【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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「ーーそんなもん、リアーヌちゃんの身柄押さえるための方便ってやつに決まっとるさ! 高貴な家の娘さんは外聞を大切にするだろう? 第一王子と二人っきりにでもさせて、結婚まで漕ぎつけようって魂胆なんだよきっと!」
「あー……ーーでも……リアーヌがそうしたいっていうならともかく……そんなのうちは気にしない……でしょう?」

 リエンヌはフリシアの説明にイヤそうに顔をしかめながらも、少し不安そうにアンナに向かって首を傾げた。

「ーーお嬢様のお気持ちがいちばんでございますとも。 ですが……ーーあくまでも一般論としては、望まない結婚を決める家は多いのではないかと……ーー無理に元々の婚約者の元に嫁いでも……幸せになれる可能性は低いと……」
「“キズモノの娘”……」
「ーー貴族は醜聞をことさら忌避しますので……」

 アンナから話を聞いたリエンヌは渋い顔をしながらチラリとフリシアたちのほうに視線を流す。
 それはリエンヌ自身も意図したことではなく、ごくごく自然に(ラッフィーナート家もそう思うのかしら……?)と感じたことが自然の動きに現れてしまっただけだったのだがーー
 その視線を質問だととったラッフィーナート家の者たちは慌てたように手を振りながらフルフルと首を横に振る。

「うちがそんなことするわけ無いだろう⁉︎」

 フリシアがそういえば、それに同意するように頷きながらゼクスも口を開く。

「そうですよ! 外聞なんか気にしません。 ーー万が一にも、リアーヌが婚約破棄したいなんて言い出したら、王命を盾に裁判起こしますって!」

(……ーーうん。 きっと本当にそうなんだろうけど……ーー今はもうちょっと糖分高めな答えのほうが正解だった気がしますけれども……? ーーま、それでこそゼクスなんですけどー)

 リアーヌはそんなゼクスのロマンチックのカケラも無い答えに、下を向きながら笑いを噛み殺す。

「……んじゃあ、アイツらなんで帰ったんだ?」

 話を聞いていたザームが、解禁とばかりにバームクーヘンを頬張りながら首を傾げた。

「時間切れ、もしくは勝手に騎士を動かしたのが問題になったか……」

 ザームの質問に答えたのはグラントだったが、自分の意見に自信が無いのか、チラリとサージュやクライスに視線を向け、確認をとっていた。

「……じゃあ、もう一度来んのか?」
「ーーえ?」

 ザームの言葉に声を上げたのはリアーヌ。
 騎士達が立ち去った今、危険は全て消え去ったのだと思っていた。

「だって、向こうの狙いは姉ちゃんなんだろ? だったらもう一回来るんじゃねぇのか?」
「そ、れは……?」
 
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