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DAY4
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父はひとりっ子であり、彼の両親はともに早逝だった。だからだろうか。今までに一度も父方の親族の話は聞いたことがない。
母方についても、祖父は響野が生まれる少し前に鬼籍に入っている。七年前に祖母が他界したあとは、血縁と呼べる人間は佳子だけだった。
もしかすると、祖父母の兄弟の家系まで遡れば、他にも誰かいるのかもしれないが、両親が用意していた葬儀の連絡先リストにそれらしい名前を見つけることはできなかった。
あらためて考えると、ずいぶん寂しい家系図だ。
頭の中に自らを起点にした分岐図を思い描こうとして、響野はやめた。それは必要以上に自分自身に心理的負荷をかける行為のような気がしたし、ちょうどそのとき、スマートフォンの着信音が鳴って合成音声が伯母の名を告げたからだ。
「伸也? 出られなくて悪かったわね、ちょっと立て込んでいて」
「忙しいならあとでいいよ」
「いえ、大丈夫よ。どうかした?」
響野はためらいながら、目の異常のことと、発症から現在までの経過を説明する。
佳子は何も言わずに甥の話を聞いていたが、響野が口を閉じたところで「それで、今はどうしてるの?」とたずねた。
「家にいる。会社には休みを伸ばしてもらった」
「まさかひとりじゃないわよね?」
「友達がきて泊まりこんでくれてる」
「そう、恋人?」
「“友達”」
母方についても、祖父は響野が生まれる少し前に鬼籍に入っている。七年前に祖母が他界したあとは、血縁と呼べる人間は佳子だけだった。
もしかすると、祖父母の兄弟の家系まで遡れば、他にも誰かいるのかもしれないが、両親が用意していた葬儀の連絡先リストにそれらしい名前を見つけることはできなかった。
あらためて考えると、ずいぶん寂しい家系図だ。
頭の中に自らを起点にした分岐図を思い描こうとして、響野はやめた。それは必要以上に自分自身に心理的負荷をかける行為のような気がしたし、ちょうどそのとき、スマートフォンの着信音が鳴って合成音声が伯母の名を告げたからだ。
「伸也? 出られなくて悪かったわね、ちょっと立て込んでいて」
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「いえ、大丈夫よ。どうかした?」
響野はためらいながら、目の異常のことと、発症から現在までの経過を説明する。
佳子は何も言わずに甥の話を聞いていたが、響野が口を閉じたところで「それで、今はどうしてるの?」とたずねた。
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「そう、恋人?」
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