【完】相手が宜しくないヤツだから、とりあえず婚約破棄したい(切実)

桜 鴬

文字の大きさ
5 / 45
第1章・婚約破棄は自由の翼。

私は前世持ち。

しおりを挟む

私には生まれた時に決まったと言う婚約者が居たの。私が5才のお誕生日に初の顔合わせをした。お相手はどんな方だろう。侍女に素敵な王子さまの様な方ですよと言われ、お姉さまの婚約者を思い出す。キラキラの本物の王子さま。新調したばかりのピンクのドレスを着せつけられ、私はワクワクしながら到着を待っていた。

事前に私は料理人に手伝って貰い、マフィンとスコーンを焼いた。既にケーキスタンドに盛り付けて有る。これから庭園の東屋で2人だけのお茶会。勿論護衛や侍女は控えている。

私の王子さまは喜んでくれるかしら?

既に着席していた婚約者に、私が挨拶をする。すると彼は突然立ち上り、テーブルの上のケーキスタンドを片手で薙ぎ倒した。

「な…何故?」

驚き泣き出しそうになる私。

「公爵令嬢がお菓子を作るなんて可笑しい!貴様は頭がいかれてるのか!こんな物を口に入れられるか!僕の婚約者で居たいなら、僕の嫌がる事はするな!一切口答えをするな!」

庭に散らばるお菓子を見つめ、ヘナヘナと座り込む。その私の前に転がるマフィンとスコーンを、踏みつけ更にはグリグリと踏み潰す。

「解ったか?2度とするなよ!」

・・・・・。

「返事をしろ!」

思いきりお尻を蹴りあげられた。バランスを崩し転がり庭石に激突。頭から血を流す私に、流石に侍女が飛び出して来た。

「お嬢様!大丈夫ですか!お嬢様!」

何か叫んでるけど聞こえない。意識が無くなる。世界が白くなる。途端に何か膨大な知識と映像が、己の脳裏に走馬灯の様に流れ始めた。

女子高生だった私が、アルバイトで初めて貰ったお給料。そのお給料で有名店のケーキを家族分購入した事。その味に一目惚れして、製菓の専門学校へ行った事。有名ホテルの製菓部門に入社し、脇目もふらずに日々お菓子作りに励んでいた事。そんな私を見かねた同僚からのプレゼント。恋愛に興味を持つ為にもと、恋愛シミュレーションゲームとやらを貰った事。所謂乙女ゲームと言う物らしい。ゲームは初めてだったが、プレゼントなので一通りクリアした。

そしてとある製菓のコンクールで地区大会まで行けた日。早朝の横断歩道で、居眠り運転で横転したトラックに潰された。呆気ない死に様だった。

そう私は1度、車にひかれて死んだのよ。全てを思い出した。これは走馬灯なんかじゃ無い。私の前世の記憶だ。魂は輪廻転生すると言う。しかし記憶は消去されるのでは無いの?私が思い出した理由はなんなの?

その日から約1週間、私は高熱を出し寝込んだそうだ。その間原因となった婚約者は、見舞いにすら来なかった。

公爵令嬢がお菓子を作る。それがそんなに可笑しな事なの?頭がイカれてるとまで言われなきゃならない事なの?お菓子はキチンと毒見だってしている。お菓子作りと言ったって、5才の私では殆どが手伝いみたいなもの。女の子の可愛らしい手遊びじゃない。

ううん。それよりあの婚約者は…。

いやー!

あの侯爵子息はサドなのよ!女性を痛めつけるのが趣味だった。婚約者の私は小さい頃から生意気だからと、ずっと虐待されて続けていた。それも外部にはバレぬ様に、見えぬ所を痛めつける。体だけでは無く精神的にも追い詰められる。己より私を価値の低い人間と詰り貶める。私はすっかり卑称になり、己に自信が持てなくなる。彼奴の言いなりの具くつになってしまう。

なのに真実の愛を見付けたとか言い出し、私は冤罪で断罪される。悪役令嬢として国外追放になる。

ローズマリーの取り巻きに、姉の婚約者の皇太子もいたから。だから私の罪はたして調べられもせずに重くなった。そして私が罪を犯したからと、姉と皇太子との婚約も破棄になる。

