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仮終章 こんな結末は認めない!!!!(1)
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嘆いて、後悔して、エリアスにしっかりと抱きしめられていたはずの私は、不思議な浮遊感を体験した。身体がふよふよと水の中を漂う感覚だ。
何だろうと瞼を開けた私の眼前には暗闇が広がっていた。
……え?
傍に居たエリアスは何処に? ルパートとキースの姿も見えない。
泣き過ぎて目がおかしくなってしまったのだろうか?
焦る私の耳に誰かの声が届いた。とうとうと、本を朗読しているかのような声だった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
マキアとエンの死を目の当たりにして満身創痍となった私は、自力で歩くこともままならなかった。そんな私を帰りの馬車が待つ場所まで背負ってくれたのはエリアスだった。
大剣をルパートに預けたエリアスの背中は広く、鎧越しだというのに温かかった。
出会った時は私が背負った彼。今は彼に背負われている私。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
……え、これは私のこと?
……私のこと、だよね。闇の中に独りで居るんじゃなくて、私は今エリアスに背負われているの?
それならちょっと待って。私もう少しマキアとエンの傍に居たい。
「エリアスさんお願い、引き返して」と、音にならない声を発した。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
帰りの馬車に揺られながら、私はただ窓の外を眺めていた。頭に風景の情報など入ってこなかったけれど。ただ、見ていただけだ。
怖かった。知った人間が急に居なくなったことに身体の震えが止まらなかった。
エリアスが握ってくれている手。そこから伝わる彼の体温に私は励まされた。思い返せば私が不安を感じた時、エリアスは敏感に察知していつも元気づけようとしてくれた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
いつの間にか馬車に乗せられてしまった!? 嫌嫌嫌嫌。マキアとエンの元へ私を戻して!
というより、私の周り真っ暗だよ? 景色なんて見えやしない。エリアスもルパートもキースも傍に居るの?
それとこのモノローグ風なナレーションは誰がしているの!?
私じゃないよ! 二人のことが悲しくてまだ混乱中だから、こんなに理路整然と語れないから!!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
冒険者ギルドへ私は戻ってきた。マキアとエンの殉職はルパートの口からギルドマスターへ報告された。
マスターは一言、「解った、お疲れさん。ひとっ風呂浴びてさっぱりしてこい。今日はもう休め」それだけ言って奥へ引っ込んでしまった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ねぇ、さっきから何で勝手に話が進んでいるの?
あと細かいこと言うようだけどマスターのあれ、一言じゃないよね?
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
翌日から私達は通常業務に戻った。レクセン支部の若い二人の死を受けて、冒険者ギルドはアンダー・ドラゴンから手を引くことになった。ギルドでは戦力不足だと判断されたのだ。
アンダー・ドラゴンの案件は完全に王国兵団へと移った。最初から王国兵団が主導で動いてくれていれば、マキアとエンは犠牲にならずに済んだのに……!
二人を助けられなかった後悔、そして仇を討てない苛立ちが私の心を圧迫した。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
……………………。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
やさぐれた私の癒しとなってくれたのはエリアスだった。
彼はアンダー・ドラゴンの一件以来、毎日のように冒険者ギルドへ私に会いに来てくれた。
優しく紳士的なエリアス。私はいつしか彼の来訪を待ち望むようになっていた。
デートらしきものも挟みながら二年、私達はゆっくりと距離を縮めていった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
…………二年!? 二年んん!?
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
膝を折ったエリアスにプロポーズされた時、私にはもう迷いが無かった。
この人と一緒なら身分差も乗り越えていける。この人の為ならどんな努力も厭わない。
共に生きよう。
そうして私はエリアスの婚約者となった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
噓おぉぉ!! 二年スキップしたかと思ったら今度は婚約!? 急展開過ぎて思考が付いていけない! どうなってんの!?
私のことのはずなのに全く実感が湧かない。まるで他人事だよ。
マキアとエンの死を予測した時のように、また知らないはずの未来を見ている状態なの?
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
婚約の報告をしにエリアスの故郷へ二人で向かった。
庶民の私がエリアスの親族に受け入れてもらえるか心配だったが、ご両親もお兄さんも歓迎してくれた。骨の有る女性が嫁いでくれるようで良かったと。「女子供に優しく」が家訓のモルガナン家だが、それはあくまで対外的なもの。勇者の一族にか弱い令嬢は不要なのだそうだ。
そして盛大に執り行われた結婚式。
ルパートとキースが遠路はるばる参列してくれて、私とエリアスを祝福してくれた。
視界の隅で魔王アルクナイトがお尻をクネらせていたが無視した。
指輪ではなく短剣を交換して、私はロックウィーナ・モルガナンとなったのだった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
けっ…………こん。私とエリアスが……。
彼のことはとても好きだ。でも結婚を決意するまでの情は育っていない。まだ憧れているレベルだ。
二年後に私は彼と結婚するの? マキアとエンのことが悲しい今の気持ちを忘れて?
