【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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「あー……まあ、それはそうだね⁇」

 リアーヌの態度を不思議そうに見ていたゼクスだったが、リアーヌの言葉自体には同意しか無かったので、同じように身体をよじると、楽しそうな祖父や父、祖母の姿を眺めながら口元を綻ばせた。

(あの人たちが、こんな短時間であんなに打ち解けるとは思ってなかったな……ーー相性は悪くないとは思ってたけど、ここまでとは……ーーやっぱりリアーヌの力のおかげ、なのかな……?)

 ゼクスはこっそりとその横顔を盗み見ながら、リアーヌのギフトについて考えを巡らせ始めた。

(ボスハウト家で子爵がリアーヌに助言を求めた時から、そうなんじゃないかと疑ってたけど……やっぱりリアーヌは無意識でギフトを使ってるーーいや、もしかしたらパッシブ型の可能性も……? ーーだとすればきっと発動のきっかけは十中八九“問いかけ”だろうな)

 さまざまな能力のある『ギフト』
 実はその能力の発動方法にも、いくつかの種類があった。

 ほとんどの場合は、自分の意思で発動させるもの。
 アクティブ型と呼ばれることもある発動方法だ。
 リアーヌの『コピー』やゼクスの『魅了』などがこれに当てはまる。

 そして今回ゼクスが疑っている発動方法がパッシブ型。
 これは自分の考えではなく、他人に促されたり、なにかのきっかけによってギフトが発動するものだ。

 その他に、大変数は少ないが、能力者の意思に関係なく、常時発動するギフトもある。
 リアーヌの父親サージュの『豪運』がこれに当てはまる。
 ーーこの発動方法のギフトを持っている能力者は、生まれつきかなりの力を保有していなければならないので、数としてはかなり少数になる。

「なぁ、食べないのか?」
「えっ……?」

 自分の考えに浸っていたゼクスは、急にかけられた声に驚いて顔を上げた。
 しかし声の主と目が合うことはなくーー声をかけてきたザームは、ゼクスの前に置かれたケーキを、捕食者のような目つきで見つめ続けていた。

「ーー俺代わりに食ってやろうか?」
「ーーザームにおかわり持ってきてあげて?」
「かしこまりました」
「すぐ用意してもらうから、ちょっと待ってね……?」
「……分かった」

 渋々……と言った様子で答えたザームだったが、その視線がゼクスのケーキから外されることはなく、ようやく外れたのは、新しきデザートが部屋に運ばれて来た時だったーー

(……無礼講だったからここまで打ち解けられたわけだけど……こりゃ今回限りで封印だなぁ……)

 このゼクスの心の声は、後日この日の出来事を詳しく知ったツノを生やしたヴァルムの采配によって現実のものとなったのであったーー
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