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五幕 ルパートとの契約(2)
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「俺が騎士団寮に夜ごと別の女を連れ込んでいるとか、畏れ多くも王女に手を出したとか、そんなくだらない噂だよ。誓って事実じゃない。だがエリート騎士のゴシップは暇人達にとって美味しい刺激だったようで、当時は新聞に載るほどの騒ぎになったんだ。流石に不敬に当たるから王女の件は詳しく書かれず、貴婦人って表記だったが」
「新聞にまで……」
「俺の評判は地に落ちた。それでも、彼女と幼馴染みには俺を信じてもらいたかった。信じてくれると思っていたのに」
遠くを見るルパートの眼差しが険しくなった。
「彼女は信じてくれなかった。あろうことか俺の幼馴染みと寝ていたんだ。浮気した俺への当て付けだってさ」
「幼馴染みさんも……信じてくれなかったんですか?」
「アイツはもっと最悪。アイツは俺が潔白だって判っていた。それなのに出世した俺への嫉妬心を拗らせて、彼女を寝取ってやろうと画策したんだよ」
「酷い……。自分が出世できないのは先輩のせいじゃないのに」
これは素直ルパートに同情した。ルパートは自嘲の笑みを浮かべた。
「当時の俺の心境が正にソレ。俺のせいじゃないのにどうしろってんだ。怒りに任せて幼馴染みをボコボコにしたよ。それで揃って騎士団をクビになったんだ」
「マスターが言っていた不祥事って、そういうことだったんですね」
「マスターにはここまで詳しく話してないけどな。ただ問題起こしてクビになったとだけ伝えた」
「そんな。名誉を回復しなかったんですか?」
「ホント、どうでも良かったんだよ、当時の俺はさ……」
ルパートは私の方へ顔を向けた。久し振りに彼と目が合ってドキリとした。そして次の瞬間、ルパートは両腕を伸ばして隣に立つ私を抱き寄せた。
ムギュッと柔らかい肉がルパートの身体に押し付けられた。私の胸だった。
「ごめん!」
「!!!」
「そんな時におまえと出会ったんだ。俺はもう恋愛はコリゴリだって思っていて、だからおまえに対しても兄弟のように接していた」
おっぱい、私のおっぱいをルパートに当てちゃってるうぅぅ!?
「だからおまえに異性として好きだって告白された時、戸惑ってしまった」
戸惑ってるのはこっち──!! ……何この状態! 二つの胸の膨らみをルパートは感知してないの? リリアナみたいな巨乳じゃないけどさ、これでも女性の標準サイズは有るんだよ!?
それに顔、顔が近ーい!!!!
「ちょっとせんぱ、先輩! 離れて下さいよ、男女の適切な距離を保って!」
「駄目だ。このまま謝らせてくれ!」
ルパートはガッチリ私の身体を捕らえていた。やっぱり力が強いな。
「あなたは謝る度に相手に抱き付くんですか!!」
「真面目に謝った経験が少ないんだよ! 顔を見ながらだと照れるじゃねーか!」
「だったら後ろを向けえぇぇぇ!!!!」
私は右手で手刀を作り、ルパートの喉仏へ叩き込んだ。
「おぼごふっ!」
男性の二大急所の内の一つを強襲され、ルパートは咳き込みながら私から離れた。
「まったく……。事情は解りましたけどね、だからと言って女の身体に触れても良いことにはなりませんよ?」
「ゲホゲホ、……コハッ」
「あれですか、性的に意識していない私に告白されて、おまけに過去の恋愛トラウマも蘇っちゃって、それで気持ち悪くなってしまって六年前、私を拒絶したんですね?」
ルパートは涙目で頷いた。
「うん……。でも言い過ぎた。そこは本当に悪かったと思っている」
私は頭を左右に振った。
「あのですね、確かに傷付きましたけど、フラれたことに関しては怒っていません。勝手に私が好きになって、先輩の事情も考えずに気持ちを押し付けようとしたんですから」
「ウィー……」
「先輩が悪いのは、その後!」
私が声を荒げたのでルパートはビクッとなった。
「何でフッた相手にベタベタするんですか! どうしてフッた相手の男関係に口を挟むんですか! 私を支配しようとしているでしょう!?」
「そんな……つもりは無かった。女としては見られないけど、おまえのことが好きだから触れたかったし、護りたかったから男を遠ざけようとした」
好き。六年前に聞けていたら綺麗な思い出として初恋を終わらせていたな。女としては見られていないとしてもさ、恋した相手に好きだなんて言われたら嬉しかっただろうな。
「それはどうも。でも自分のことは自分で護れますから」
ルパートは溜め息を吐いた。
「おまえは自分が、男をどれだけムラムラさせるか解っていない」
「へっ!?」
急に何を言い出すの?