正直これは助かる。お姉さまをあんな目にあわせたくはない。

皇太子は実はもの凄い変態なの。ストーカーにヤンデレ拗らせてる。幼い頃からの婚約者である、美形なエリザベートに執着してる。胸フェチで腰フェチ。部屋は盗撮させた絵姿で埋もれてる。等身大の人形を作らせて、毎日撫でながら着せ替えをしてる。お姉さまのサイズが変わったからと、人形を作り直させる。前の人形はお姉さまの成長記録だといい、全てを保管してるのよ!何故かサイズが解るのよ!正直気持ち悪くて鳥肌が立つわ。

なのに何故かいきなりローズマリーのとりまきになる。そして恋人になれば婚約破棄よ。何故かは答えは簡単。お姉さまに焼きもちを焼かせたかっただけ。でもお姉さまはムカついて即時に解消。だってお姉さまは全てを知ってるもの。一族郎党の為にと我慢しているだけ。ヘンタイ何て嫌に決まってるじゃない。

・・・・・。

だから私は決心した。私が引きこもれば、婚約者のサド野郎に虐待される事は無くなる。両親は私を心配して、婚約破棄を申し込んでくれた。私は彼奴と婚約破棄が成立するまで絶対に外には出ない。流石に王家主催の物には出たけど、お姉さまが守ってくれた。

彼奴は学園内で、徹底的に下僕を扱う様に私を辱しめた。夜会に誘っては人前で貶め、私を肉体的にも精神的にも追い詰めてくる。なのに最後にはポイ捨てなのよ。何が真実の愛よ。

我が公爵家は王家の血筋なのよ?私が引きこもった為か、彼奴の後ろ楯になりうる皇太子も居ない。私は学園にも居ない。何故かお姉さまも学園には行かなかった。更には私の趣味を、お姉さまはマーガレットブランドとしてくれた。しかしこの変化したシナリオの中でも、婚約破棄は起きた。

元婚約者はどうするつもりなの?本当に男爵令嬢のローズマリーと結婚するつもりなの?

侯爵はマーガレットブランドの資産を宛にしてるのだろう。バカね。とらぬ狸の皮算用よ。我が公爵家への支払い何て出来る筈が無い。あのお目出度い親子はどうするつもりなの?まあ私はもう全く関係無いのよね。支払いを楽しみに待ちましょう。領民の為の学校を2つは作れそう。お父様にお願いしなくちゃ。勿論給食付きね。

だって当たり前じゃない。

ローズマリーは、マーガレットブランドの代表ではあり得ないのだから。

*****

「つまりこの世界は、マリエンヌの前世で遊んだゲームの内容と同じなんだね?」

「そう。ヒロインのローズマリーが学園で、攻略者と呼ばれる沢山の男性から声をかけられるの。その中から好みの男性選び、仲良くなりハッピーエンド。その仲好くなるのを邪魔をして、花を添える当て馬が婚約者達。所謂悪役令嬢よ。私達は断罪されて国外追放よ。」

「ゲームについては良く解らないけど、ローズマリーは侯爵子息を選んだ。つまりヒロインのローズマリーにとっては、侯爵子息が攻略者でマリエンヌが悪役令嬢な訳だよね?もし皇太子が攻略者なら、エリザベートが悪役令嬢になった訳?」

「そうよ。でも皇太子様だけは、ローズマリーに完全には墜ちていなかった。想いは不純だけど、お姉さまを本気で好きだからね。でも最後には結局ミイラ取りがミイラになるのよ。ローズマリーは魅了の魔道具を身に付けてる。相手が思い通りにならぬと使うわ。」

「攻略対象者は王子足して5人だけ?」

・・・・・。

「でもヒロインとやらは侯爵子息を選んだ。これでハッピーエンドじゃない。なら後の攻略者は関係ないよね。」

・・・・・。

どうしよう。全てを話しても大丈夫なの?

*****

実はこのゲームには、所謂ハーレムエンドと言われるエンディングが有る。しかしこの世界には多重婚は無い。だから此方は大丈夫だと思う。不倫関係にはなれても、皆で仲好く暮らしましょうのエンディングは有り得ない。

しかし変わりになるのが隠れキャラ。第6の攻略者だ。先の5人を全て攻略すると出現する。

この世界でも貴族世界では、愛人や不倫は罷り通っている。ヒロインは侯爵子息と婚約した。しかしこのゲームの攻略基準はベッドインだ。彼奴は意外に頭が古いらしく、私にも最後まではしなかった。