何だろうと瞼を開けた私の眼前には暗闇が広がっていた。
……え?
傍に居たエリアスは何処に? ルパートとキースの姿も見えない。
泣き過ぎて目がおかしくなってしまったのだろうか?
焦る私の耳に誰かの声が届いた。とうとうと、本を朗読しているかのような声だった。
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マキアとエンの死を目の当たりにして満身創痍となった私は、自力で歩くこともままならなかった。そんな私を帰りの馬車が待つ場所まで背負ってくれたのはエリアスだった。
大剣をルパートに預けたエリアスの背中は広く、鎧越しだというのに温かかった。
出会った時は私が背負った彼。今は彼に背負われている私。
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……え、これは私のこと?
……私のこと、だよね。闇の中に独りで居るんじゃなくて、私は今エリアスに背負われているの?
それならちょっと待って。私もう少しマキアとエンの傍に居たい。
「エリアスさんお願い、引き返して」と、音にならない声を発した。
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帰りの馬車に揺られながら、私はただ窓の外を眺めていた。頭に風景の情報など入ってこなかったけれど。ただ、見ていただけだ。
怖かった。知った人間が急に居なくなったことに身体の震えが止まらなかった。
エリアスが握ってくれている手。そこから伝わる彼の体温に私は励まされた。思い返せば私が不安を感じた時、エリアスは敏感に察知していつも元気づけようとしてくれた。
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いつの間にか馬車に乗せられてしまった!? 嫌嫌嫌嫌。マキアとエンの元へ私を戻して!
というより、私の周り真っ暗だよ? 景色なんて見えやしない。エリアスもルパートもキースも傍に居るの?
それとこのモノローグ風なナレーションは誰がしているの!?
私じゃないよ! 二人のことが悲しくてまだ混乱中だから、こんなに理路整然と語れないから!!
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冒険者ギルドへ私は戻ってきた。マキアとエンの殉職はルパートの口からギルドマスターへ報告された。
マスターは一言、「解った、お疲れさん。ひとっ風呂浴びてさっぱりしてこい。今日はもう休め」それだけ言って奥へ引っ込んでしまった。
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ねぇ、さっきから何で勝手に話が進んでいるの?
あと細かいこと言うようだけどマスターのあれ、一言じゃないよね?
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翌日から私達は通常業務に戻った。レクセン支部の若い二人の死を受けて、冒険者ギルドはアンダー・ドラゴンから手を引くことになった。ギルドでは戦力不足だと判断されたのだ。
アンダー・ドラゴンの案件は完全に王国兵団へと移った。最初から王国兵団が主導で動いてくれていれば、マキアとエンは犠牲にならずに済んだのに……!
二人を助けられなかった後悔、そして仇を討てない苛立ちが私の心を圧迫した。
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やさぐれた私の癒しとなってくれたのはエリアスだった。
彼はアンダー・ドラゴンの一件以来、毎日のように冒険者ギルドへ私に会いに来てくれた。
優しく紳士的なエリアス。私はいつしか彼の来訪を待ち望むようになっていた。
デートらしきものも挟みながら二年、私達はゆっくりと距離を縮めていった。
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…………二年!? 二年んん!?
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膝を折ったエリアスにプロポーズされた時、私にはもう迷いが無かった。
この人と一緒なら身分差も乗り越えていける。この人の為ならどんな努力も厭わない。
共に生きよう。
そうして私はエリアスの婚約者となった。
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噓おぉぉ!! 二年スキップしたかと思ったら今度は婚約!? 急展開過ぎて思考が付いていけない! どうなってんの!?
私のことのはずなのに全く実感が湧かない。まるで他人事だよ。
マキアとエンの死を予測した時のように、また知らないはずの未来を見ている状態なの?
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婚約の報告をしにエリアスの故郷へ二人で向かった。
庶民の私がエリアスの親族に受け入れてもらえるか心配だったが、ご両親もお兄さんも歓迎してくれた。骨の有る女性が嫁いでくれるようで良かったと。「女子供に優しく」が家訓のモルガナン家だが、それはあくまで対外的なもの。勇者の一族にか弱い令嬢は不要なのだそうだ。
そして盛大に執り行われた結婚式。
ルパートとキースが遠路はるばる参列してくれて、私とエリアスを祝福してくれた。
視界の隅で魔王アルクナイトがお尻をクネらせていたが無視した。
指輪ではなく短剣を交換して、私はロックウィーナ・モルガナンとなったのだった。
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けっ…………こん。私とエリアスが……。
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