【完結】憧れの異世界転移が現実になったのですが何か思ってたのと違います

Debby

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第三章 憧れの仲間です・編

3-7

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 その後も作り続けたけど、
『ネツサマ草』は白いの大きめの錠剤、『イタミガトレ草』は薄ピンクの大きめの錠剤、『カゼニキキ草』は黄色い顆粒だった。

『ハラガイタ草』なんかはカプセルの形で『鑑定』したら、
 ----------
 腹痛薬
 下痢止め
 水なし一錠
 ----------

 と出た。

『シップニツカエ草』は想像通り見慣れた白い四角い形の物体に生まれ変わりましたよ。

「・・・」

 ある意味期待は裏切られなかった、ということかな?

 唯一ポーションっぽく液体になったのは『チイサクナリ草』だったのだけど、買ってきた小瓶に入れて『鑑定』したところ・・・

 ----------
 最小化ポーション
 どんな生物でも、数ミリの大きさにまで小さくすることが出来る。飲んでもかけても使える。
 元の大きさに戻すには『モトニモドレ草』を使って作ったポーションを飲むかかけるかする必要がある。
 ----------

「・・・」

 治癒魔法を人前で使わない対策として作ったつもりだったのだけど、

(全部使えない・・・)

 仕方がないので、収納に封印することにした。

 -------
 リスト『異世界でやってみたい50のこと』
  
 達成可能(2)
 ★モフモフをテイムしたい
 ★討伐をやってみたい 

 未達成(23)
  
 達成済み(25)--新規(1)・確認済み(24)
 ★ポーションを作ってみたい
 ----------



 朝起きて、七星に昨夜完成した近代的な?薬を見せたら昨日に続き、大爆笑された。
 今日の七星は髪が茶色で瞳はピンクだ。髪と瞳の色を変える魔道具の完成が見えてきたらしく、昨夜も夜遅くまで頑張っていた。凄いな。
 私もリスト達成のために頑張ろうと思う。だから・・・

「今日からまたダンジョンの方に行こうと思うの」

 七星にそう宣言すると、思い切り眉根に皺を寄せて「大丈夫なの?」と言われた。

「大丈夫だよ。結界で隠れて行くし、レグルスが帰ってくるまでには戻ってくるから」

「そういう心配をしているのではないのだけれど・・・」

 そう言われたけれど良くわからなかった。
 私はフードを深く被ると大剣を背負い、収納に水や食べ物を入れると結界を展開して出発した。
 レグルスを待たずに今回一人で森に何をしに行くかというと──


 -------
 リスト『異世界でやってみたい50のこと』
  
 達成可能(3)
 ★仲間を作ってみたい 
 ★モフモフをテイムしたい
 ★討伐をやってみたい 

 未達成(22)
  
 達成済み(25)--新規(0)・確認済み(25)
 ----------


 モフモフが手の届くところにいるのです。
 モフモフが呼んでいるのです!
 モフモフをテイムしに行くのですっ!

 レグルスの帰りなど待てようハズもない。
『★仲間を作ってみたい』も達成可能なリストにあがっているので、これはもう絶対にモフモフなんだと思う。

 え?隠蔽結界を張っているのに従魔が見つかるのかって?
 結界の効果は私のイメージを反映しているので、モフモフウェルカム状態の今、私の従魔になる運命の可愛いモフモフなら結界を潜り抜けて会いに来てくれるハズ!

 なんて、張りきって森に入ったのだけれど、現在早々に後悔をしています。だってレグルスと居たら寄ってこない弱い魔獣がそこら辺を徘徊していたりするわけよ・・・結界で気付かれないとはいえ一人で森に入るんじゃなかった・・・。
 私はガックリと首を垂れる。
 落ち込んでいるのは何も魔獣に出会ったからだけではない。

 それは私がダンジョンに向かうために森に入って一時間くらいたった時のことだった、森の中のある一角に木の一部が焼けただれたようになっている所があったのだ。

「え、なに?怖い」

 ボタッ・・・ボタッボタッ・・・

 私がつぶやくと結界の上に何かが当たった音がした。
 私が恐る恐る上を見ると──

「ひっ!」

 何かネバネバした半透明の物体が結界に張り付き、何か液体を出しているのだ。
 私はその光景と木の焼けただれた痕を交互に見る。思い当たるのは一つの悲しい現実。
 想像してたのはプルンとしたフォルムにどんな時でも変わらぬその笑顔。そして思わず摘まみ上げたくなるのではと想像していたあの頭頂部・・・──まぁこれはあるヤツと無いヤツがいるけれど。

