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311 怪我人
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翌日。ダンジョンタワー地下は浮き足立っていた。魔物大発生の影響が未だ残っている。
騒々しさは無料宿泊所にまで及んでいて、探索を休んでいたルキアスも落ち着けずにダンジョン入口近くのベンチでぼんやり人の流れを眺めるに至った。
探索を休みにしたのは予想外のダンジョン泊をしたためだ。疲れを残さないようにと昨日の別れしなに皆で決めていた。同時に探索を独りでする話もしたが、エリリースとシャルウィの意見で日を改めて話し合うことになっている。
ただ、休んだはいいが、ルキアスには趣味らしいものが無い。今は特に自作したい物も無い。暇を持て余してしまっている。
(受け身の練習でもしようかな……)
ルキアスは何もしないのも落ち着かず、この際だからとサボり気味だった基礎鍛練でもしようと考えた。
そして訓練所に行こうと立ち上がりかけた時だった。
「そこの兄ちゃん! もし暇があるなら手伝っちゃくれねぇか!?」
そんな声がしたので出所を追ってみると、探索者っぽい男に手招きされていた。
「ぼく?」
「そうだ」
ルキアスが自分の鼻を指差しながら問い掛けると、男は肯定した。
「えっと……、何を?」
「怪我人を運ぶのを手伝って欲しいんだ。怪我人の仲間が直ぐ近くまで背負って来てたんだが、そいつ自身が力尽きちまってな」
「そう言うことなら手伝うよ」
「ありがてぇ。こっちだ」
ルキアスが職員に付いて行くと、その途中で男がダンジョンタワーの職員を名乗った。探索者上がりらしい。
螺旋回廊を少し下った場所に男が一人立ち、その足下に探索者二人が寝かされていた。立っていた男は職員らしい。寝かされているのが要救護者で、内一人は怪我が酷く、担架に乗せられている。
怪我の酷い探索者をこれ以上背負って動かすのは状態の悪化を招き、担架で運べばもう一人を置いて行くことになる。だから運ぶ側にもう一人欲しかったと言う。
「兄ちゃんは担架の後を持ってくれ」
「うん」
ルキアスが配置に着き、担架を「せーの」で持ち上げる。もう一人の探索者はルキアスに頼みに来た職員が背負う。そのまま診療所まで運んだ。
診療所はかなり混んでいた。血の臭いと嗅ぎ慣れない刺激臭が不快な気持ちにさせる。診療所を利用した経験が無かったせいか、これが普通かルキアスには判らない。
「ここって、いつもこんな感じ?」
「今日は特別だ」
何でも魔物を殲滅しなかったことで、各階層の魔物の絶対数が多くなっているらしい。そんな中に誰かが捨て置いた魔物の骸から魔石や食肉を回収しようと入った探索者がかなり被害に遭っている。
これがもし魔物を殲滅できていたなら事後に魔物が多くなることも無く、怪我人も増えなかっただろうと言う話だった。
騒々しさは無料宿泊所にまで及んでいて、探索を休んでいたルキアスも落ち着けずにダンジョン入口近くのベンチでぼんやり人の流れを眺めるに至った。
探索を休みにしたのは予想外のダンジョン泊をしたためだ。疲れを残さないようにと昨日の別れしなに皆で決めていた。同時に探索を独りでする話もしたが、エリリースとシャルウィの意見で日を改めて話し合うことになっている。
ただ、休んだはいいが、ルキアスには趣味らしいものが無い。今は特に自作したい物も無い。暇を持て余してしまっている。
(受け身の練習でもしようかな……)
ルキアスは何もしないのも落ち着かず、この際だからとサボり気味だった基礎鍛練でもしようと考えた。
そして訓練所に行こうと立ち上がりかけた時だった。
「そこの兄ちゃん! もし暇があるなら手伝っちゃくれねぇか!?」
そんな声がしたので出所を追ってみると、探索者っぽい男に手招きされていた。
「ぼく?」
「そうだ」
ルキアスが自分の鼻を指差しながら問い掛けると、男は肯定した。
「えっと……、何を?」
「怪我人を運ぶのを手伝って欲しいんだ。怪我人の仲間が直ぐ近くまで背負って来てたんだが、そいつ自身が力尽きちまってな」
「そう言うことなら手伝うよ」
「ありがてぇ。こっちだ」
ルキアスが職員に付いて行くと、その途中で男がダンジョンタワーの職員を名乗った。探索者上がりらしい。
螺旋回廊を少し下った場所に男が一人立ち、その足下に探索者二人が寝かされていた。立っていた男は職員らしい。寝かされているのが要救護者で、内一人は怪我が酷く、担架に乗せられている。
怪我の酷い探索者をこれ以上背負って動かすのは状態の悪化を招き、担架で運べばもう一人を置いて行くことになる。だから運ぶ側にもう一人欲しかったと言う。
「兄ちゃんは担架の後を持ってくれ」
「うん」
ルキアスが配置に着き、担架を「せーの」で持ち上げる。もう一人の探索者はルキアスに頼みに来た職員が背負う。そのまま診療所まで運んだ。
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これがもし魔物を殲滅できていたなら事後に魔物が多くなることも無く、怪我人も増えなかっただろうと言う話だった。
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