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ケース3 山奥の事故物件【出題編】
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「皆さん、ご機嫌よう」
登山という工程をヘリですっ飛ばしてしまったコトリは随分と上機嫌であり、スカートの裾を持って一同に挨拶。
「どうせヘリを飛ばすなら俺達も一緒に乗せてくれてもいいのによ」
そう愚痴った鯖洲に「セバスチャン、言ってくだされば良かったのに」と悪気もない様子でコトリは返す。本当にヘリに乗せてもらえるのであれば、こんな苦労をする必要もなかったわけだが――ここにいる全員を乗せることはできなかっただろう。下手をすると1人で登山なんてことになっていたことを考えれば、鯖洲がヘリに乗るようなことにならなくて良かったと思う。
「お嬢様、お足元が随分と悪いようです。充分にお気をつけください」
足を一歩踏み出したコトリに対して、寺山が口を開く。
「分かっていますわ。それに、いざとなったら一里之君かセバスチャンにおんぶでもしてもらうから」
冗談で言っているのか、それとも本気なのか。コトリの発言は時折真偽が分からなくなる。天然が少し入っているせいで、その真意が読み取れないのだ。
「それでしたら、わたくしめが――。そちらの窓辺野不動産の社員の方ならばまだしも、もうお一方のほうは、あまり近づかないほうがよろしいかと」
これまで言葉を交わしたことのなかった寺山。だからなのか、彼の言葉から鯖洲に対するヘイトが見てとれたのには驚いた。分かりやすく舌打ちする鯖洲。
「あのな、言っとくが俺はお嬢にとっての執事なんだよ。運転手はお払い箱だ。さっさと帰って洗車でもしてろっての。いや、大体ヘリで来るのにどうして運転手までついてくるんだよ?」
ヘイトにはヘイトを。鯖洲と寺山の間で火花が飛び散る。どうやら両者はあまり仲がよろしくないらしい。
「コトリお嬢様たってのご希望ですから。この寺山、今回の案件に関しては、お嬢様にお供することになっています」
流れからして、これまでの面子に寺山が加わるということか。鯖洲とは仲が悪いようだし、一悶着くらいありそうだ。もうすでに先が思いやられる。
「それはさておき、今回の物件はどちらにあるのかしら? 一里之君、案内してくださらない?」
寺山と鯖洲から逃げるかのように、一里之のほうへとやってきたコトリ。足元が悪いというのに、ヒールの高い履物だから、見ているほうが危なっかしい。
「いいですけど――わりかし急な坂を降りなきゃいけないので、それだと多分転ぶと思いますよ」
一里之が指摘すると、冥が一歩前へと出て、これまたどこから取り出したのか分からないが、スニーカーをコトリに差し出す。彼女のスカートは四次元にでも通じているのだろうか。
登山という工程をヘリですっ飛ばしてしまったコトリは随分と上機嫌であり、スカートの裾を持って一同に挨拶。
「どうせヘリを飛ばすなら俺達も一緒に乗せてくれてもいいのによ」
そう愚痴った鯖洲に「セバスチャン、言ってくだされば良かったのに」と悪気もない様子でコトリは返す。本当にヘリに乗せてもらえるのであれば、こんな苦労をする必要もなかったわけだが――ここにいる全員を乗せることはできなかっただろう。下手をすると1人で登山なんてことになっていたことを考えれば、鯖洲がヘリに乗るようなことにならなくて良かったと思う。
「お嬢様、お足元が随分と悪いようです。充分にお気をつけください」
足を一歩踏み出したコトリに対して、寺山が口を開く。
「分かっていますわ。それに、いざとなったら一里之君かセバスチャンにおんぶでもしてもらうから」
冗談で言っているのか、それとも本気なのか。コトリの発言は時折真偽が分からなくなる。天然が少し入っているせいで、その真意が読み取れないのだ。
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流れからして、これまでの面子に寺山が加わるということか。鯖洲とは仲が悪いようだし、一悶着くらいありそうだ。もうすでに先が思いやられる。
「それはさておき、今回の物件はどちらにあるのかしら? 一里之君、案内してくださらない?」
寺山と鯖洲から逃げるかのように、一里之のほうへとやってきたコトリ。足元が悪いというのに、ヒールの高い履物だから、見ているほうが危なっかしい。
「いいですけど――わりかし急な坂を降りなきゃいけないので、それだと多分転ぶと思いますよ」
一里之が指摘すると、冥が一歩前へと出て、これまたどこから取り出したのか分からないが、スニーカーをコトリに差し出す。彼女のスカートは四次元にでも通じているのだろうか。
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