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266 二つや三つ
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冷たい水の冷気が喉を通って腹の中まで達すると、何となく頭がスッキリ感じられたりするものだ。
そんな感覚のお陰かどうかは判らないが、ルキアスは閃いた。
(蒸気タンクの『加熱』と一緒に鉄製カバーを冷やしたらいいんじゃ……)
思い立ちはしたが、同時発動できるのだろうか。生活魔法には『傘』のように一度に一つしか発動できないものと、『ランプ』や『鏡』のように複数発動できるものがある。では『加熱』はと言うと、ルキアスは試した事が無い。今まで同時に二つ使うような生活はして来なかった。一つだけで何となく間に合っていたので可能性も探っていなかった。
故郷の母がどうだったかと回想する。ルキアスの母もルキアス同様に天職を持たないが、生活魔法は使える。その母が炊事の際にどうしていたか。
(母さんは『加熱』を二つ、三つ使ってたような……)
五人家族の食事の仕度となれば、鍋やフライパンの二つや三つを同時に使うこともあるものだ。ルキアスはそんな母の姿を後から幾度となく見たものだった。
(やってみるしかないよね)
朧気ながら母と言う先人が居る。まるで可能性が無い訳ではないだろう。
いずれにしても物は試しだ。鍋とカップに水を張り、まずは鍋の水を、続けてカップの水を『加熱』してみる。
すんなりと成功した。やはり元より料理に使うためか、『加熱』は複数を同時に使えるらしい。
続けて全く同時に『加熱』を発動させてみる。
これは失敗した。途中で魔法が分裂霧散する感触があった。
ここで疑問になるのが『鏡』や『ランプ』だ。同時に発動させている感覚だったのだが……。
改めて『鏡』を試してみれば、同時ではなく一枚ずつ発動していた。次の発動までの間隔が極めて短いだけだった。
(あれ? 魔法は一回しか使ってなかったと思ったのに……)
再度『鏡』をゆっくりと発動させてみる。
(ああっ! リピートしてたんだ)
半ば無意識にリピートして発動していた。敢えて言葉に直すなら「『鏡』み』み』み』」と言ったところだ。
この感覚でまた『加熱』を試すと、素速く二つの『加熱』が発動した。
若干脇道に逸れた感のある検証になったが、元に戻して今度は鍋に『加熱』とカップに『冷却』を連続で使う。
問題なく発動する。
次に鍋に『冷却』、カップに『加熱』。
これも問題なく発動する。
ではリピート感覚で鍋に『加熱』、カップに『冷却』を発動させてみる。
両方『加熱』されてしまった。リピート感覚で発動するには全く同じ構成の魔法でなければならないらしかった。
そんな感覚のお陰かどうかは判らないが、ルキアスは閃いた。
(蒸気タンクの『加熱』と一緒に鉄製カバーを冷やしたらいいんじゃ……)
思い立ちはしたが、同時発動できるのだろうか。生活魔法には『傘』のように一度に一つしか発動できないものと、『ランプ』や『鏡』のように複数発動できるものがある。では『加熱』はと言うと、ルキアスは試した事が無い。今まで同時に二つ使うような生活はして来なかった。一つだけで何となく間に合っていたので可能性も探っていなかった。
故郷の母がどうだったかと回想する。ルキアスの母もルキアス同様に天職を持たないが、生活魔法は使える。その母が炊事の際にどうしていたか。
(母さんは『加熱』を二つ、三つ使ってたような……)
五人家族の食事の仕度となれば、鍋やフライパンの二つや三つを同時に使うこともあるものだ。ルキアスはそんな母の姿を後から幾度となく見たものだった。
(やってみるしかないよね)
朧気ながら母と言う先人が居る。まるで可能性が無い訳ではないだろう。
いずれにしても物は試しだ。鍋とカップに水を張り、まずは鍋の水を、続けてカップの水を『加熱』してみる。
すんなりと成功した。やはり元より料理に使うためか、『加熱』は複数を同時に使えるらしい。
続けて全く同時に『加熱』を発動させてみる。
これは失敗した。途中で魔法が分裂霧散する感触があった。
ここで疑問になるのが『鏡』や『ランプ』だ。同時に発動させている感覚だったのだが……。
改めて『鏡』を試してみれば、同時ではなく一枚ずつ発動していた。次の発動までの間隔が極めて短いだけだった。
(あれ? 魔法は一回しか使ってなかったと思ったのに……)
再度『鏡』をゆっくりと発動させてみる。
(ああっ! リピートしてたんだ)
半ば無意識にリピートして発動していた。敢えて言葉に直すなら「『鏡』み』み』み』」と言ったところだ。
この感覚でまた『加熱』を試すと、素速く二つの『加熱』が発動した。
若干脇道に逸れた感のある検証になったが、元に戻して今度は鍋に『加熱』とカップに『冷却』を連続で使う。
問題なく発動する。
次に鍋に『冷却』、カップに『加熱』。
これも問題なく発動する。
ではリピート感覚で鍋に『加熱』、カップに『冷却』を発動させてみる。
両方『加熱』されてしまった。リピート感覚で発動するには全く同じ構成の魔法でなければならないらしかった。
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