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第一話 コレクター【事件編】
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「……同じ店内でも、かなり距離があるな。この距離ならば、よほどの音を立てない限り、お前達も起きないだろう。次は、ちょっと店の鍵がどんなものなのかを見せてもらおうか」
巌鉄は誰かに向けて言ってるようにも思える大きな独り言を漏らしつつ、今度は店の鍵をチェックする。
「サムターン式のオーソドックスなタイプか。中からはつまみを捻るだけで開閉が可能――と」
巌鉄は何かを掴んでいるのか、それとも手当たり次第に思いつくことを実行に移しているのか。慌ただしく現場を調べる。
「さぁ、とびっきり冷たいアイスコーヒーよ。あんまりのんびりしてると氷が溶けて味わいが変わっちゃうから、早目に飲んでね」
すでに営業モード……というか、これが見慣れた本来の姿である。ド派手なショッキングピンク色のエプロンを着けて現れた新山。がたいが良いせいか、アイスコーヒーのグラスを乗せたお盆が、ままごとの玩具に見える。手早くカウンターの上にグラスを並べる新山に向かって巌鉄が問う。
「この店の鍵はマスターが持っているのか? 他にどこかに保管してるとか――そういうのは?」
ご丁寧にストローまで用意してくれていたのに、それを外すと一気にアイスコーヒーを飲み干す巌鉄。しばらくグラスを見つめたまま動きを止めると、目を見開いて「こいつは……美味いな」と一言。
「でしょう? うちの自慢のコーヒーよ。あ、それで鍵はね、私が持っている1本だけなの。この店はほら――色々な子が出入りするからね。迂闊に鍵をどこかに置いておけなくて。営業中もずっと私のエプロンのポケットの中に入ってるわ」
新山はそう言うと、エプロンのお腹にあいた大きなポケットに手を突っ込んで、鍵を取り出してみせた。生活関連の鍵をまとめてあるのか、色々な種類の鍵が束になって出てきた。
「――その管理の仕方だと、店の鍵の形状を知らんやつが、簡単に使うなんてことはできないな。ちなみに事件の時も、鍵はずっとマスターが持っていたのか?」
新山はエプロンのポケットを叩いて「もちろんよ」と答えた。
「現場は密室だった……。内側から鍵がかけられていて、外には出ようと思えば出られるが、そうなると内側の鍵は開いていたはずだな」
巌鉄はただでさえ険しい顔なのに眉間へとしわを寄せて唸る。
「なんか分かったのかよ?」
坂田が問うと「いや、さっぱり分からん」と巌鉄。やや拍子抜けしてしまう。
巌鉄は誰かに向けて言ってるようにも思える大きな独り言を漏らしつつ、今度は店の鍵をチェックする。
「サムターン式のオーソドックスなタイプか。中からはつまみを捻るだけで開閉が可能――と」
巌鉄は何かを掴んでいるのか、それとも手当たり次第に思いつくことを実行に移しているのか。慌ただしく現場を調べる。
「さぁ、とびっきり冷たいアイスコーヒーよ。あんまりのんびりしてると氷が溶けて味わいが変わっちゃうから、早目に飲んでね」
すでに営業モード……というか、これが見慣れた本来の姿である。ド派手なショッキングピンク色のエプロンを着けて現れた新山。がたいが良いせいか、アイスコーヒーのグラスを乗せたお盆が、ままごとの玩具に見える。手早くカウンターの上にグラスを並べる新山に向かって巌鉄が問う。
「この店の鍵はマスターが持っているのか? 他にどこかに保管してるとか――そういうのは?」
ご丁寧にストローまで用意してくれていたのに、それを外すと一気にアイスコーヒーを飲み干す巌鉄。しばらくグラスを見つめたまま動きを止めると、目を見開いて「こいつは……美味いな」と一言。
「でしょう? うちの自慢のコーヒーよ。あ、それで鍵はね、私が持っている1本だけなの。この店はほら――色々な子が出入りするからね。迂闊に鍵をどこかに置いておけなくて。営業中もずっと私のエプロンのポケットの中に入ってるわ」
新山はそう言うと、エプロンのお腹にあいた大きなポケットに手を突っ込んで、鍵を取り出してみせた。生活関連の鍵をまとめてあるのか、色々な種類の鍵が束になって出てきた。
「――その管理の仕方だと、店の鍵の形状を知らんやつが、簡単に使うなんてことはできないな。ちなみに事件の時も、鍵はずっとマスターが持っていたのか?」
新山はエプロンのポケットを叩いて「もちろんよ」と答えた。
「現場は密室だった……。内側から鍵がかけられていて、外には出ようと思えば出られるが、そうなると内側の鍵は開いていたはずだな」
巌鉄はただでさえ険しい顔なのに眉間へとしわを寄せて唸る。
「なんか分かったのかよ?」
坂田が問うと「いや、さっぱり分からん」と巌鉄。やや拍子抜けしてしまう。
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