!」
「バージル、だ」
後ろに直接濡れた指を這わされ、思わず声を上げてしまった。これは間違いなくカシュア自身の感覚だ。
しかし前の張り詰めかたは、どう考えてもバージルの影響だと思う。
(どうしよう、毎回こうなるのか……?)
助けを求めて無意識に伸ばした手が、バージルの腰に触れると、カシュアの腰が甘く痺れた。バージルの吐息が首筋にかかり、彼の感じる部分だと知る。
「あ、あの」
「大丈夫だ。いや、むしろいい……あなたには、私の性感帯も知って欲しい」
知るだけではなく、感じてしまうのだが……顔が羞恥で熱くなる。
バージルの指が、ゆっくりと押し入ってきた。その違和感に、苦しげな息が口からもれてしまう。
「は、あ……くっ……」
「大丈夫か……?」
もちろん痛みはない。しかし下腹からこみ上げる圧迫感に、カシュアはとまどいを隠せなかった。
「こわ、こわい、よ……少し待って」
「あと少しだけ慣らそう」
おそらく痛覚があれは、痛むのかもしれないと、少しばかり不安になった。痛みはなくても、体には負荷がかかる。
(でも、殿下が俺を傷つけるはずがないから……いやでも、俺はじめてだし、普通の体じゃないから……)
カシュアの葛藤を他所に、バージルは着々と次の段階への準備に取りかかってあるようだ。小さなボトルを手にしていて、指には透明で、重みのある液体をからめている。
「潤滑油だ。これを使えば、多少は負担を軽減できる」
なるほど、滑りをよくすれば、たしかに楽かもしれない……カシュアは、神妙な顔でうなずいた。
(もう、殿下を信じるしかない……)
バージルの手つきは慎重だが、迷いはなかった。やがてある一点を押されると、体がはねるような気持ち良さが、全身を支配した。
「えっ、なに……やだ、ま、待ってくだ」
「……ここか」
指の動きがますます大胆になっていく。どのくらい時間が経ったのか、ようやく抜かれると……代わりに、別の固いものが入り口に押しつけられた。
「う、あ……」
グッと押されると、痛みではないが、よく分からない不安が押し寄せてきた。
(いや、俺は受け入れなくては。拒否することなどできない)
すると固くつぶった瞼から影が引いた。
「すまない。怖がらせた」
体から重みが引いて、目を開くとバージルの背中があった。
「すいません、俺は大丈夫ですから!」
「大丈夫だけでは駄目だ。あなたが望み、求めなければ意味がない行為だ……私は少し頭を冷やしてくる」
バージルはベッドから降りると、椅子にかけてあったガウンを肩に掛けて、部屋を出ていってしまった。
後に残されたカシュアは、血の気が引く思いでシーツに視線を落とす。
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