「俺はムラムラしないぞ? 他の男の話な。前にギルドに居たラディって野郎のことを覚えているか?」
「はい。ラディ先輩ですよね? 親切な人でしたが急に辞めちゃって残念でした」
「それ違うから。アイツ何度もおまえのシャワーを覗こうとしてクビになったんだよ。夜這いしようとしたことも有ったし。俺とセスの旦那とで現場を押さえたんだ」
「はいぃ!?」
たまげた事実を聞かされた。親切だと思っていたかつての先輩は性犯罪者だった。
「新聞にまで……」
「俺の評判は地に落ちた。それでも、彼女と幼馴染みには俺を信じてもらいたかった。信じてくれると思っていたのに」
遠くを見るルパートの眼差しが険しくなった。
「彼女は信じてくれなかった。あろうことか俺の幼馴染みと寝ていたんだ。浮気した俺への当て付けだってさ」
「幼馴染みさんも……信じてくれなかったんですか?」
「アイツはもっと最悪。アイツは俺が潔白だって判っていた。それなのに出世した俺への嫉妬心を拗らせて、彼女を寝取ってやろうと画策したんだよ」
「酷い……。自分が出世できないのは先輩のせいじゃないのに」
これは素直ルパートに同情した。ルパートは自嘲の笑みを浮かべた。
「当時の俺の心境が正にソレ。俺のせいじゃないのにどうしろってんだ。怒りに任せて幼馴染みをボコボコにしたよ。それで揃って騎士団をクビになったんだ」
「マスターが言っていた不祥事って、そういうことだったんですね」
「マスターにはここまで詳しく話してないけどな。ただ問題起こしてクビになったとだけ伝えた」
「そんな。名誉を回復しなかったんですか?」
「ホント、どうでも良かったんだよ、当時の俺はさ……」
ルパートは私の方へ顔を向けた。久し振りに彼と目が合ってドキリとした。そして次の瞬間、ルパートは両腕を伸ばして隣に立つ私を抱き寄せた。
ムギュッと柔らかい肉がルパートの身体に押し付けられた。私の胸だった。
「ごめん!」
「!!!」
「そんな時におまえと出会ったんだ。俺はもう恋愛はコリゴリだって思っていて、だからおまえに対しても兄弟のように接していた」
おっぱい、私のおっぱいをルパートに当てちゃってるうぅぅ!?
「だからおまえに異性として好きだって告白された時、戸惑ってしまった」
戸惑ってるのはこっち──!! ……何この状態! 二つの胸の膨らみをルパートは感知してないの? リリアナみたいな巨乳じゃないけどさ、これでも女性の標準サイズは有るんだよ!?
それに顔、顔が近ーい!!!!
「ちょっとせんぱ、先輩! 離れて下さいよ、男女の適切な距離を保って!」
「駄目だ。このまま謝らせてくれ!」
ルパートはガッチリ私の身体を捕らえていた。やっぱり力が強いな。
「あなたは謝る度に相手に抱き付くんですか!!」
「真面目に謝った経験が少ないんだよ! 顔を見ながらだと照れるじゃねーか!」
「だったら後ろを向けえぇぇぇ!!!!」
私は右手で手刀を作り、ルパートの喉仏へ叩き込んだ。
「おぼごふっ!」
男性の二大急所の内の一つを強襲され、ルパートは咳き込みながら私から離れた。
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ルパートは涙目で頷いた。
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「ウィー……」
「先輩が悪いのは、その後!」
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「それはどうも。でも自分のことは自分で護れますから」
ルパートは溜め息を吐いた。
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「へっ!?」
急に何を言い出すの?
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