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仮終章 こんな結末は認めない!!!!(2)
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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
結婚してすぐにエリアスは爵位を受勲し子爵となった。自動的に私は子爵夫人となった。
ガラじゃないよね? でもそんなことは言っていられない。辺境伯である父親の手伝いをする為に留守がちな夫に代わり、私が国から賜った領地と領民を護らなければ。
猛勉強をしながら領地管理に奮闘する日々が始まった。
授かった四人の子供達の育児も加わり、忙しさと騒々しさで目が回りそうだったが、執事やメイド達の献身的な補佐のおかげで何とか乗り切った。
大変だけれど充実した日々。私は幸せだ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ふおぉ!!!! 私ってば将来四人も産むんだ、子だくさんだね!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
エリアスを背負ったあの日、私達の運命は決まっていたのかもしれない。
お互いに少し老けたが、エリアスは変わらぬ微笑みで私を見つめる。私も彼を見つめ返す。
この日々が永遠に続くことを、私は願わずにいられない。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
……………………。
……………………。
……………………。
ずっと続いていたナレーションが止まった。代わりにエリアスと私の結婚式を描いた一枚絵が暗闇に大きく表示された。finの文字と共に。
「……何コレ」
私はしばらくその絵を見ていたが、そのうちに腹が立ってきた。
「何なのよコレ、馬鹿にしてんの?」
これでは未来予測というより、まるで恋愛小説のエピローグ部分を読み聞かされたかのようだ。私の大切な人生なのに、ずいぶんと軽く扱われたような不快感が残った。
「ねぇ、あなたは誰よ?」
私は暗闇へ声をかけた。
「あなたのことよ。もっともらしくナレーションで私の心情を表現してくれた誰かさん」
そこに居る。そう確信して私は暗闇を睨みつけた。
「私の気持ちを勝手に代弁しないで。そもそも間違ってるから。たとえ二年という歳月が経過しても本当の私ならきっと、マキアとエンのことを引き摺り続けてる。私達を助ける為に自爆までした友達を忘れて、エリアスさんとの未来を前向きに考えることなんてできない」
涙が頬を伝う感触が有った。そうだ、この感情こそが真実。
別れの言葉すら言えなかった友達の死。そんな簡単に吹っ切れるものか。
『受け入れて』
暗闇から返答が有った。少しエコーがかかっているが、まだ若い女性の声に聞こえた。少女かもしれない。
『エリアスは優しいでしょ? 彼と結婚することであなたは幸せになれるのよ?』
「そうだね、エリアスはとても優しい。彼に不満なんて無いよ」
『だったら……』
「でも、この胸の痛みは消えない」
暗闇の声はしばし沈黙したが、再び同じ主張を繰り返した。
『エリアスと結ばれることが一番の幸せなのに』
「勝手に決めないで」
『エリアスじゃ駄目なの? 別の人が良いと言うの? キース? ルパート?』
「そういうことじゃない!」
私に怒鳴りつけられて、謎の声の主は怯《おび》えたようだ。
『怒らないで。あなたまで私に逆らうの?』
「……あなたまで? 他に誰が?」
『アルクナイトよ。彼のせいで私の世界は混乱し始めている』
魔王が?
「ねぇ、あなたは誰なの?」
『知らなくていい。ロックウィーナ、あなたは私の造った世界でエリアスと幸せに暮らすの。……私のことを思い出さないで』
造った世界? それに、「思い出さないで」?
私は以前にもある人物に同じことを言われていた。
「あなたは、夢で出会ったあの少女なの?」
『……余計なことは考えずに、エリアスを受け入れて』
「できない」
『どうして!』
「私の心の大半を占めているのが、マキアとエンが死んだ悲しみだから」
人の心はそんな単純なものではない。六年前にルパートにフラれたことを未だに吹っ切れていない私だ。マキアとエンのことは生涯忘れないだろう。
『あなたは何を望むの?』
「友達の救出よ。彼らが生きていた時間に戻りたい」
『過去を書き換えたら未来も変わるの。エリアスと結婚することができなくなるかもしれない。それでも?』
私は暗闇に浮かぶ絵を見据えた。寄り添って幸せそうに笑う二人。
「……それでも。私は友達を救いたい。それが叶うなら一生独身でもいい」
決意を現す為に私は大声で叫んだ。
「こんな未来は……、こんな結末は認めない!!!!」
その瞬間、絵がガラスのようにひび割れて粉々になった。そして眩しい光が私の目をくらませたのだ。
結婚してすぐにエリアスは爵位を受勲し子爵となった。自動的に私は子爵夫人となった。
ガラじゃないよね? でもそんなことは言っていられない。辺境伯である父親の手伝いをする為に留守がちな夫に代わり、私が国から賜った領地と領民を護らなければ。
猛勉強をしながら領地管理に奮闘する日々が始まった。
授かった四人の子供達の育児も加わり、忙しさと騒々しさで目が回りそうだったが、執事やメイド達の献身的な補佐のおかげで何とか乗り切った。
大変だけれど充実した日々。私は幸せだ。
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ふおぉ!!!! 私ってば将来四人も産むんだ、子だくさんだね!
