【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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 そんなことを考えながらオム焼きそばを堪能していたリアーヌの元に、ゼクスからの伝言を預かってきたと、ラッフィナート商会の人間が訪ねてきた。

 伝言の内容は『運良くアウセレの固有の植物や木の苗が手に入ったので、良かったら花園でお使いください』というもので、その場ではにこやかにお礼の言葉を返したリアーヌだったが、扉が閉じた瞬間、バツが悪そうに顔をしかめた。

「ーーわたし……木の苗探すとか、そん気全くありませんでした……」

 そう言いながら渡された苗のリストが書かれた紙に視線を落とす。

(桜に梅にもみじ……それから竹に曼珠沙華……ゼクスさんってば仕事が出来すぎる……たけのこは一家総出で掘りに行こう。 そうしよう……ーーうちの花園に千本鳥居的なの勝手に作ったら怒られるかな? 紅葉で真っ赤に染まった道を抜けた先には千本鳥居があって曼珠沙華が満開ーー的な。 やば。 その光景、私が見たいんだけど! ……それもこれもゼクスが見つけてくれたからこそ、なんだけどさ……)

「……今回は奥様から頼まごとをされたわけではございませんし……」
「花園もだいぶ入園者が増えて、見どころも充実してきましたからねぇ?」

 アンナたちも考えに無かったのか、少しバツが悪そうに顔を見合わせていた。

「ーーこれ、お返しとかお礼は向こうついてからで大丈夫ですよね?」

 少し心配そうにたずねるリアーヌにオリバーは首を傾げながら口を開いた。

「……この木の苗が、男爵からの“お礼”なのでは?」
「……なんに対する?」

 そんなリアーヌの言葉にオリバーは思いつく限りのことを挙げていく。

「まず、大きなところではタカツカサ家との強い繋がり。 それから酒問屋やスパイス問屋との繋がりもお嬢様がいたからこそ作れた縁です。 それ以外でも布問屋や、果物問屋との商談がまとまったようですよ」
「……身に覚えのない商談にまで感謝されている……?」
「お嬢様と買い物に行って作った縁なので、お嬢様に感謝していてもおかしくないかと……」
「ーー私と買い物……?」

(つまりーー布問屋は、袴や髪飾り買った所で、果物問屋は……ーーもしかしてメロン買ったとこか⁉︎ ……いやでも、あそこのメロンを勝手にジュースやシャーベットにして屋台で売り捌いて結構儲かったって話してたけど……ーー喧嘩にならなくて良かったね……? つーか……)

「ーー商人って、なんでも商談にするんですね……?」
「……商人というかーーゼクス様が、というか……?」

 リアーヌの呟きに、オリバーは困ったように笑いながら首を傾げ、その言葉にリアーヌは納得したように「あー……」と呻きながら何回か首を縦に振った。
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