リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの

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 結婚式の日、式が行われるディアーヌ教会にはジュスティーヌとリリゼットを育ててくれた修道院の院長が来てくれて、結婚祝福の祈りをささげてくれた。ジュスティーヌは涙腺崩壊していたしアランもなにか感極まっていた。教会の周りには人が集まっている。中にはアランの親衛隊がいてジュスティーヌをやじろうと待ち構えていたのだがドレスや装飾品の加護の力もあったのだろうが、アランの幸せそうな笑顔に皆固まっていた。
 彼女たちの知っているアランには「満面の臆面もなく幸せそうな笑顔」はなかった。彼女たちの知ってるアランは物事に倦んだ愁いを帯びた男だった。

「あれ、アラン様………?」

「双子の弟、とか居ませんかね?」

そんなことを小さな声で言い合っていたが、ジュスティーヌの清楚な美しさにも実は気おされていたのだった。
落ち着くところに落ち着いたな、とニコル夫婦もリリゼットも思っていた。ユーグはそれなりに花嫁の父親らしく涙ぐんでいた。
 二人が住まう予定の領地の別荘は風光明媚で静かな場所なので落ち着いて暮らせるだろうとニコルは言っていた。リリゼットは祝宴は最初の乾杯だけ顔を出しあとは裏へ周り姉や義姉の支度の手伝いや子供達と一緒にご飯を食べたり寝かしつけたりと忙しくしていた。湯あみを終わらせて豊かな長い髪を横で一本に編む。部屋着から寝間着に着替えようかと思った時にニコルから

「寝酒の時間だがみんなで落ち着いてるのでジュスティーヌの顔を見に出ておいで」

と伝言があった。リリゼットは急いで居間に向かった。


 アランも混ざっての家族の会話はまだぎこちなかった。特にリリゼットは

『やっぱり同年配とか少し年上くらいって苦手』

と思っていたし口数が少なかった。それでも二人の指におそろいの白金の指輪がはまっているのをみて満足感を感じる。細い白金のリングに埋め込まれたダイヤモンドが光をうけて時折キラリと光る。リリゼットは居心地の悪さも感じながらもジュスティーヌが幸せそうなのはいい、と思った。



 翌日、二人は領地へ旅立っていった。領地には父の弟、レース編みの叔父も宝飾関連の父の従兄もいるので頼る先はある。領地ではジュスティーヌも加護刺繍をする女衆に入り、日々の糧をかせぐのだそうだ。基本的な年金はあるものの、力があるのにつかわないのはもったいない、と言うことらしい。最上級のハンカチやネクタイを作るための縫物衆とハンカチの縁に刺繍を施す刺繍衆、ハンカチや服の袖口に着けるレースを作るレース衆など加護の作品を作るための基礎的な素材づくりを領地をあげてやっている。そのための綿花を栽培する人や養蚕業などもなかなか盛んな地域である。伯爵の領地としては悪くないのだがリリゼットの父親、ユーグがやや散財傾向のある人なので今までは収支はかつかつだったようだ。領地経営に関してはリリゼットはほとんど関与していなくて、兄の様子や義姉
の様子、二人の会話を見てそう思っていた。
 ジュスティーヌとアランの結婚の経緯も兄と姉と義姉からは聞いた。三者三様に思うことはあるんだな、とリリゼットはおとなしく彼らの話を聞いていた。そして三人とも最後は

「結局、幸せになれそうでよかった」

と締めくくっている。それが本音かそう思っておかないと、と思ってるかはわかんないとリリゼットは思っている。
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