 知ってたよ~、知ってた。
 これまでも思ってたんと違うってことは何度かあった。

 ──スライム。

 異世界ファンタジーの物語でも読んだことがある。
 可愛らしくてみんなのアイドル「ぷりんぷりん系」と前の世界のおもちゃのような「べっちょり?どろり?系」の二種類が確かにいた。でも高確率で前者だったから、そっちだと思い込んでいた。

 この世界のスライムがこれなら、初級ダンジョンの一階層にいなかったことも頷ける。
 驚きはしたけれど、気持ち悪いとかそんなことより重大な残念なお話があります──。
 出している液体は高確率で「酸」。焼けただれた木は間違いなくこいつらの仕業だ。
 
 異世界ファンタジーでスライムと言えば、冷やして食べるアレだけど、たとえダンジョンでドロップしたとしても、コレから生み出されるスライムゼリーアレは食べたくない。

「楽しみにしてたのに・・・」

 リストに書いておけばよかった・・・たとえ百項目になったとしても、何ページにも及んでも、もっと詳細に書いておけばよかったと、この世界に来て何度目かの後悔をした。

 落ち込んだテンションのまま、トボトボと歩く。
 この間レグルス連れてきてもらったときは、森の中とはいえ人が頻繁に歩くからわかりやすい一本道だった。それを真っすぐ歩いてきたつもりだったけど、何故か湖に突き当たってしまった。
 この間はこんな所通らなかった。

「ここ、どこぉ~(泣)」

 結界があるから魔獣に襲われることもないだろうけど、街に帰りつくことも出来ない気がする。
 こんな時に地図があったら──って、リストにマップ機能が欲しいって書いてたはずだよね?異世界で生きていくには必要だと思ったから。
 私はそう思ってリストを開いた。すると、新しい項目が増えていた。


 -------
 リスト『異世界でやってみたい50のこと』
  
 達成可能(4)
 ★マップ機能を使いたい(Yes・No)
 ★仲間を作ってみたい 
 ★モフモフをテイムしたい
 ★討伐をやってみたい 

 未達成(21)
  
 達成済み(25)--新規(0)・確認済み(25)
 ----------


『★マップ機能を使いたい(Yes・No)』
 迷わずYesを選択する。
『マップ機能を利用するときは、「マップ」とお声かけください』と小さいウインドウが出て消えた。

「『マップ』」

 早速マップを呼び出して──すぐに閉じた。
 何故って?
 方向も分からないし、周囲が木ばかりでランドマークが無いから全く地図が読めなかったのよ。
 異世界マップと言えば物語でよくあるカーナビみたいなのを想像するでしょう?でもね、拡大縮小は出来るみたいだけど、方位磁針がないと役に立ちそうにない普通の地図だったのよ!

 私は力なくその場に座り込んだ。
 そうだ。ついでだからおやつにしよう!腹が減っては戦ができぬ、だしね。戦えないけど・・・。
 そう思って朝七星が多めに焼いてくれたパンケーキを収納から出し、ドロップ品の蜂蜜をかけた。

「おいひぃ~」

 私がパンケーキを頬張っていると、そこに一羽の白い小鳥が姿を現した。

「あ、小鳥さん?お腹が空いてるのかな?」

 私はパンケーキを小さくちぎると小鳥の前に置いた。

「あなた、この間のシマエナガに似た小鳥さんにそっくりね。同じ種類かな」

 白い小鳥は自分の分のパンケーキを食べ終わると、私の肩に止まった。

「あなた人懐こいのね?あなたがモフモフなら、ピヨさんとか名前を付けて従魔になって貰うのに、残ね──」

 瞬間、私と小鳥が光った。

「え。まさか」と慌ててリストを開く。


 -------
 リスト『異世界でやってみたい50のこと』
  
 達成可能(1)
 ★討伐をやってみたい 

 未達成(21)
  
 達成済み(28)--新規(3)・確認済み(25)
 ★マップ機能を使いたい
 ★仲間を作ってみたい 
 ★モフモフをテイムしたい
 ----------


「ああ、やっぱり・・・私のモフモフ従魔が・・・」

『★仲間を作ってみたい 』と『★モフモフをテイムしたい』が達成済みになっていた。

 あぁ。『犬系の魔獣をテイムしたい』とか、ハッキリ書いておくべきだった。
 本当に誰かの悪意かと疑いたくなる何度目かの「思ってたんと違う」に、もう涙は出なかった。

──失礼なヤツめ。我もモフモフであろうが。
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