107 / 127
第2章
それは、時を遡る前の皇帝2
しおりを挟む
皇帝となり暫くしてから、これまで先送りされていた問題が、放置出来ない段階までになってきた。
何百年もの間、異世界の聖女が現れないことで、暗黒龍の数が少しずつ増え続け、身体から放たれる邪気は人の心を荒ませ、犯罪率が急上昇したのだ。
それだけではない、空は晴天を見る日が、ある日突然、全くと言って良い程無くなり、天候にも影響が出始めた。
それは最高神である、太陽神に見放されてしまったのだと、この国のそこかしこで囁かれ始めた頃、神殿と重鎮の集まる大会議が秘密裏に開かれた。
「現在、神殿にて異世界から聖女を呼び寄せる為の儀式を行っております。あと数日で叶うでしょう。どうかご安心を」
異世界の聖女が来てしまえば、王宮よりも神殿の威光が強くなってしまう。だが、事態が深刻なだけに貴族の重鎮達は黙って聞いていることしか出来ない。
異世界の聖女は本来、必要なときに神から遣わされ現れると言い伝えられているが、一向に現れる様子が無いのだから。
もはや人為的にでも、呼び出すしかないだろう。
まぁ、傀儡の王でしかない俺は、考えるだけ無駄なこと。話を聞いているだけで、最後に会議で決まったことにコクリと頷くだけだ。
そんなある時、珍しく皇妃が俺の所へとやってきた。
傀儡でしかない俺に、一体何の話があるのだろうか。
ずっと俺に怯え、隠れるように過ごしてきて。
今も、俺が一瞥しただけで微かに震えていると言うのに。
「へ…陛下に、お話があります」
「……珍しいな、何だ?」
「異世界の聖女でなくとも、暗黒龍の討伐は可能です。これに目を通してください」
そう言って、手製の資料を机の上においた。
「これは、何だ?」
「我が子爵家で見た資料の内容を、覚えている箇所のみ書き記しました。この世界の住人が、神の加護を得られる祠の点在箇所です」
その話は半信半疑も良いところの内容であった。
この世界の住人は、聖力を高め、聖女となれたとしても、暗黒龍に触れることも傷を付ける事も出来ない。
出来ることは、人の治癒をすることくらいだ。
神の加護を得て神力を得られる、異世界の聖女の力でしか、暗黒龍に触れられない。
大剣を使えるだけではだめなのだ。聖女の神力で大剣を纏わなければ、暗黒龍は討伐出来ない。
しかし、この皇妃は気が弱いが、馬鹿ではない。皇妃教育で俺の知っている異世界の聖女についての言い伝えを知っているはずだ。
知った上で、この世界の住人でも、神力を受ける事が出来ると言っている。
「…この世界の住人が、神の加護を得られる所を見たことが無い。俺は幾人もそれを試み失敗している姿を見てきた」
「その試みは、神殿が開示している祠です。異世界の神の加護を受ける為の祠だから、皆失敗したのです」
「その仮設を証明する証拠がない」
「私はーー幼き頃。本を読んで好奇心からこの地図に示された祠へ赴き、神の加護を受けました」
「…神力を、既に得ていると?」
ビクリと体を震わせながらも、皇妃はゆっくりと頷いた。
聖力ですら、才能があるものしか現れないというのに、それを神力に変換出来ることなどあり得るのだろうかーー…。
懸念とは裏腹に、皇妃の顔はいたって真剣そのものだった。
「それならば話が早い。このペンダントに触れてみるが良い」
胸ポケットに入れていたペンダントを取り出した。これは、アリスティナが死に際に俺へと渡したもの。
アリスティナの母親が獣人の村長から譲り受けた、神力を蓄えておく貴重な神器の1つ。
このペンダントに神力を蓄えておけば、側に異世界の聖女が居らずとも暗黒龍に触れることが出来るが、聖力にはなんの反応もしない代物だ。
余程俺が怖いのか、ごくり、と喉をならして俺が手に持つペンダントへと、そっと触れた。
その時、強い青光を放ち、風が吹き荒れる。驚いて手から滑り落ちたペンダントは、皇妃の手から離れて地面へと転がる。
ーーまさか、本当に。神力を得ているというのか。
動けずに居る俺に、転がったペンダントを拾い上げて、皇妃はそれを俺へ差し出しながら、伺うような視線を向けてきた。
「…ーーこれで、証明になりましたでしょうか?」
「ーー…だが、異世界から聖女を呼び寄せる儀式をすると議決されたばかりだ。
ペンダントが反応するだけでは…肝心の暗黒龍討伐に役に立つのかわからない段階では決まったことを覆すことは出来ない」
「陛下、このままでは、異世界から来た者は、突然知らない世界に呼ばれるのですよ?」
「それは仕方のない事だ。太陽が姿を隠してから気温の低下が著しい。このままでは、我々は死ぬぞ」
