鍵のかかった部屋

あめとおと

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第5話 永遠の閉鎖

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資料室に閉じ込められて、丸二日が過ぎた。
影は、もはや壁や天井だけでなく、床や机、空気そのものにまで広がっている。
息を吸うと、冷たく重い空気が肺を押し潰すようだ。
時間は、もう私の感覚では測れない。
秒針は狂い、光も影も、現実も夢も、すべてが入り混じる。

机の上の書類は、赤く脈打つ文字で埋め尽くされていた。
そこには、私の名前、今日の日付、そして未来の文字――

「消滅」

私は机に手をつき、立ち上がろうとした。
しかし、床の影が絡みつき、指先から腕、肩までが冷たく硬く縛られる。
振り返ると、壁の影が私を取り囲み、微かに笑う。
その顔は、私の昨日の姿、明日の姿、そして知らない顔も混ざっている――
存在そのものが影に吸い込まれ、混ざり合うように歪んでいる。

部屋の中心で、私は初めて理解した。
ここは部屋ではない。
時間そのものが、存在を閉じ込める牢獄だ。
影は、過去・現在・未来の私を包み込み、永遠に閉じ込める。

息を止めても、書類の文字は脈打ち、影は伸びる。
振り向いても出口はない。
窓もドアも、もともと存在していなかったかのように消え去っている。
声も足音も、助けも、もう届かない。

秒針が狂ったまま、光と影が交錯する中で、私は壁の角に押し付けられた。
身体は消えかけ、意識だけが残る。
影の囁きが、私の思考を歪める。

「逃げても、無駄だ…永遠に、ここにいる」

私の視界は闇に変わり、赤文字だけが浮かんでいる。
文字は脈打ち、私の存在を消し去るように踊る。
息を吐くたび、影は一つ増え、私を形のない闇の中に溶かしていく。

そして、最後の瞬間。

秒針が止まり、書類の文字も影も、すべてが静止した。

部屋は再び、ただの資料室のように見える。
しかし、机の上の書類には、淡く赤く光る文字が残っていた――

「ここから…出られない」

外から見れば、資料室は静かに閉じられたまま。
しかし、部屋の中で時間は止まらず、影と書類が未来を待ち続ける――。
永遠に。

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