【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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 リアーヌは不安そうな顔つきで助けを求めるように両親やアンナ、ゼクスをはじめとしたラッフィーナート家の人々に視線を走らせる。

「騎士達が立ち去った理由にもよるが……そうなってもいいように準備だけはしておく」

 厳しい顔つきでいうクライスに、リアーヌは自身の安全が約束されたわけでは無いのだと、思わず肩を下げた。

「……そう、なんですね……?」

 そんな時だった。
 応接室のドアがノックされ、開け放たれた扉の向こうに、ヴァルムとオリバー、そしてメイド長が立っていた。

「ヴァルムさん! オリバーさんたちも!」

 ガタリと音を立てて立ち上がったボスハウト家の面々は、ホッとしたような笑顔を浮かべながら駆け寄って行く。
 その行動は、貴族としては決して相応しいものとは言えなかったが、誰の口からも苦言が飛び出すことはなく、全員がその再会を心から喜んでいた。



「ーーつまりその、お爺さんの勇足……?」
「だからこそ、あの瞬間まで旦那様の豪運に引っ掛からなかったようです」
「その場限りの思いつきだから……?」
「はい」

 ヴァルムの説明に、ボスハウト家の面々どころか、ラッフィーナート家の面々まで微妙そうな顔つきになり、コメントを避けていた。

 ヴァルムからの報告によると、今回の首謀者は、王妃の実父でもあるバルシュミーデ降爵家の当主であり、城で文官の取りまとめをしているニコラース・バルシュミーデだった。
 今日、リアーヌとベッティが接触したという情報を得た降爵は、リアーヌに守護のギフトが渡ったのだと勘違いした。
 そして今ならばリアーヌを孫のーー第一王子の嫁にできるのでは無いかと、書類を偽造し、自分の息のかかった騎士達を中心にリアーヌを捕まえてくることを命じた。
 ーー単なる思いつき、行き当たりばったりの策とはいえ、正式な書類を発行する部署の取りまとめ役が用意した“ほぼ本物”と呼べるほどの精巧な書類と、本物の城に勤める騎士たちーー
 通常であれば、そう簡単に回避できるような策では無いのだがーー
 サージュたちの持つ『豪運』のギフトが無ければ。

 結果として難を逃れた一家、そして時間と共にずさんな計画が破綻していきーー騎士達の撤退が始まったのだそうだ。
 そして、ボスハウト家の使用人達からの素早い告発により、バルシュミーデ侯爵の企みは全て明るみに出て、かなりのスピードで拘束されることになったとのことだったーー
 


「ーーお嬢様や旦那様がた、もしくは我々使用人が拘束されていれば結果は変わっていたのでしょうが……」

 そこまで言ったオリバーは、肩をすくめるだけで話をまとめる。
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