「この世界で起きた問題は、この世界の住人で解決するべきです。
言語が通用するかもわからない、この世界の常識も、王宮の常識もわからない、年端もいかない娘が1人でどれ程孤独を感じるでしょうか?」
「……綺麗事ばかりを言うな」
「陛下……」
「何年も皇妃として過ごしておきながら、何の理解もしていないようだから教えてやる。
この世は、綺麗事を述べる人間から死んでいく。
おまえは、引き篭もってばかりで、何にも知らなかったからそんな事が言えるんだろうよ」
ほら、俺の剣幕に恐怖いっぱいの顔をして、怖くて足も震えているじゃないか。
それで他人を労っている場合なのか、自分の立場を理解していながら、危険を承知で俺に接触してきて、何を言い出すかと思ったらそれか。
おまえが引き篭もっている間に何があって俺がどんな思いをしていたかも知らない癖に、こんな時になってから声を掛けてきたかと思えば。
そもそも俺が何か言ったところで、会議の決定は覆らないんだよ。
俺は傀儡の皇帝でしかなく、何の決定権もないからな。
皇帝になるために、俺は全権利を手放した。
第2王子を嵌めるために、復讐する為に、ムカつく奴を殺すために。
持てる全部を、人へ譲った。
それを、今更、俺の口から言わせたいのか?この女は。
「ー……」
「なんだよ?」
俺の剣幕にビクビクしながらも、皇妃は恐る恐る唇を震わせて問いかけてきた。
「アリスティナ姫は今の貴方を見て、どう思うでしょうか」
ー・俺はその瞬間、皇妃を睨みつけたあと、部屋から退出させた。
これまで、殆ど口を聞いたこともない皇妃に、図星をつかれたことに、腹がたったのだ。
俺の中に居るアリスティナは、もう随分と笑ってはくれない。
ただ、心配そうに俺を見ている姿しか、思い浮かばない。
何百年もの間、異世界の聖女が現れないことで、暗黒龍の数が少しずつ増え続け、身体から放たれる邪気は人の心を荒ませ、犯罪率が急上昇したのだ。
それだけではない、空は晴天を見る日が、ある日突然、全くと言って良い程無くなり、天候にも影響が出始めた。
それは最高神である、太陽神に見放されてしまったのだと、この国のそこかしこで囁かれ始めた頃、神殿と重鎮の集まる大会議が秘密裏に開かれた。
「現在、神殿にて異世界から聖女を呼び寄せる為の儀式を行っております。あと数日で叶うでしょう。どうかご安心を」
異世界の聖女が来てしまえば、王宮よりも神殿の威光が強くなってしまう。だが、事態が深刻なだけに貴族の重鎮達は黙って聞いていることしか出来ない。
異世界の聖女は本来、必要なときに神から遣わされ現れると言い伝えられているが、一向に現れる様子が無いのだから。
もはや人為的にでも、呼び出すしかないだろう。
まぁ、傀儡の王でしかない俺は、考えるだけ無駄なこと。話を聞いているだけで、最後に会議で決まったことにコクリと頷くだけだ。
そんなある時、珍しく皇妃が俺の所へとやってきた。
傀儡でしかない俺に、一体何の話があるのだろうか。
ずっと俺に怯え、隠れるように過ごしてきて。
今も、俺が一瞥しただけで微かに震えていると言うのに。
「へ…陛下に、お話があります」
「……珍しいな、何だ?」
「異世界の聖女でなくとも、暗黒龍の討伐は可能です。これに目を通してください」
そう言って、手製の資料を机の上においた。
「これは、何だ?」
「我が子爵家で見た資料の内容を、覚えている箇所のみ書き記しました。この世界の住人が、神の加護を得られる祠の点在箇所です」
その話は半信半疑も良いところの内容であった。
この世界の住人は、聖力を高め、聖女となれたとしても、暗黒龍に触れることも傷を付ける事も出来ない。
出来ることは、人の治癒をすることくらいだ。
神の加護を得て神力を得られる、異世界の聖女の力でしか、暗黒龍に触れられない。
大剣を使えるだけではだめなのだ。聖女の神力で大剣を纏わなければ、暗黒龍は討伐出来ない。
しかし、この皇妃は気が弱いが、馬鹿ではない。皇妃教育で俺の知っている異世界の聖女についての言い伝えを知っているはずだ。
知った上で、この世界の住人でも、神力を受ける事が出来ると言っている。
「…この世界の住人が、神の加護を得られる所を見たことが無い。俺は幾人もそれを試み失敗している姿を見てきた」
「その試みは、神殿が開示している祠です。異世界の神の加護を受ける為の祠だから、皆失敗したのです」
「その仮設を証明する証拠がない」
「私はーー幼き頃。本を読んで好奇心からこの地図に示された祠へ赴き、神の加護を受けました」
「…神力を、既に得ていると?」
ビクリと体を震わせながらも、皇妃はゆっくりと頷いた。
