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11.新しい街で
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オーレリアとモリスは王都から離れ、南の街に来ていた。
そこは、王都ほどではないが、活気に溢れ、夜の飲食店がたくさんある街だった。
「やっとこれで、自由よ。
いい男探してやるわぁ。」
「モリスは元気ね。」
「だって、そのために、わざわざ王都を離れたのよ。
ここに私の理想の王子様がいる気がするわ。」
モリスは旅の疲れなど全く感じないのか、街並みを眺めながら鼻歌を歌い出す。
もし、一人でこの街に来たのなら、こんなに明るい気持ちでいれなかった。
そう思うと、モリスに感謝だし、紹介してくれたサリーにも感謝である。
早速二人は小さな家を借りて、住むことにする。
友達同士なので、一人一人が別部屋だけど、食事や家事の担当など話し合う。
それが済むと、二人は甘味をつまみながらお茶を飲み、女性同士の会話を楽しむ。
「ところで、モリスの理想の王子様ってどんな人?」
「それはもちろん決まっているじゃない。
私だけを見てくれる人よ。」
「そうだよね。
私もだわ。」
「オーレリアは男嫌いだって思ってたけど、違うの?」
「男嫌いではないわ。
ただ私は今でも好きな人の幸せを願っているだけ。
王都に来て思い知ったわ。
どんなにたくさんの人に出会っても、私には新しい好きな人ができない。
その人と離れたら、諦めるのかなぁと思ってたのに、しつこいみたい、私。」
「オーレリアはしつこくないわ。
だって、相手に迫って、困らせている訳じゃないんだから。
いいのよ。
誰を思ったって。
忘れようと思って忘れられたら、とっくに忘れてると思うし。」
「モリスは優しいね。
私、モリスがいて、とっても良かったって思うの。
私は一人だなって、時々すごく思ってしまって。
自分で選んでおいて、何だけどね。
だから、モリスがお嫁に行くまでは、一緒にいてね。」
「どうかしら。
私、友達より迷わず男をとる女だから。
結婚と言わず、彼氏でもできたら尽くしちゃうわ。」
「もう、そこ。
いいわよって言う流れ。」
「はは、ごめん、ごめん。
嘘はつけないじゃない。
じゃ、私早速王子様探しに行って来るわ。」
そう言うとモリスは、もう辺りは暗くなってきていたので、早速夜の飲食店に出会いを求めて出かけて行った。
モリスみたいな前向きな明るい人は、きっとモテるのだろう。
私ももうそろそろライナートのことを諦め、前へ進もうと思っても、どんな男性と出会っても、彼への気持ちが薄まることがない。
どこの街に行っても、彼がこの王国を支えていると思い、話したいことも、伝えたいことも増えていく一方だ。
もう二度と、会えないとわかっているのにね。
とりあえず、私は私で頑張るしかない。
モリスは、すぐに恋人を見つけて、一人で生きていかなければならなくなるかもしれないから。
そのことについても、隠すことなく、教えてくれるモリスは誠実だわ。
だから、その時は心から祝福できるように、一人で生きる準備もしよう。
だって、モリスはきっと、家族に好みを理解されず、辛い日々を送って来たんだわ。
王都を離れなければならないほどに。
けれども、そんな辛さを見せない優しさに、救われて今がある。
だから、モリスには幸せになってほしい。
何だろ、私、人の幸せ祈ってばっかりだわ。
だって、ライナート以外好きになる人なんて、現れないとわかっているんだもの。
困ったもんだよ、私。
そこは、王都ほどではないが、活気に溢れ、夜の飲食店がたくさんある街だった。
「やっとこれで、自由よ。
いい男探してやるわぁ。」
「モリスは元気ね。」
「だって、そのために、わざわざ王都を離れたのよ。
ここに私の理想の王子様がいる気がするわ。」
モリスは旅の疲れなど全く感じないのか、街並みを眺めながら鼻歌を歌い出す。
もし、一人でこの街に来たのなら、こんなに明るい気持ちでいれなかった。
そう思うと、モリスに感謝だし、紹介してくれたサリーにも感謝である。
早速二人は小さな家を借りて、住むことにする。
友達同士なので、一人一人が別部屋だけど、食事や家事の担当など話し合う。
それが済むと、二人は甘味をつまみながらお茶を飲み、女性同士の会話を楽しむ。
「ところで、モリスの理想の王子様ってどんな人?」
「それはもちろん決まっているじゃない。
私だけを見てくれる人よ。」
「そうだよね。
私もだわ。」
「オーレリアは男嫌いだって思ってたけど、違うの?」
「男嫌いではないわ。
ただ私は今でも好きな人の幸せを願っているだけ。
王都に来て思い知ったわ。
どんなにたくさんの人に出会っても、私には新しい好きな人ができない。
その人と離れたら、諦めるのかなぁと思ってたのに、しつこいみたい、私。」
「オーレリアはしつこくないわ。
だって、相手に迫って、困らせている訳じゃないんだから。
いいのよ。
誰を思ったって。
忘れようと思って忘れられたら、とっくに忘れてると思うし。」
「モリスは優しいね。
私、モリスがいて、とっても良かったって思うの。
私は一人だなって、時々すごく思ってしまって。
自分で選んでおいて、何だけどね。
だから、モリスがお嫁に行くまでは、一緒にいてね。」
「どうかしら。
私、友達より迷わず男をとる女だから。
結婚と言わず、彼氏でもできたら尽くしちゃうわ。」
「もう、そこ。
いいわよって言う流れ。」
「はは、ごめん、ごめん。
嘘はつけないじゃない。
じゃ、私早速王子様探しに行って来るわ。」
そう言うとモリスは、もう辺りは暗くなってきていたので、早速夜の飲食店に出会いを求めて出かけて行った。
モリスみたいな前向きな明るい人は、きっとモテるのだろう。
私ももうそろそろライナートのことを諦め、前へ進もうと思っても、どんな男性と出会っても、彼への気持ちが薄まることがない。
どこの街に行っても、彼がこの王国を支えていると思い、話したいことも、伝えたいことも増えていく一方だ。
もう二度と、会えないとわかっているのにね。
とりあえず、私は私で頑張るしかない。
モリスは、すぐに恋人を見つけて、一人で生きていかなければならなくなるかもしれないから。
そのことについても、隠すことなく、教えてくれるモリスは誠実だわ。
だから、その時は心から祝福できるように、一人で生きる準備もしよう。
だって、モリスはきっと、家族に好みを理解されず、辛い日々を送って来たんだわ。
王都を離れなければならないほどに。
けれども、そんな辛さを見せない優しさに、救われて今がある。
だから、モリスには幸せになってほしい。
何だろ、私、人の幸せ祈ってばっかりだわ。
だって、ライナート以外好きになる人なんて、現れないとわかっているんだもの。
困ったもんだよ、私。
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