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リリゼットたちが学園祭の準備で忙しくしている間にエドアールはひっそりと任地に向かった。任地に向かう三日前からクレマンの兄のエティエンヌもリリゼットの家に居続けて三人でずっと宴会をしていた。学園でクレマンと会うと
「面目ない…」
とうなだれていた。リリゼットが見る限り、3人は毎日大トラに変化してたし、毎日義姉が治癒魔法で二日酔いを解消してあげているようだった。正確に言うとニコルの二日酔いを軽減させて、エドアールとエティエンヌの二人をニコルが手当をする、という風だった。
エドアールは旅立つ前に子爵として正式にリリゼットとの婚姻を問い合わせてきたのでそれはリリゼットにとっては頭痛の種でもあった。
「騎士団の話はクレマンとエティエンヌとニコルに引き継いであるからよろしくね」
そういいおいてエドアールは旅立っていった。
姉ジュスティーヌの結婚まであと数日となった。夏の終わりの結婚ということになっていたのだがウジェ夫人の従妹が急な事故で亡くなり、夫人がショックを受けて結婚式の参列が危ぶまれたためウジェ家の都合で式が伸びたのである。
さすがに連れ子とはいえウジェ家の初めての式なので夫人を外しての式は体裁が悪いということで療養の為一月半延長したのである。
その間、リリゼットたち一族あげてウェディングドレスとついでにアランのタキシードに色々と加護をつけた。勢いで披露パーティでジュスティーヌが着るドレスは総レースの華麗なものになった。全てのレースを編み終えていた叔父が一月ほどで編み上げてくれたのだ。真白な総レースのドレスの下には柔らかな青のアンダードレスを加護裁縫ができる父の従妹が作ってくれた。宝飾系を担ってる叔父が
「多分、今回の式は見物もかなり出ると思うぞ。…一族の総力戦だからな」
と言っている。リリゼットの父親、ユーグも式用の白い手袋を最上質の皮で作り上げていた。まるで皮膚のようにピッタリして軽いその革の手袋はうっとりするような手触りの皮で出来上がっている。ニコルは式では使えるようなものは作っていなかった。新居を飾る時計を繊細な彫刻を彫りこんだ木工細工で作っていた。
リリゼットは姉と二人きりで座っている。
「もうすぐですね」
「リリちゃんと離れるのさみしい」
姉がそっと言った。
「この1~2年で慣れたでしょ、アランさんもいるんですし」
ジュスティーヌが少し赤くなった。
「アランとは………色々迷惑かけました。わからないって怖いね」
と自分たち二人の評判を理解してジュスティーヌはニコルとジュリエットにも謝っていた。元凶の父親には謝っていない。父親の状態をアランから正直な話を引き出して、これ以上ウジェ家から借金を重ねられないように頼んだりとジュスティーヌはジュスティーヌで苦労していた。ウジェ男爵は父親自身がお金を儲けられるように商売の話を持ってきていて父親もそれに乗り気だった。それは革細工用の革に加護を授ける、という話でドルバックの名前は出さない、それが加護付きの革であることを『教会』に保障させてそれで小物を作る、という話だった。革細工職人としての確固たる腕を持った父親が作るとさすがに値段が跳ね上がるので材料部分の加工、ということで一月で週に1回程度なら遊べる程度の小遣いになるような額を手に入れられるように、とウジェ男爵とニコルの密約でもあった。
「とんでもないことをしでかす前に管理監視できる体制」
をニコルとウジェ男爵で作り上げたのだった。ウジェ男爵としても未だ名前だけとは言えドルバック伯爵のユーゴがバカを続けるのは得策ではないと判断したようだった。
「面目ない…」
とうなだれていた。リリゼットが見る限り、3人は毎日大トラに変化してたし、毎日義姉が治癒魔法で二日酔いを解消してあげているようだった。正確に言うとニコルの二日酔いを軽減させて、エドアールとエティエンヌの二人をニコルが手当をする、という風だった。
エドアールは旅立つ前に子爵として正式にリリゼットとの婚姻を問い合わせてきたのでそれはリリゼットにとっては頭痛の種でもあった。
「騎士団の話はクレマンとエティエンヌとニコルに引き継いであるからよろしくね」
そういいおいてエドアールは旅立っていった。
姉ジュスティーヌの結婚まであと数日となった。夏の終わりの結婚ということになっていたのだがウジェ夫人の従妹が急な事故で亡くなり、夫人がショックを受けて結婚式の参列が危ぶまれたためウジェ家の都合で式が伸びたのである。
さすがに連れ子とはいえウジェ家の初めての式なので夫人を外しての式は体裁が悪いということで療養の為一月半延長したのである。
その間、リリゼットたち一族あげてウェディングドレスとついでにアランのタキシードに色々と加護をつけた。勢いで披露パーティでジュスティーヌが着るドレスは総レースの華麗なものになった。全てのレースを編み終えていた叔父が一月ほどで編み上げてくれたのだ。真白な総レースのドレスの下には柔らかな青のアンダードレスを加護裁縫ができる父の従妹が作ってくれた。宝飾系を担ってる叔父が
「多分、今回の式は見物もかなり出ると思うぞ。…一族の総力戦だからな」
と言っている。リリゼットの父親、ユーグも式用の白い手袋を最上質の皮で作り上げていた。まるで皮膚のようにピッタリして軽いその革の手袋はうっとりするような手触りの皮で出来上がっている。ニコルは式では使えるようなものは作っていなかった。新居を飾る時計を繊細な彫刻を彫りこんだ木工細工で作っていた。
リリゼットは姉と二人きりで座っている。
「もうすぐですね」
「リリちゃんと離れるのさみしい」
姉がそっと言った。
「この1~2年で慣れたでしょ、アランさんもいるんですし」
ジュスティーヌが少し赤くなった。
「アランとは………色々迷惑かけました。わからないって怖いね」
と自分たち二人の評判を理解してジュスティーヌはニコルとジュリエットにも謝っていた。元凶の父親には謝っていない。父親の状態をアランから正直な話を引き出して、これ以上ウジェ家から借金を重ねられないように頼んだりとジュスティーヌはジュスティーヌで苦労していた。ウジェ男爵は父親自身がお金を儲けられるように商売の話を持ってきていて父親もそれに乗り気だった。それは革細工用の革に加護を授ける、という話でドルバックの名前は出さない、それが加護付きの革であることを『教会』に保障させてそれで小物を作る、という話だった。革細工職人としての確固たる腕を持った父親が作るとさすがに値段が跳ね上がるので材料部分の加工、ということで一月で週に1回程度なら遊べる程度の小遣いになるような額を手に入れられるように、とウジェ男爵とニコルの密約でもあった。
「とんでもないことをしでかす前に管理監視できる体制」
をニコルとウジェ男爵で作り上げたのだった。ウジェ男爵としても未だ名前だけとは言えドルバック伯爵のユーゴがバカを続けるのは得策ではないと判断したようだった。
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