もしローズマリーとも最後までしてなかったら?侯爵子息は攻略済みにならない。攻略済は初夜まで持ち越しになる。1人で満足してくれれば良いけど…。

もし隠れキャラ出現を狙うなら、5人全てとベッドインしなければならない。うーん。兄以外の2人は既に惑わされてる感じだった。もしかしてもう攻略されてる?幾らなんでもそれは無いわよね。

何て考えたんだけど、それ以前に何故かどんでん返しが起こってるの。

5人全ての攻略者とベッドインすると、隠れキャラが出現する。

それが私が1番好きだった人。だからゲームでも、好きでも無い攻略者を全て攻略した。しかしそれはあくまでもゲームだから。この現実の世界で同じ事は出来ない。会いたくても、まさかヒロインにそんな行為を強いる訳には行かない。

だから…。

私は彼には会えないと思って居た。諦めていた。そんなある日。お姉さまが商人を連れてきた。異国の珍しい品を扱っている。私にも見せたいからと。

!?!?!?

何故?何故ここに居るの?学園に通わなかった私には解らないけど、時期的には既にゲームは始まって居るのだろう。でも何故隠れキャラの彼がもう居るの?

彼はヒロインが挙式前に、5人全てを攻略していた場合にのみ現れる。ヒロインが大商会にウェディングドレスを発注する為に呼ばれるのだ。そして恋に堕ちる。

因みに5人全てを攻略して無い場合は、大商会の父親がやってくる。隠れキャラの彼は色々な国をまわり、商品の目利きをしているからだ。その為国内にはほぼ居ない。しかし隠れキャラとして出る条件を満たすと、珍しい極上のシルクの生地を見付けたからと、たまたま国に一時帰国をするのだ。この生地がヒロインのウェディングドレスに使われた。

そしてヒロインの結婚式。第6の攻略者で有る彼は、教会に飛び込みヒロインを強奪する。2人は愛の逃避行に出発した。

そうなの。この私の目前のロジャースが隠れキャラ。第6の攻略者。私が前世で1番好きだった人。爽やかな見た目に似合わず、ゲロ甘溺愛な人。束縛系監禁注意な微ヤンデレ。

ゲーム自体が成人向けだったし、ヤンデレ好きからのプレゼントだったからね。気を付けないと、この世界では直ぐに監禁されちゃう。色んな意味でね。

「考えは纏まった?なら全て話しちゃいなよ。大丈夫。絶対に信じる。だってコメコメ大商会の創始者には、未来予知が有ったんだ。本人は前世の記憶だと言ってたらしい。日記も有る。我々には読めない字だけど、君には読めるんじゃ無いかな?私はマリエンヌの料理を食べて感じてた。何だか懐かしいとね。お味噌汁に卵焼き。我が家にも伝わってるよ。」

突然の言葉に息が詰まる。

「ご先祖様は生まれた時から、前世の記憶が有ったらしい。それで先々におこる事を言い当てたりし、不気味な子供だと捨てられたんだ。前世では歴史の先生をしてた。各国を商人として旅をしながら、かなり苦労したらしいよ。だからもし己の様に苦労してる人が居たら助けてやれと、必ず信じてやれと、代々コメコメ商会には前世持ちの話が受け継がれている。だから安心して話して欲しい。」

ロジャース様…。

「でもそれだけじゃ無いんだよ。私が君を救いたいんだ。マリエンヌを愛してるから。お願い。私にも君の辛さをわけて欲しい。2人なら軽くなる筈だよ。ね?」

「ありがとう…。」

涙が止まらない。嬉しい。私は1人で悩んでいた。自分で何とかしないとと意気込んでた。でもそうじゃない。

少し手をのばせば…。

私は全てを話した。泣きながら話した。彼はゆっくりと焦らずに、私の話を促し聞いてくれた。

「頑張ったね。マリエンヌ。」

優しく頭を撫でてくれる。私は子供じゃ無いのよ?

「そうよ!何で言わないのよ!頭の可笑しい妹だなんて思う筈が無いじゃない!せいぜい夢見がちな夢子ちゃん位よ!1人で悩むなんてバカよ!」

お姉さま?!

