リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの

文字の大きさ
2 / 61

02

しおりを挟む
 「あら、マリアンヌ様は何故安宿にジュスティーヌ様がいたのを知っておられるのかしら?」

最近マリアンヌ子爵令嬢に秘密の恋人であった魔法省の下級役人を寝取られたフィリピーヌ伯爵令嬢があてこする。

「ふふ、安宿の利用方法など一つではないですか。あなたもよくご利用になってたって伺ってますわ」

マリアンヌは悪びれず答える。

「お声が大きいから宿をさがすのに苦労されたって」

という言葉にリーゼは『前の女の事を話すような男と喜んでお付き合いしてるなんて…。このお二人はお茶会メンバーから外しましょう。男性を見る目がなさすぎるのはちょっと…』
などと考えつつ、手元の扇子をぱちり、と鳴らした。

「エステバン子爵令嬢、ダヴー伯爵令嬢、お引き取りを。お二人でお話合い、なさってくださいね」

リーズはそういうと扇子を出口の方へ差し向けた。



 「リリゼット様、申し訳ありません。リリゼット様のお耳を汚してしまって」

開催主のリーゼが謝罪する。

「そんな、リーゼ様、頭を上げてください」

自分より上位の貴族の令嬢に頭を下げられてリリゼットは焦る。

「おねーさま、なんで謝ってるの?」

ジュリエットが無邪気に聞いてくる。この子は半年後、12歳で隣国の公爵、隣国の王妃の弟の26歳の男のもとに嫁ぐのだ。あまりよろしくない噂の男だったが、隣国との国交の都合でジュリエットが選ばれたのだった。長女のリーゼが既に学園に入学したということで相手方は難色を示し、ジュリエットが選ばれたのだ。
 ただし、相手方の噂では幼い子供を好む方だということとジュリエットの容姿を気にいってぜひに、との話でもあったらしい。リーゼは年齢よりも成熟した大人の外見であるのだが4つ下のジュリエットは12になるのにせいぜい10くらいにしかみえないか細い少女である。
 そんなジュリエットは鏡をつかった遠隔魔法で年上の婚約者に色々よからぬ事を教えられているようでそれもダンテス家の頭痛の種であった。こうやって姉のお茶会に混ざっては知識をつけてしまったのでそういう話に口を突っ込みたがるのだ。もうすぐ他国に嫁ぐ妹にお茶の席を味合わせてあげようと思う姉心はあまり報われていないようだった。

 そして、リーゼも学園に入学してみて、風紀の乱れにあぜんとしていた。それは向こうも学園入学済みと聞いて警戒するのも致し方ない、とリーゼは思った。大抵の婚約済みの生徒は奴隷を連れてきていて、それも亜人の異性の奴隷ばかりなのでどういう奴隷かは目に見えていた。また、リリゼットやリーゼの学年は幼稚舎からの生え抜きの生徒が多かったので、余計に学園の悪しき習慣がはびこっているのであった。
 婚約したら早々にお互いの相性を確かめる、ということで体の相性を確かめて後はお互いのご乱行は不問、学園の時の事はお互い不問という生徒が多い。リーゼは王太子と婚約しているが、そういう風潮には染まっていなかった。1学年上の王太子は早々に愛妾候補を見つけて既に一子を授かっているのでこれも王宮側とダンテス公爵側のもめごとになっている。
 リリゼットは修道院育ちの上、婚約者もいないので学園のこういう側面を知らないのである。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

妹が聖女の再来と呼ばれているようです

田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。 「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」  どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。 それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。 戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。 更新は不定期です。

母は何処? 父はだぁれ?

穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。 産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。 妹も、実妹なのか不明だ。 そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。 父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。 母は、どこへ行ってしまったんだろう! というところからスタートする、 さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。 変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、 家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。 意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。 前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。 もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。 単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。 また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。 「小説家になろう」で連載していたものです。

【本編完結】ただの平凡令嬢なので、姉に婚約者を取られました。

138ネコ@書籍化&コミカライズしました
ファンタジー
「誰にも出来ないような事は求めないから、せめて人並みになってくれ」  お父様にそう言われ、平凡になるためにたゆまぬ努力をしたつもりです。  賢者様が使ったとされる神級魔法を会得し、復活した魔王をかつての勇者様のように倒し、領民に慕われた名領主のように領地を治めました。  誰にも出来ないような事は、私には出来ません。私に出来るのは、誰かがやれる事を平凡に努めてきただけ。  そんな平凡な私だから、非凡な姉に婚約者を奪われてしまうのは、仕方がない事なのです。  諦めきれない私は、せめて平凡なりに仕返しをしてみようと思います。

婚約破棄のその場で転生前の記憶が戻り、悪役令嬢として反撃開始いたします

タマ マコト
ファンタジー
革命前夜の王国で、公爵令嬢レティシアは盛大な舞踏会の場で王太子アルマンから一方的に婚約を破棄され、社交界の嘲笑の的になる。その瞬間、彼女は“日本の歴史オタク女子大生”だった前世の記憶を思い出し、この国が数年後に血塗れの革命で滅びる未来を知ってしまう。 悪役令嬢として嫌われ、切り捨てられた自分の立場と、公爵家の権力・財力を「運命改変の武器」にすると決めたレティシアは、貧民街への支援や貴族の不正調査をひそかに始める。その過程で、冷静で改革派の第二王子シャルルと出会い、互いに利害と興味を抱きながら、“歴史に逆らう悪役令嬢”として静かな反撃をスタートさせていく。

私の生前がだいぶ不幸でカミサマにそれを話したら、何故かそれが役に立ったらしい

あとさん♪
ファンタジー
その瞬間を、何故かよく覚えている。 誰かに押されて、誰?と思って振り向いた。私の背を押したのはクラスメイトだった。私の背を押したままの、手を突き出した恰好で嘲笑っていた。 それが私の最後の記憶。 ※わかっている、これはご都合主義! ※設定はゆるんゆるん ※実在しない ※全五話

冤罪で家が滅んだ公爵令嬢リースは婚約破棄された上に、学院の下働きにされた後、追放されて野垂れ死からの前世の記憶を取り戻して復讐する!

山田 バルス
恋愛
婚約破棄された上に、学院の下働きにされた後、追放されて野垂れ死からの前世の記憶を取り戻して復讐する!

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

処理中です...