【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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「……けれど意中のかたの好みにも合わせたいという想いも理解できますわ?」
「そうですわよね? 誰だって良く思われたいですもの」

 マーリオンたちは機嫌を直したレジアンナに胸を撫で下ろしながら、少々遅めのフォローを口にする。

「……なんか間違ってたみたいですけどねー?」

 その言葉に嬉しそうに微笑むレジアンナに、リアーヌはクスリと笑いながらからかうように囁いた。

「ーービアンカ、リアーヌったら失礼ですわっ!」

 そう言ったレジアンナはいつものようにプウっと頬を膨らませて、どこかイタズラっぽい表情をうかべていた。
 ーーしかし、つい先ほどのレジアンナの表情に震え上がった少女たちには、そのやりとりをだわ。 と、片付けられるメンタルは無かった。
 そのためーー

「いっ⁉︎」

 ビアンカは全ての苛立ちを込めた、渾身の力で足先を踏みつけながら、厳しい視線をリアーヌに向ける。

「ーー言い過ぎ。 本当に」
「レジアンナあの……ごめんね?」

 いつもとは違うビアンカの対応に、リアーヌはそこでようやく顔色を悪くすると、オロオロとしながらレジアンナに声をかけた。

「……ふふっ ーーどうしようかしら?」
「しばらく許さなくてもよろしいのでは?」
「そんな⁉︎」
「ビアンカがそういうならぁー?」

 レジアンナはそう言いながら、ニヨニヨと人の悪そうな笑顔をリアーヌに向けた。
 周りのご令嬢たちも、笑っては悪いとは思いつつもニヤける口元を手で隠すことしか出来ないようだった。

「いやいやいや、だから……ーーほら、私は、ただそんな試練に見舞われたけど、今はすっごい幸せだよねー? ってことが言いたかったわけで⁉︎」

 リアーヌは心の中で、そんなわけはない……と否定しながらも、入学当時のイタズラの数々を思い出しながら、今更またあの生活はダル過ぎる⁉︎ と、必死にレジアンナの機嫌を取ろうとしていた。

「ーーやだそんな……ーーそんな言い方したら……なんだか、物語の主人公のようじゃない!」

 リアーヌの言葉にレジアンナは両手で頬を押さえながら恥ずかしそうに身を捩らせた。

「ーー……すれ違いって恋愛小説の王道だしね⁉︎」

 リアーヌはさらに言葉を重ねてレジアンナの機嫌を上向かせる。

「えぇー? そんなぁー! ーーでもね? フィリップ様ったら、本当に物語に出てくるどの殿方よりも素敵でいらしてね⁉︎」
「ーーはははっ……」

 機嫌が直り、エンジンも全開になったレジアンナに、リアーヌはホッとしながらもその頬を引きつらせる。

(あ……これ完全に私が話聞くパターンだな……?)
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