聖力ですら、才能があるものしか現れないというのに、それを神力に変換出来ることなどあり得るのだろうかーー…。
懸念とは裏腹に、皇妃の顔はいたって真剣そのものだった。
「それならば話が早い。このペンダントに触れてみるが良い」
胸ポケットに入れていたペンダントを取り出した。これは、アリスティナが死に際に俺へと渡したもの。
アリスティナの母親が獣人の村長から譲り受けた、神力を蓄えておく貴重な神器の1つ。
このペンダントに神力を蓄えておけば、側に異世界の聖女が居らずとも暗黒龍に触れることが出来るが、聖力にはなんの反応もしない代物だ。
余程俺が怖いのか、ごくり、と喉をならして俺が手に持つペンダントへと、そっと触れた。
その時、強い青光を放ち、風が吹き荒れる。驚いて手から滑り落ちたペンダントは、皇妃の手から離れて地面へと転がる。
ーーまさか、本当に。神力を得ているというのか。
動けずに居る俺に、転がったペンダントを拾い上げて、皇妃はそれを俺へ差し出しながら、伺うような視線を向けてきた。
「…ーーこれで、証明になりましたでしょうか?」
「ーー…だが、異世界から聖女を呼び寄せる儀式をすると議決されたばかりだ。
ペンダントが反応するだけでは…肝心の暗黒龍討伐に役に立つのかわからない段階では決まったことを覆すことは出来ない」
「陛下、このままでは、異世界から来た者は、突然知らない世界に呼ばれるのですよ?」
「それは仕方のない事だ。太陽が姿を隠してから気温の低下が著しい。このままでは、我々は死ぬぞ」
「この世界で起きた問題は、この世界の住人で解決するべきです。
言語が通用するかもわからない、この世界の常識も、王宮の常識もわからない、年端もいかない娘が1人でどれ程孤独を感じるでしょうか?」
「……綺麗事ばかりを言うな」
「陛下……」
「何年も皇妃として過ごしておきながら、何の理解もしていないようだから教えてやる。
この世は、綺麗事を述べる人間から死んでいく。
おまえは、引き篭もってばかりで、何にも知らなかったからそんな事が言えるんだろうよ」
ほら、俺の剣幕に恐怖いっぱいの顔をして、怖くて足も震えているじゃないか。
それで他人を労っている場合なのか、自分の立場を理解していながら、危険を承知で俺に接触してきて、何を言い出すかと思ったらそれか。
おまえが引き篭もっている間に何があって俺がどんな思いをしていたかも知らない癖に、こんな時になってから声を掛けてきたかと思えば。
そもそも俺が何か言ったところで、会議の決定は覆らないんだよ。
俺は傀儡の皇帝でしかなく、何の決定権もないからな。
皇帝になるために、俺は全権利を手放した。
第2王子を嵌めるために、復讐する為に、ムカつく奴を殺すために。
持てる全部を、人へ譲った。
それを、今更、俺の口から言わせたいのか?この女は。
「ー……」
「なんだよ?」
俺の剣幕にビクビクしながらも、皇妃は恐る恐る唇を震わせて問いかけてきた。
「アリスティナ姫は今の貴方を見て、どう思うでしょうか」
ー・俺はその瞬間、皇妃を睨みつけたあと、部屋から退出させた。
これまで、殆ど口を聞いたこともない皇妃に、図星をつかれたことに、腹がたったのだ。
俺の中に居るアリスティナは、もう随分と笑ってはくれない。
ただ、心配そうに俺を見ている姿しか、思い浮かばない。
12
あなたにおすすめの小説
見た目の良すぎる双子の兄を持った妹は、引きこもっている理由を不細工だからと勘違いされていましたが、身内にも誤解されていたようです
珠宮さくら
恋愛
ルベロン国の第1王女として生まれたシャルレーヌは、引きこもっていた。
その理由は、見目の良い両親と双子の兄に劣るどころか。他の腹違いの弟妹たちより、不細工な顔をしているからだと噂されていたが、実際のところは全然違っていたのだが、そんな片割れを心配して、外に出そうとした兄は自分を頼ると思っていた。
それが、全く頼らないことになるどころか。自分の方が残念になってしまう結末になるとは思っていなかった。
私は既にフラれましたので。
椎茸
恋愛
子爵令嬢ルフェルニア・シラーは、国一番の美貌を持つ幼馴染の公爵令息ユリウス・ミネルウァへの想いを断ち切るため、告白をする。ルフェルニアは、予想どおりフラれると、元来の深く悩まない性格ゆえか、気持ちを切り替えて、仕事と婚活に邁進しようとする。一方、仕事一筋で自身の感情にも恋愛事情にも疎かったユリウスは、ずっと一緒に居てくれたルフェルニアに距離を置かれたことで、感情の蓋が外れてルフェルニアの言動に一喜一憂するように…?
