リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの

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 今回リリゼットはジュリエットへの加護付きの下着を頼まれていて納品も兼ねてダンテス家を訪れていたのだ。ハンカチや服は姉と義姉が刺繍を済ませていた。義姉もジュリエットと言い、奇しくもこの依頼主の娘でこの衣類を身に着ける子供と同じ名前で同じ12歳で嫁して来た。その時、兄は20になった所だった。それから十二年、結婚の翌年から子供が生まれて今は6人の子持ちになっていた。
 同じ名前で12歳で嫁いだ女性からのはなむけのボレロ、注文品ではなくドルバック家からの贈り物でボレロ本体も加護をつけて服を縫える傍系の職人に頼み、リリゼットの姉ジュスティーヌと義姉ジュリエットの二人で一面にバラのつぼみが刺繍された可愛く美しいボレロを気に入ったようだった。


 義姉ジュリエットは現在、ドルバック家の女主人でもあった。父の妻、リリゼット達の母親はリリゼットが二歳の時に亡くなっており、ジュリエットは嫁いだ時から『女主人』という扱いであった。女主人の仕事を始めたのは18からではあるが。その時からドルバック家の公式の社交や家業は嫡男のニコルとジュリエットが担うことになっていた。


 楽隠居のリリゼットの父親、ユーグは革細工職人で、決まった愛人を囲わず、娼館に通う男であった。1年前、ジュスティーヌが先に修道院から伯爵家に戻った時にはユーグはウジェ商会の高級娼婦に入れ挙げて、ウジェ男爵に払いきれない借金していた。男爵は評判のよくはない長男で自分の連れ子のアランにあてがう女性を探しているところだったので自動的にジュスティーヌはアランの相手として売られたのであった。リリゼットはそんな話は全く知らなかったが、社交界では公然の秘密であった。
 アラン自身は浮気者ではないものの、黒髪黒い瞳の整った顔立ちで引く手あまたであり、社交界の有閑夫人の玩具としても有名であった。母子での刃傷沙汰なども何度か起こしており結婚なりさせて落ち着かせようというのが父親のドニ・ウジェの考えであった。
 結婚したら新婚の間は暫くはそういう騒ぎも起こさないだろうし、新婚ということでドルバック伯爵領にあるお忍び用の別荘に住むということもドニとユーゴで決めていた。そこには宦官と侍女を数人ずつ置くくらいの小さな別荘であった。しばらくアランを女性付きで隔離、ということをドニは考えていて、それが伯爵家との結婚となるとウジェ商会の株も上がるし、取引もひろがると皮算用していた。


 「もう2週間もしたら新学期ですわね。宿題などはどうされてますか?」

リーゼの問いにみな終わってない学科やわからないところの話になった。

「リーゼ様は?」

リリゼットの問いにリーゼはにこりと笑い答えた。

「王太子様の宿題を見るのと一緒に終わらせてしまいました」

心の中でオクレール男爵令嬢コゼットの分も一緒にね、と付け加えながら答えた。王太子は男爵令嬢コゼットとリーゼを仲良くさせようと一緒にいることを画策するが冷めきっているリーゼと違い男爵令嬢はある事ない事王太子に告げ口しているようだった。ないことの内容があまりなので王家の諜報員にリーゼの行動を報告させているが男爵令嬢の言葉と一致したことは一度もなく、王太子自身も男爵令嬢に飽きているのだが、子供を産ませているので捨てるわけにもいかず、といったところのようだった。また、男爵令嬢は二人目を学園にいる間に産むつもりらしく毎日律儀に王太子の部屋に通っているが王太子はそれを察知して、宰相の息子と同室で暮らすようになったりしているのだが、リーゼはそれすらも冷めた目で見ているのだった。
 
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