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「あら、マリアンヌ様は何故安宿にジュスティーヌ様がいたのを知っておられるのかしら?」
最近マリアンヌ子爵令嬢に秘密の恋人であった魔法省の下級役人を寝取られたフィリピーヌ伯爵令嬢があてこする。
「ふふ、安宿の利用方法など一つではないですか。あなたもよくご利用になってたって伺ってますわ」
マリアンヌは悪びれず答える。
「お声が大きいから宿をさがすのに苦労されたって」
という言葉にリーゼは『前の女の事を話すような男と喜んでお付き合いしてるなんて…。このお二人はお茶会メンバーから外しましょう。男性を見る目がなさすぎるのはちょっと…』
などと考えつつ、手元の扇子をぱちり、と鳴らした。
「エステバン子爵令嬢、ダヴー伯爵令嬢、お引き取りを。お二人でお話合い、なさってくださいね」
リーズはそういうと扇子を出口の方へ差し向けた。
「リリゼット様、申し訳ありません。リリゼット様のお耳を汚してしまって」
開催主のリーゼが謝罪する。
「そんな、リーゼ様、頭を上げてください」
自分より上位の貴族の令嬢に頭を下げられてリリゼットは焦る。
「おねーさま、なんで謝ってるの?」
ジュリエットが無邪気に聞いてくる。この子は半年後、12歳で隣国の公爵、隣国の王妃の弟の26歳の男のもとに嫁ぐのだ。あまりよろしくない噂の男だったが、隣国との国交の都合でジュリエットが選ばれたのだった。長女のリーゼが既に学園に入学したということで相手方は難色を示し、ジュリエットが選ばれたのだ。
ただし、相手方の噂では幼い子供を好む方だということとジュリエットの容姿を気にいってぜひに、との話でもあったらしい。リーゼは年齢よりも成熟した大人の外見であるのだが4つ下のジュリエットは12になるのにせいぜい10くらいにしかみえないか細い少女である。
そんなジュリエットは鏡をつかった遠隔魔法で年上の婚約者に色々よからぬ事を教えられているようでそれもダンテス家の頭痛の種であった。こうやって姉のお茶会に混ざっては知識をつけてしまったのでそういう話に口を突っ込みたがるのだ。もうすぐ他国に嫁ぐ妹にお茶の席を味合わせてあげようと思う姉心はあまり報われていないようだった。
そして、リーゼも学園に入学してみて、風紀の乱れにあぜんとしていた。それは向こうも学園入学済みと聞いて警戒するのも致し方ない、とリーゼは思った。大抵の婚約済みの生徒は奴隷を連れてきていて、それも亜人の異性の奴隷ばかりなのでどういう奴隷かは目に見えていた。また、リリゼットやリーゼの学年は幼稚舎からの生え抜きの生徒が多かったので、余計に学園の悪しき習慣がはびこっているのであった。
婚約したら早々にお互いの相性を確かめる、ということで体の相性を確かめて後はお互いのご乱行は不問、学園の時の事はお互い不問という生徒が多い。リーゼは王太子と婚約しているが、そういう風潮には染まっていなかった。1学年上の王太子は早々に愛妾候補を見つけて既に一子を授かっているのでこれも王宮側とダンテス公爵側のもめごとになっている。
リリゼットは修道院育ちの上、婚約者もいないので学園のこういう側面を知らないのである。
最近マリアンヌ子爵令嬢に秘密の恋人であった魔法省の下級役人を寝取られたフィリピーヌ伯爵令嬢があてこする。
「ふふ、安宿の利用方法など一つではないですか。あなたもよくご利用になってたって伺ってますわ」
マリアンヌは悪びれず答える。
「お声が大きいから宿をさがすのに苦労されたって」
という言葉にリーゼは『前の女の事を話すような男と喜んでお付き合いしてるなんて…。このお二人はお茶会メンバーから外しましょう。男性を見る目がなさすぎるのはちょっと…』
などと考えつつ、手元の扇子をぱちり、と鳴らした。
「エステバン子爵令嬢、ダヴー伯爵令嬢、お引き取りを。お二人でお話合い、なさってくださいね」
リーズはそういうと扇子を出口の方へ差し向けた。
「リリゼット様、申し訳ありません。リリゼット様のお耳を汚してしまって」
開催主のリーゼが謝罪する。
「そんな、リーゼ様、頭を上げてください」
自分より上位の貴族の令嬢に頭を下げられてリリゼットは焦る。
「おねーさま、なんで謝ってるの?」
ジュリエットが無邪気に聞いてくる。この子は半年後、12歳で隣国の公爵、隣国の王妃の弟の26歳の男のもとに嫁ぐのだ。あまりよろしくない噂の男だったが、隣国との国交の都合でジュリエットが選ばれたのだった。長女のリーゼが既に学園に入学したということで相手方は難色を示し、ジュリエットが選ばれたのだ。
ただし、相手方の噂では幼い子供を好む方だということとジュリエットの容姿を気にいってぜひに、との話でもあったらしい。リーゼは年齢よりも成熟した大人の外見であるのだが4つ下のジュリエットは12になるのにせいぜい10くらいにしかみえないか細い少女である。
そんなジュリエットは鏡をつかった遠隔魔法で年上の婚約者に色々よからぬ事を教えられているようでそれもダンテス家の頭痛の種であった。こうやって姉のお茶会に混ざっては知識をつけてしまったのでそういう話に口を突っ込みたがるのだ。もうすぐ他国に嫁ぐ妹にお茶の席を味合わせてあげようと思う姉心はあまり報われていないようだった。
そして、リーゼも学園に入学してみて、風紀の乱れにあぜんとしていた。それは向こうも学園入学済みと聞いて警戒するのも致し方ない、とリーゼは思った。大抵の婚約済みの生徒は奴隷を連れてきていて、それも亜人の異性の奴隷ばかりなのでどういう奴隷かは目に見えていた。また、リリゼットやリーゼの学年は幼稚舎からの生え抜きの生徒が多かったので、余計に学園の悪しき習慣がはびこっているのであった。
婚約したら早々にお互いの相性を確かめる、ということで体の相性を確かめて後はお互いのご乱行は不問、学園の時の事はお互い不問という生徒が多い。リーゼは王太子と婚約しているが、そういう風潮には染まっていなかった。1学年上の王太子は早々に愛妾候補を見つけて既に一子を授かっているのでこれも王宮側とダンテス公爵側のもめごとになっている。
リリゼットは修道院育ちの上、婚約者もいないので学園のこういう側面を知らないのである。
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