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
前世の記憶が蘇ったので、身を引いてのんびり過ごすことにします
柚木ゆず
恋愛
※明日(3月6日)より、もうひとつのエピローグと番外編の投稿を始めさせていただきます。
我が儘で強引で性格が非常に悪い、筆頭侯爵家の嫡男アルノー。そんな彼を伯爵令嬢エレーヌは『ブレずに力強く引っ張ってくださる自信に満ちた方』と狂信的に愛し、アルノーが自ら選んだ5人の婚約者候補の1人として、アルノーに選んでもらえるよう3年間必死に自分を磨き続けていました。
けれどある日無理がたたり、倒れて後頭部を打ったことで前世の記憶が覚醒。それによって冷静に物事を見られるようになり、ようやくアルノーは滅茶苦茶な人間だと気付いたのでした。
「オレの婚約者候補になれと言ってきて、それを光栄に思えだとか……。倒れたのに心配をしてくださらないどころか、異常が残っていたら候補者から脱落させると言い出すとか……。そんな方に夢中になっていただなんて、私はなんて愚かなのかしら」
そのためエレーヌは即座に、候補者を辞退。その出来事が切っ掛けとなって、エレーヌの人生は明るいものへと変化してゆくことになるのでした。
私の容姿は中の下だと、婚約者が話していたのを小耳に挟んでしまいました
山田ランチ
恋愛
想い合う二人のすれ違いラブストーリー。
※以前掲載しておりましたものを、加筆の為再投稿致しました。お読み下さっていた方は重複しますので、ご注意下さいませ。
コレット・ロシニョール 侯爵家令嬢。ジャンの双子の姉。
ジャン・ロシニョール 侯爵家嫡男。コレットの双子の弟。
トリスタン・デュボワ 公爵家嫡男。コレットの婚約者。
クレマン・ルゥセーブル・ジハァーウ、王太子。
シモン・グレンツェ 辺境伯家嫡男。コレットの従兄。
ルネ ロシニョール家の侍女でコレット付き。
シルヴィー・ペレス 子爵令嬢。
〈あらすじ〉
コレットは愛しの婚約者が自分の容姿について話しているのを聞いてしまう。このまま大好きな婚約者のそばにいれば疎まれてしまうと思ったコレットは、親類の領地へ向かう事に。そこで新しい商売を始めたコレットは、知らない間に国の重要人物になってしまう。そしてトリスタンにも女性の影が見え隠れして……。
ジレジレ、すれ違いラブストーリー
残念な顔だとバカにされていた私が隣国の王子様に見初められました
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
公爵令嬢アンジェリカは六歳の誕生日までは天使のように可愛らしい子供だった。ところが突然、ロバのような顔になってしまう。残念な姿に成長した『残念姫』と呼ばれるアンジェリカ。友達は男爵家のウォルターただ一人。そんなある日、隣国から素敵な王子様が留学してきて……
ストーカー婚約者でしたが、転生者だったので経歴を身綺麗にしておく
犬野きらり
恋愛
リディア・ガルドニ(14)、本日誕生日で転生者として気付きました。私がつい先程までやっていた行動…それは、自分の婚約者に対して重い愛ではなく、ストーカー行為。
「絶対駄目ーー」
と前世の私が気づかせてくれ、そもそも何故こんな男にこだわっていたのかと目が覚めました。
何の物語かも乙女ゲームの中の人になったのかもわかりませんが、私の黒歴史は証拠隠滅、慰謝料ガッポリ、新たな出会い新たな人生に進みます。
募集 婿入り希望者
対象外は、嫡男、後継者、王族
目指せハッピーエンド(?)!!
全23話で完結です。
この作品を気に留めて下さりありがとうございます。感謝を込めて、その後(直後)2話追加しました。25話になりました。
【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!
白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。
辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。
夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆
異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です)
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる