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第六章 アリアドネの嘘【現在 七色七奈】
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「私、例のビデオテープを見ていて気がついたことがあるんです。それは、ある人物のせいで、まるで同系列のように見ていたんですが、それがもし同系列ではなかったとしたら?」
私の言葉の意味は、しっかり大和田には伝わってくれなかったらしい。助手席で困ったように言葉を詰まらせる大和田。
「それは、その――どういう意味なんだ? もう少し、俺にも分かるように説明してくれないか?」
私自身、回りくどい言い方をしてしまったなと思う。きっと、自分の推測に絶対の確信がない証拠なのだと思う。ただ、これで間違ってはいないはず。
「湯川智昭、丸山夏帆。この2人に関しては、同じテープの同じ画面内にいました。そして、この2人と赤松朱里が一緒だったことは間違いありません」
湯川智昭、丸山夏帆、赤松朱里。この3人に関しては、他の人間が殺害された時のアリバイがある。
「あぁ、そうだ。そうやって消去法で考えると、アリバイのない人間こそがミノタウロスということになる」
「でも、この時――高田富臣達が一緒だったとは限らない」
大和田の言葉に対して、間髪入れずに返してやった。大和田は鳩が豆鉄砲を食ったような顔を見せた。
「高田富臣達が……一緒じゃなかった?」
私は頷くと力強く「はい」とだけ答えた。
「私達が見てきたテープは、それぞれの場面が切り替わりながら、まるでひとつの物語のように進行していました。しかし、もしこのひとつの物語のように見えるものが、本当はふたつの物語だとしたら?」
そう――これが、私の答えだった。まだ分からないといった具合の大和田に、分かりやすく具体的に話を掘り下げた。
「つまり、湯川智昭達と高田富臣達がミノタウロスの森に入ったのは、まるで別の日なんです。同じビデオテープの中で、一緒くたにされているから、私達が勝手に同日に起きたものだと思い込んでいただけなんですよ」
まだ話についてこれないのか、大和田は困ったように首を傾げるだけだ。しかしながらちょうどいい。私自身も脳内で整理をするために、口に出して事実確認をしたほうがいいかもしれない。
「その証拠に、高田富臣達と湯川智昭達が合流することはなかったでしょう? それと同様に、宝田羽衣と谷惇もまた、高田富臣達とは一度たりとも会っていない。だからね――高田富臣達がミノタウロスの森に入った時系列と、湯川智昭達がミノタウロスの森に入った時系列は、別々かもしれないんです」
私の言葉の意味は、しっかり大和田には伝わってくれなかったらしい。助手席で困ったように言葉を詰まらせる大和田。
「それは、その――どういう意味なんだ? もう少し、俺にも分かるように説明してくれないか?」
私自身、回りくどい言い方をしてしまったなと思う。きっと、自分の推測に絶対の確信がない証拠なのだと思う。ただ、これで間違ってはいないはず。
「湯川智昭、丸山夏帆。この2人に関しては、同じテープの同じ画面内にいました。そして、この2人と赤松朱里が一緒だったことは間違いありません」
湯川智昭、丸山夏帆、赤松朱里。この3人に関しては、他の人間が殺害された時のアリバイがある。
「あぁ、そうだ。そうやって消去法で考えると、アリバイのない人間こそがミノタウロスということになる」
「でも、この時――高田富臣達が一緒だったとは限らない」
大和田の言葉に対して、間髪入れずに返してやった。大和田は鳩が豆鉄砲を食ったような顔を見せた。
「高田富臣達が……一緒じゃなかった?」
私は頷くと力強く「はい」とだけ答えた。
「私達が見てきたテープは、それぞれの場面が切り替わりながら、まるでひとつの物語のように進行していました。しかし、もしこのひとつの物語のように見えるものが、本当はふたつの物語だとしたら?」
そう――これが、私の答えだった。まだ分からないといった具合の大和田に、分かりやすく具体的に話を掘り下げた。
「つまり、湯川智昭達と高田富臣達がミノタウロスの森に入ったのは、まるで別の日なんです。同じビデオテープの中で、一緒くたにされているから、私達が勝手に同日に起きたものだと思い込んでいただけなんですよ」
まだ話についてこれないのか、大和田は困ったように首を傾げるだけだ。しかしながらちょうどいい。私自身も脳内で整理をするために、口に出して事実確認をしたほうがいいかもしれない。
「その証拠に、高田富臣達と湯川智昭達が合流することはなかったでしょう? それと同様に、宝田羽衣と谷惇もまた、高田富臣達とは一度たりとも会っていない。だからね――高田富臣達がミノタウロスの森に入った時系列と、湯川智昭達がミノタウロスの森に入った時系列は、別々かもしれないんです」
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