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ケース5 誕生秘話は惨劇へ【解決編】
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まだ寺山のことは良く知らないが、確かに犯人として疑われている割に堂々としているというか、どっしりしているように見える。
「こうなったら――やっぱり直接本人に聞いたほうが早いのかしら? でも、それで変に警戒させたくもないし」
コトリがとんでもないことを言い出した。いっそのこと寺山と直接対決してしまえば話が早いとは思ったが、まさか同じことをコトリが考えているとは。
「あの、コトリさんのお母様にお話を伺うことはできないのでしょうか? それと、当時のことを知っていそうな、当時の使用人の方とか」
まだ千早は外堀を埋めるつもりらしい。いざ、直接対決をするとなると、千早のようなやり方のほうがまともに思えてしまうから不思議だ。
「多分、今日はずっとお屋敷のほうにいるかと。それと――そうですわね、当時から仕えている方も何名かいると思いますわ。ただ、使用人の方々には暇を出したしまったから、今すぐ話を聞けたりはしないと思いますわね」
コトリの言葉に少し食い気味になりつつ「ならば、お母様から話を伺いましょう」と千早。コトリの母親ならば当時のことを覚えているだろうが、しかし有力な情報が手に入るとは思えなかった。
「ならば、一度屋敷のほうに帰るということで良いですわね。もう大丈夫なのであれば、寺山を呼ぶけれども」
屋敷に帰るにしても、最も疑わしき人物を頼らねばならないというのは、なんとも不思議な感覚である。ただ、彼は自分の仕事を全うしているし、特別何かをしてくるというわけでもないのだが。
「あ、そう言えば玄界灘さん達は?」
千早が言うまで存在をすっかり忘れていた――なんて言ったら怒られるだろうか。彼らもそろそろ戻って来ても良さそうなものだが。
「そろそろ戻ってきていてもおかしくはないのですがね。どこまで足を伸ばしたのでしょうか」
鯖洲だけならば分からなくもないが、冥がついておきながら、勝手にどこかに行ってしまったということはないだろう。聞き込みに夢中になっているのかもしれない。
「――連絡してみますわ」
コトリはそう言うと、スマートフォンを取り出して、電話をかけ始めた。すぐに相手が出てくれたようだった。
「こちらはあらかた調べ終わったけれども、そちらはどう? え? それは実際にお話を聞いてみるべきかもしれませんわ」
どうやら、収穫があったのはこちらだけではないらしい。鯖洲達もまた、何かしらを掴んだようだ。これでもし、電話の相手が鯖洲や冥じゃなかったらどうしよう。
「こうなったら――やっぱり直接本人に聞いたほうが早いのかしら? でも、それで変に警戒させたくもないし」
コトリがとんでもないことを言い出した。いっそのこと寺山と直接対決してしまえば話が早いとは思ったが、まさか同じことをコトリが考えているとは。
「あの、コトリさんのお母様にお話を伺うことはできないのでしょうか? それと、当時のことを知っていそうな、当時の使用人の方とか」
まだ千早は外堀を埋めるつもりらしい。いざ、直接対決をするとなると、千早のようなやり方のほうがまともに思えてしまうから不思議だ。
「多分、今日はずっとお屋敷のほうにいるかと。それと――そうですわね、当時から仕えている方も何名かいると思いますわ。ただ、使用人の方々には暇を出したしまったから、今すぐ話を聞けたりはしないと思いますわね」
コトリの言葉に少し食い気味になりつつ「ならば、お母様から話を伺いましょう」と千早。コトリの母親ならば当時のことを覚えているだろうが、しかし有力な情報が手に入るとは思えなかった。
「ならば、一度屋敷のほうに帰るということで良いですわね。もう大丈夫なのであれば、寺山を呼ぶけれども」
屋敷に帰るにしても、最も疑わしき人物を頼らねばならないというのは、なんとも不思議な感覚である。ただ、彼は自分の仕事を全うしているし、特別何かをしてくるというわけでもないのだが。
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鯖洲だけならば分からなくもないが、冥がついておきながら、勝手にどこかに行ってしまったということはないだろう。聞き込みに夢中になっているのかもしれない。
「――連絡してみますわ」
コトリはそう言うと、スマートフォンを取り出して、電話をかけ始めた。すぐに相手が出てくれたようだった。
「こちらはあらかた調べ終わったけれども、そちらはどう? え? それは実際にお話を聞いてみるべきかもしれませんわ」
どうやら、収穫があったのはこちらだけではないらしい。鯖洲達もまた、何かしらを掴んだようだ。これでもし、電話の相手が鯖洲や冥じゃなかったらどうしよう。
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