たっくんがバイトをやめてくれない

月山 歩

文字の大きさ
11 / 11

11.僕のイチカちゃん

しおりを挟む
 小さい頃から僕は割とおとなしめな子だった。
 幼稚園でもはじっこで一人で遊んでた。

 でも、ある日笑顔が素敵なクリクリおめめの女の子が遊ぼうと誘ってくれた。
 それがイチカちゃんだった。

 一緒に積み木で遊んでいるといつの間にかみんなで遊んでいた。 

 なんとなく僕にもその日から話しかけてくれる友達ができた。

 ある日お家でぼうっとしていると玄関先にイチカちゃんとイチカちゃんママが来ていた。

 ママが、「イチカちゃんが一緒に公園で遊ぼうって言ってくれてるけど、行く?」

 と言った。
 僕は大きく頷いた。

 その日からイチカちゃんは公園に遊びに行くたびに僕を誘ってくれて、そこに来ていた他のお友達ともすぐに仲良しになった。

 僕のママは僕がイチカちゃんと毎日のように遊びに行くことで、その間家事したり、一人でゆっくりくつろいだりする時間ができて、連れて行ってくれるイチカちゃん親子にとても感謝していたと後から知った。

 僕はいわゆる母子家庭で一人で僕を育てているママはいつも忙しく、とても疲れていた。
 だから、ママは公園に連れて行ってくれるのは週に一回くらいだったから。

 イチカちゃんに連れられて行くことで僕はすぐにみんなに受け入れられていた。

 でも、小学校の三年生の時イチカちゃんと初めて別のクラスになってしまった。

 僕はなんとかみんなに話しかけたりするけど、あまり会話は弾まなかった。

 この先どうしようかと内心悩みながら、イチカちゃんと帰った。

 僕の一日の楽しみはイチカちゃんと帰ること。
 みんなとぎこちない感じでもイチカちゃんと帰れると思うとまぁいいかって思える。

 そして、次の日学校に行くとみんなの僕に対する興味が変わっていた。

「イチカちゃんと帰っていたね。
 仲良しなの?」

「イチカちゃんってどうゆう子?」

 みんなイチカちゃんに興味深々で、昨日まで全く話してなかった子がどんどん話しかけてくる。

 その日から僕は割と誰とでも話せるやつになっていた。

 小さい頃からずっと感じてた。

 イチカちゃんといるだけで、みんなに受け入れられて、僕一人なら絶対友達になれそうにない子が僕を受け入れてくれる。 

 僕にとってイチカちゃんはいつも太陽みたいな女の子だった。

 僕の願いはね、イチカちゃんとずっと一緒にいること。 

 イチカちゃんと一緒にいたら、きっと嫌なことだって、乗り越えて僕は頑張る男の子になれるんだ。

 だから、イチカちゃん、僕のそばにずっといてね。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

生贄姫の末路 【完結】

松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。 それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。 水の豊かな国には双子のお姫様がいます。 ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。 もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。 王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。

極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

猫菜こん
児童書・童話
 私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。  だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。 「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」  優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。  ……これは一体どういう状況なんですか!?  静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん  できるだけ目立たないように過ごしたい  湖宮結衣(こみやゆい)  ×  文武両道な学園の王子様  実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?  氷堂秦斗(ひょうどうかなと)  最初は【仮】のはずだった。 「結衣さん……って呼んでもいい?  だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」 「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」 「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、  今もどうしようもないくらい好きなんだ。」  ……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。

この町ってなんなんだ!

朝山みどり
児童書・童話
山本航平は両親が仕事で海外へ行ってしまったので、義父の実家に預けられた。山間の古風な町、時代劇のセットのような家は航平はワクワクさせたが、航平はこの町の違和感の原因を探そうと調べ始める。

童話短編集

木野もくば
児童書・童話
一話完結の物語をまとめています。

ゆまちゃんとヤン丸の12ヶ月

万揮/マキちん
絵本
まん丸な子犬のヤン丸とゆまちゃんという女の子の一年間の物語です。

まぼろしのミッドナイトスクール

木野もくば
児童書・童話
深夜0時ちょうどに突然あらわれる不思議な学校。そこには、不思議な先生と生徒たちがいました。飼い猫との最後に後悔がある青年……。深い森の中で道に迷う少女……。人間に恋をした水の神さま……。それぞれの道に迷い、そして誰かと誰かの想いがつながったとき、暗闇の空に光る星くずの方から学校のチャイムが鳴り響いてくるのでした。

【奨励賞】おとぎの店の白雪姫

ゆちば
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 奨励賞】 母親を亡くした小学生、白雪ましろは、おとぎ商店街でレストランを経営する叔父、白雪凛悟(りんごおじさん)に引き取られる。 ぎこちない二人の生活が始まるが、ひょんなことからりんごおじさんのお店――ファミリーレストラン《りんごの木》のお手伝いをすることになったましろ。パティシエ高校生、最速のパート主婦、そしてイケメンだけど料理脳のりんごおじさんと共に、一癖も二癖もあるお客さんをおもてなし! そしてめくるめく日常の中で、ましろはりんごおじさんとの『家族』の形を見出していく――。 小さな白雪姫が『家族』のために奔走する、おいしいほっこり物語。はじまりはじまり! 他のサイトにも掲載しています。 表紙イラストは今市阿寒様です。 絵本児童書大賞で奨励賞をいただきました。

城下のインフルエンサー永遠姫の日常

ぺきぺき
児童書・童話
永遠(とわ)姫は貴族・九条家に生まれたお姫様。大好きな父上と母上との楽しい日常を守るために小さな体で今日も奮闘中。 全5話。

処理中です...