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エリアスを背負ったあの日、私達の運命は決まっていたのかもしれない。
お互いに少し老けたが、エリアスは変わらぬ微笑みで私を見つめる。私も彼を見つめ返す。
この日々が永遠に続くことを、私は願わずにいられない。
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ずっと続いていたナレーションが止まった。代わりにエリアスと私の結婚式を描いた一枚絵が暗闇に大きく表示された。finの文字と共に。
「……何コレ」
私はしばらくその絵を見ていたが、そのうちに腹が立ってきた。
「何なのよコレ、馬鹿にしてんの?」
これでは未来予測というより、まるで恋愛小説のエピローグ部分を読み聞かされたかのようだ。私の大切な人生なのに、ずいぶんと軽く扱われたような不快感が残った。
「ねぇ、あなたは誰よ?」
私は暗闇へ声をかけた。
「あなたのことよ。もっともらしくナレーションで私の心情を表現してくれた誰かさん」
そこに居る。そう確信して私は暗闇を睨みつけた。
「私の気持ちを勝手に代弁しないで。そもそも間違ってるから。たとえ二年という歳月が経過しても本当の私ならきっと、マキアとエンのことを引き摺り続けてる。私達を助ける為に自爆までした友達を忘れて、エリアスさんとの未来を前向きに考えることなんてできない」
涙が頬を伝う感触が有った。そうだ、この感情こそが真実。
別れの言葉すら言えなかった友達の死。そんな簡単に吹っ切れるものか。
『受け入れて』
暗闇から返答が有った。少しエコーがかかっているが、まだ若い女性の声に聞こえた。少女かもしれない。
『エリアスは優しいでしょ? 彼と結婚することであなたは幸せになれるのよ?』
「そうだね、エリアスはとても優しい。彼に不満なんて無いよ」
『だったら……』
「でも、この胸の痛みは消えない」
暗闇の声はしばし沈黙したが、再び同じ主張を繰り返した。
『エリアスと結ばれることが一番の幸せなのに』
「勝手に決めないで」
『エリアスじゃ駄目なの? 別の人が良いと言うの? キース? ルパート?』
「そういうことじゃない!」
私に怒鳴りつけられて、謎の声の主は怯《おび》えたようだ。
『怒らないで。あなたまで私に逆らうの?』
「……あなたまで? 他に誰が?」
『アルクナイトよ。彼のせいで私の世界は混乱し始めている』
魔王が?
「ねぇ、あなたは誰なの?」
『知らなくていい。ロックウィーナ、あなたは私の造った世界でエリアスと幸せに暮らすの。……私のことを思い出さないで』
造った世界? それに、「思い出さないで」?
私は以前にもある人物に同じことを言われていた。
「あなたは、夢で出会ったあの少女なの?」
『……余計なことは考えずに、エリアスを受け入れて』
「できない」
『どうして!』
「私の心の大半を占めているのが、マキアとエンが死んだ悲しみだから」
人の心はそんな単純なものではない。六年前にルパートにフラれたことを未だに吹っ切れていない私だ。マキアとエンのことは生涯忘れないだろう。
『あなたは何を望むの?』
「友達の救出よ。彼らが生きていた時間に戻りたい」
『過去を書き換えたら未来も変わるの。エリアスと結婚することができなくなるかもしれない。それでも?』
私は暗闇に浮かぶ絵を見据えた。寄り添って幸せそうに笑う二人。
「……それでも。私は友達を救いたい。それが叶うなら一生独身でもいい」
決意を現す為に私は大声で叫んだ。
「こんな未来は……、こんな結末は認めない!!!!」
その瞬間、絵がガラスのようにひび割れて粉々になった。そして眩しい光が私の目をくらませたのだ。
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