【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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「つまり、原因は不明だと?」
「ああ。 この商売、基本は開けてみなきゃ分かんねぇ博打見てぇなモンだが、今回のはキッツイぜ……なにせ半分以上だ」
「そんなに……?」

 この店主の話を総合すると、今年取れる真珠の半数近くがバロック真珠になってしまっていているということ。
 そのため通常の真珠の価格を釣り上げなくては店が立ち行かないことという話だった。
 ーー加えて、どうにかこのバロック真珠をさばく方法はないものか? という相談も多分に含まれていたが。

「ーー解決策が見つからねぇなら今年の真珠はそれなりの額になる」
「……俺とおやっさんの仲じゃん?」
「ーー半分だぞ? 今まで通りでなんて売れねぇよ」
「だよねぇ……? ーーリアーヌ、なにかいい案はないかなぁ?」

(えっ、ここで私に振る⁉︎ お店の商品が軒並みダメになったって話のまっ最中ですよね⁉︎)

「えっと……?」
「俺としてはこのバロック真珠がそれなりの額で売れれば、問題解決だと思ってるんだよねぇー」

 そう言いながらゼクスはテーブルの上に並べられたさまざまな形、そして色のバロック真珠に視線を移す。
 リアーヌもつられて視線を移しーー少し首を傾げながら、声をひそめてゼクスにたずねた。

「……あの、バロック真珠って安いんですか?」
「え……ーーまぁ、安いというか……値段なんか付かないよ。 だって……誰だって綺麗な丸の方がいいだろ?」
「ーーこれだけ大きくて、ツヤツヤのピカピカなら十分だと思いますけど……」

(どっかの通販番組で言ってたよ? 真珠の良し悪しは照りと巻きだって。 この真珠たちはバロックでも、パーティーで皆が付けてるのと同じぐらいツルピカなんだから、絶対いいものだと思うんだけどなぁ……)

「十分、かなぁ? ……こう、花園の時みたいに、こうしたらいいんじゃないかなー? みたいな案は浮かばない?」
「……私この真珠がそれなりのお値段だったら結構売れると思いますけど?」
「ーー……そう、なんだ?」

 リアーヌの言葉にゼクスがキラリと目を光らせる。
 そして顎に手を当て、頭の中でなにかを検討し始めたようだった。

 一人考え込み始めたゼクスに少し戸惑ったリアーヌは出されていたお茶に手を伸ばす。
 そんなリアーヌの耳に、ため息混じりのボヤキが聞こえてきた。

「ーーそれなりじゃ困るんだがな……?」
「えっ?」

 思わずその発言の主ーー向かいの席の店主に視線を向けるリアーヌ。

「あー……いや、そのな?」

 自分の独り言が意外に大きかったこと、そしてそれをリアーヌに聞かれてしまったことに気まずく思った店主ーーテオは、ごまかすよに愛想笑いを浮かべ、手を擦り合わせて見せていたのだが、すぐにガックリと肩を落とし、ポソポソと心の内を話し始めた。
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