【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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 ベッティ・レーレンに揺さぶりをかけ、話を聞くことを滲ませたゼクスに、オリバーは少し眉をひそめながら答えた。

「ーーもあるんで……まぁ見ててくださいよ」

 ニヤリと笑いながら答えるってゼクス。
 オリバーはボスハウト家の情報網によってもたらされた知識からゼクスのギフトの内容を知っていたため、少し目を細めて「ほどほどになさって下さい……」と声をかけた。

(……え? ゼクスのとっておきってギフトのことでしょ? ……つまりゼクスは「これからベッティを誘惑して話聞いてくる!」って話してる……? ぇ、クズ……)

 この二人のーーゼクスの想定と違っていたのは、リアーヌがゼクスのギフトの内容を、誰に教えられるまでもなく知っていたことだろうか。

「ーーじゃあ、行きましょうかお嬢様?」

 オリバーとの会話を切り上げたゼクスはリアーヌに向かい、冗談めかしてウインクと共に笑いかけるがーー

「……ぁ、はぃ」

 リアーヌは実によそよそしい態度で返した。

「ーーリアーヌ? どうかした?」
「や、別になにも……」
「…………もしかして、その――」

 今の話の流れから、ゼクスが最悪を想像しつつ探るように言葉をかけるが、そう話し始めた瞬間、ビクリと身体を震わせたリアーヌの反応でゼクスは自分のギフト内容を知られていることを察知したのだった――

「……あのね、リアーヌ?」
「ぁ、大丈夫です。 気にしないんで……」
「うん、そこは気にして欲しいんだけど、そうじゃなくってね?」
「ーーなんか……頑張って下さい?」

 どこか警戒したような、冷たいリアーヌからの視線にゼクスは思い切り頬を引きつらせると、オリバーに向かって口を開いた。

「やっぱり寄らせてもらっても⁉︎」
「ーーおや、よろしいので?」

 ゼクスはすぐさまオリバーにボスハウト邸へ訪問することを伝え、オリバーもそのやり取りから、リアーヌがゼクスのギフトを知っていたことを理解して、ニヤニヤと顔を歪めながら、からかうように返した。

「ーーぜひ寄らせて下さい」
「ではそのように……」

 オリバーからの許可をもぎ取ったゼクスはすぐさまリアーヌに向かって言い放つ。

「情報収集は他の人に任せようと思うんだ?」
「あー……なるほど……?」

(ーーつまり、他の人に誘惑させるってこと……? え、仕事の一環でそんなことさせるの……? ーー無くない?)

「ーーもうあの子に関わるのはやめようか⁉︎ うん。 俺もリアーヌもノータッチ! それが一番良いよね⁉︎」

 どれだけ言葉を重ねても一向にその瞳を冷たさを消さないリアーヌに、ゼクスは白旗を上げるようにそう言い切った。
 そして押し込むようにリアーヌを馬車に乗せると、さまざまな案を出してリアーヌの機嫌を取り始めるのだった。
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