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ーーその幸運によりリアーヌの一家は、ごく最近、貴族の仲間入りを果たしたのだった。
ことの始まりはリアーヌの父親が、とあるご婦人を助けたことに始まる。
ーーこの父親は【豪運】と言うギフトを持っていて、今までの人生、運だけで乗り越えてきたような人物だった。
実はこのご婦人を助けた時も、なんとなく……で仕事をサボり繁華街をぷらぷらしていたところ、目の前でご婦人の荷物がひったくられ、父親は咄嗟にその犯人に足をかけ、すぐさま荷物を奪還。
すぐに荷物をご婦人に返還し、転んで足を挫いてしまったご婦人を、ヒョイッと両腕に抱えて、座れる場所までご案内したのだった。
そしてここから幸運の連鎖が始まった。
盗まれそうになった荷物がとても大切だったそのご婦人は父親に大変感謝し、その場で自分の護衛に大抜擢。
しかも使用人の宿舎に空きがあるから構わないと、家族全員で宿舎にお引っ越しすることが決定した。
さらには、ただでここまでされると後が怖いから……と母親が家事などの手伝いを申し出てーーここでもギフトの力が幸運を加速させた。
この母親もギフト持ちで【やりくり】という能力を持っていた。
これまでは、買い物の値切り交渉や火事の効率などを上げるために使っていたものだったが、この話を聞いたご婦人ーー奥様が、試しに……と、屋敷の帳簿を見せたところ、あれよあれよという間に横領犯を突き止め、摘発。 その不正に関わっていた親族たちも丸っとひっくるめてゴッソリ一掃した結果、ほんの少しだけ落ち目だった子爵家の財政が脅威のV字回復を遂げた。
ーーこれには奥様も大歓喜。
しかし話はこれで、めでたしめでたしとはならなかった。
財政も安定し、日々の生活やお給金が豊かになり、みんなでニッコリしていた真っ只中、事件は起こった。
ーー奥様、いきなりの引退宣言。
さらには後継者にリアーヌたちの父親を指名。
それに加え、ご自身は世界旅行に出発する! と言い残して、メイド長や数人の侍女たちと旅行に出発。
その時のリアーヌたち一家の混乱は凄まじかった。
「ーー財産を譲るって、なに……?」
「財産って……あの財産か……?」
両親は呆然と呟き合い、
「ーー……世界旅行とかいいなぁ」
「……みやげは食い物がいいって手紙出そうぜ」
リアーヌとザームは簡単な現実逃避を始めていた。
ーーそんな四人に、執事のヴァルムが仏のような微笑みを浮かべ、
「大丈夫でございますよ。 大丈夫ですとも。 ーー全てこのヴァルムめにおまかせを……」
と、恭しく首をたれた。
そんなヴァルムに、一家は天の助け! とばかりにコクコクと大きく頷きすべてをまかせた結果ーー
代替わりはするりと、完了したのだった。
「なんでこうなった……?」
「ーー父さんの豪運のせいじゃね……?」
その報告を受けながら、リアーヌたち姉弟はコソコソとそんな会話を交わし合う。
ーーそしてこの出来事が今から数ヶ月前のこと。
リアーヌの受験勉強の突貫工事が始まった瞬間でもあったのだったーー
ことの始まりはリアーヌの父親が、とあるご婦人を助けたことに始まる。
ーーこの父親は【豪運】と言うギフトを持っていて、今までの人生、運だけで乗り越えてきたような人物だった。
実はこのご婦人を助けた時も、なんとなく……で仕事をサボり繁華街をぷらぷらしていたところ、目の前でご婦人の荷物がひったくられ、父親は咄嗟にその犯人に足をかけ、すぐさま荷物を奪還。
すぐに荷物をご婦人に返還し、転んで足を挫いてしまったご婦人を、ヒョイッと両腕に抱えて、座れる場所までご案内したのだった。
そしてここから幸運の連鎖が始まった。
盗まれそうになった荷物がとても大切だったそのご婦人は父親に大変感謝し、その場で自分の護衛に大抜擢。
しかも使用人の宿舎に空きがあるから構わないと、家族全員で宿舎にお引っ越しすることが決定した。
さらには、ただでここまでされると後が怖いから……と母親が家事などの手伝いを申し出てーーここでもギフトの力が幸運を加速させた。
この母親もギフト持ちで【やりくり】という能力を持っていた。
これまでは、買い物の値切り交渉や火事の効率などを上げるために使っていたものだったが、この話を聞いたご婦人ーー奥様が、試しに……と、屋敷の帳簿を見せたところ、あれよあれよという間に横領犯を突き止め、摘発。 その不正に関わっていた親族たちも丸っとひっくるめてゴッソリ一掃した結果、ほんの少しだけ落ち目だった子爵家の財政が脅威のV字回復を遂げた。
ーーこれには奥様も大歓喜。
しかし話はこれで、めでたしめでたしとはならなかった。
財政も安定し、日々の生活やお給金が豊かになり、みんなでニッコリしていた真っ只中、事件は起こった。
ーー奥様、いきなりの引退宣言。
さらには後継者にリアーヌたちの父親を指名。
それに加え、ご自身は世界旅行に出発する! と言い残して、メイド長や数人の侍女たちと旅行に出発。
その時のリアーヌたち一家の混乱は凄まじかった。
「ーー財産を譲るって、なに……?」
「財産って……あの財産か……?」
両親は呆然と呟き合い、
「ーー……世界旅行とかいいなぁ」
「……みやげは食い物がいいって手紙出そうぜ」
リアーヌとザームは簡単な現実逃避を始めていた。
ーーそんな四人に、執事のヴァルムが仏のような微笑みを浮かべ、
「大丈夫でございますよ。 大丈夫ですとも。 ーー全てこのヴァルムめにおまかせを……」
と、恭しく首をたれた。
そんなヴァルムに、一家は天の助け! とばかりにコクコクと大きく頷きすべてをまかせた結果ーー
代替わりはするりと、完了したのだった。
「なんでこうなった……?」
「ーー父さんの豪運のせいじゃね……?」
その報告を受けながら、リアーヌたち姉弟はコソコソとそんな会話を交わし合う。
ーーそしてこの出来事が今から数ヶ月前のこと。
リアーヌの受験勉強の突貫工事が始まった瞬間でもあったのだったーー
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