「ごめん。情けない兄のせいで、マリエンヌを余計に惑わせたね。僕はもう大丈夫。これからは魅了の魔道具を持ち歩くよ。肉擬き美味しかったよ。ご馳走さま。」

お兄さま…。

「お2人共に覗きですか?何時から?」

・・・・・。

「姉さんは流石に言い難いよね。盗み聞きしてごめん。皇太子様は変態辺りからだよ。等身大の人形辺りの、姉さんの顔色の変化が楽しかったよ。流石にそこまでとは思わなかったんだって。やはり知ってても、人の話で聞くとキツいよね。姉さん?痛いよ!止めて?頭叩くな!バカになる!」

「ほぼ最初からですか。では話は早い。これからの作戦会議といきましょうか?」

「「「はい?」」」

何故か馬車にて、大商会の客間へと移動する事になりました。

*****
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

笑い方を忘れた令嬢

Blue
恋愛
 お母様が天国へと旅立ってから10年の月日が流れた。大好きなお父様と二人で過ごす日々に突然終止符が打たれる。突然やって来た新しい家族。病で倒れてしまったお父様。私を嫌な目つきで見てくる伯父様。どうしたらいいの?誰か、助けて。

光の王太子殿下は愛したい

葵川真衣
恋愛
王太子アドレーには、婚約者がいる。公爵令嬢のクリスティンだ。 わがままな婚約者に、アドレーは元々関心をもっていなかった。 だが、彼女はあるときを境に変わる。 アドレーはそんなクリスティンに惹かれていくのだった。しかし彼女は変わりはじめたときから、よそよそしい。 どうやら、他の少女にアドレーが惹かれると思い込んでいるようである。 目移りなどしないのに。 果たしてアドレーは、乙女ゲームの悪役令嬢に転生している婚約者を、振り向かせることができるのか……!? ラブラブを望む王太子と、未来を恐れる悪役令嬢の攻防のラブ(?)コメディ。 ☆完結しました。ありがとうございました。番外編等、不定期更新です。

悪役令嬢の慟哭

浜柔
ファンタジー
 前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。  だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。 ※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。 ※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。 「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。 「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。

本の通りに悪役をこなしてみようと思います

Blue
恋愛
ある朝。目覚めるとサイドテーブルの上に見知らぬ本が置かれていた。 本の通りに自分自身を演じなければ死ぬ、ですって? こんな怪しげな本、全く信用ならないけれど、やってやろうじゃないの。 悪役上等。 なのに、何だか様子がおかしいような?

悪役令嬢の心変わり

ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。 7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。 そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス! カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!

【完結】魔女令嬢はただ静かに生きていたいだけ

⚪︎
恋愛
 公爵家の令嬢として傲慢に育った十歳の少女、エマ・ルソーネは、ちょっとした事故により前世の記憶を思い出し、今世が乙女ゲームの世界であることに気付く。しかも自分は、魔女の血を引く最低最悪の悪役令嬢だった。  待っているのはオールデスエンド。回避すべく動くも、何故だが攻略対象たちとの接点は増えるばかりで、あれよあれよという間に物語の筋書き通り、魔法研究機関に入所することになってしまう。  ひたすら静かに過ごすことに努めるエマを、研究所に集った癖のある者たちの脅威が襲う。日々の苦悩に、エマの胃痛はとどまる所を知らない……

【長編版】この戦いが終わったら一緒になろうと約束していた勇者は、私の目の前で皇女様との結婚を選んだ

・めぐめぐ・
恋愛
神官アウラは、勇者で幼馴染であるダグと将来を誓い合った仲だったが、彼は魔王討伐の褒美としてイリス皇女との結婚を打診され、それをアウラの目の前で快諾する。 アウラと交わした結婚の約束は、神聖魔法の使い手である彼女を魔王討伐パーティーに引き入れるためにダグがついた嘘だったのだ。 『お前みたいな、ヤれば魔法を使えなくなる女となんて、誰が結婚するんだよ。神聖魔法を使うことしか取り柄のない役立たずのくせに』 そう書かれた手紙によって捨てらたアウラ。 傷心する彼女に、同じパーティー仲間の盾役マーヴィが、自分の故郷にやってこないかと声をかける。 アウラは心の傷を癒すため、マーヴィとともに彼の故郷へと向かうのだった。 捨てられた主人公がパーティー仲間の盾役と幸せになる、ちょいざまぁありの恋愛ファンタジー長編版。 --注意-- こちらは、以前アップした同タイトル短編作品の長編版です。 一部設定が変更になっていますが、短編版の文章を流用してる部分が多分にあります。 二人の関わりを短編版よりも増しましたので(当社比)、ご興味あれば是非♪ ※色々とガバガバです。頭空っぽにしてお読みください。 ※力があれば平民が皇帝になれるような世界観です。

タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない

結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒― 私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。 「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」 その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。 ※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています

処理中です...