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幕間 爽やかな朝は男達の戦場に(2)
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「そっか……そうだよな。おまえは簡単に身体を許すような女じゃないもんな」
ルパートは心底安堵したようだが、続いた言葉がよろしくなかった。
「純情な奴だからこそ、俺にプロポーズされたくらいで気絶しちゃったんだよな」
0.2秒の脊髄反射でエリアスが噛み付いた。
「待てルパート。プロポーズとはどういうことだ」
「あっ」
ルパートの馬~鹿~野~郎。また話がややこしくなるじゃないか。
「はぁ!? チャラ男、小娘に求婚したのか? どうしておまえが?」
「全くだ。何だその急展開は。おまえにとってロックウィーナは妹的な存在なのだろう?」
アルクナイトとエリアスの二人に詰め寄られたが、ルパートは怯まなかった。
「自分の気持ちに気づいたんだ。俺はウィーを男として愛している」
昨日の晩のように、ルパートは堂々としていた。
「仲良くなるにしてもエンディング近くからだろーが、勇み足をするなチャラ男! おまえはお父さんポジションに居ればいいんだ!!」
「勝手に役割を決めないで下さい」
「勝手なのは貴様だろう! ループの輪を十七周もした俺は知っているぞ? 貴様は自分を慕っていた小娘を、深く深く傷付けたそうじゃないか。その事実を無かったことにする気か!?」
意外にもアルクナイトが一番怒っていた。何故? ルパートは静かに言った。
「……無かったことにはできません。俺はそれだけのことをしました。どんな非難も受け入れます」
「チッ。開き直ったか、チャラ男め」
「違うな、ルパートは覚悟を決めたんだろう」
エリアスが間に入った。
「見てみろアル、今のルパートは迷いを捨てた男の目をしている」
「エリー? おまえは腹が立たないのか? チャラ男は小娘に酷い仕打ちをしておきながら、しれっと求愛してきたんだぞ?」
「腹は立っていたさ。昨日までのルパートにな」
愉快そうに笑ってエリアスは腕を組んだ。
「ルパートがロックウィーナに惚れているのは一目瞭然だった。それなのに自分の気持ちから逃げ回り、本心を欺いて彼女に関わろうとするルパートに苛ついていた」
エリアスはルパートの本心に気づいていたのか。キースも指摘していたし、男同士は言葉が無くてもそういう部分が通じるのかな。
「だが今は自分の想いに向き合ったようだな。それでいい。やっとおまえをライバルと認定して、本気で叩き潰せるというものだ」
「エリアスさん……」
ルパートが姿勢を正した。
「今の俺は男としてアンタに負けている。だが、いつの日か必ずアンタに勝ってみせる。ウィーの隣に並ぶのはこの俺だ」
「よく言った。私もおまえに負ける気は毛頭無い」
男達は不敵に笑い合った。どうしてだろう、互いに宣戦布告をしたというのに、仲が良くなったように見えるのは。そして当事者の私は置いてきぼりだった。
「しかしチャラ男、何故おまえは急に覚醒したんだ? 昨日までは自分の気持ちに蓋をしていたのだろう?」
「あ~……それ、僕のせいかもしれません……」
キースが遠慮がちに発言した。
「ルパートがグチグチグチグチ迷っていたので、ついカウンセリングらしきことをしてしまいました。その結果、ルパートは抑えていた気持ちを解放してしまったようです」
「眠れる獅子を起こしたのは貴様か、白……」
苦虫を噛み潰した表情となったアルクナイトに対して、ルパートは晴れ晴れとした明るい表情だった。
「感謝しているよキースさん。アンタが背中を押してくれたおかげで俺は素直になれた」
「今は余計なことをしてしまったという反省しか無いのですが……。すみません、ロックウィーナ。馬鹿が暴走しないように、ギルドに居る間はできる限り目を光らせておきますので」
「いっそのこと白、おまえも俺達のミッションに同行しろ。発情した二人の馬鹿の見張りを俺一人でやるのはしんどい」
「そうしたいところですが、ギルドは人手不足でして。一つのミッションにあまり多くの人材を割けないんです」
「あ、じゃあ私が抜けますよ」
弱い私が居なければ、エリアスとルパートはもっと難易度の高いミッションに挑めて、効率的にレベルアップできるだろう。私は私で別の仕事をしながら鍛えればいいんだ。
良いアイデアだと思ったのだが、
「駄目だ、おまえは俺の目の届く所に居ろ!」
「ロックウィーナが居なければ意味が無い、活力が湧かない!」
即座に却下された。我儘さん達め。
私とアルクナイト、キースは盛大な溜め息を吐いたのだった。
ルパートは心底安堵したようだが、続いた言葉がよろしくなかった。
「純情な奴だからこそ、俺にプロポーズされたくらいで気絶しちゃったんだよな」
0.2秒の脊髄反射でエリアスが噛み付いた。
「待てルパート。プロポーズとはどういうことだ」
「あっ」
ルパートの馬~鹿~野~郎。また話がややこしくなるじゃないか。
「はぁ!? チャラ男、小娘に求婚したのか? どうしておまえが?」
「全くだ。何だその急展開は。おまえにとってロックウィーナは妹的な存在なのだろう?」
アルクナイトとエリアスの二人に詰め寄られたが、ルパートは怯まなかった。
「自分の気持ちに気づいたんだ。俺はウィーを男として愛している」
昨日の晩のように、ルパートは堂々としていた。
「仲良くなるにしてもエンディング近くからだろーが、勇み足をするなチャラ男! おまえはお父さんポジションに居ればいいんだ!!」
「勝手に役割を決めないで下さい」
「勝手なのは貴様だろう! ループの輪を十七周もした俺は知っているぞ? 貴様は自分を慕っていた小娘を、深く深く傷付けたそうじゃないか。その事実を無かったことにする気か!?」
意外にもアルクナイトが一番怒っていた。何故? ルパートは静かに言った。
「……無かったことにはできません。俺はそれだけのことをしました。どんな非難も受け入れます」
「チッ。開き直ったか、チャラ男め」
「違うな、ルパートは覚悟を決めたんだろう」
エリアスが間に入った。
「見てみろアル、今のルパートは迷いを捨てた男の目をしている」
「エリー? おまえは腹が立たないのか? チャラ男は小娘に酷い仕打ちをしておきながら、しれっと求愛してきたんだぞ?」
「腹は立っていたさ。昨日までのルパートにな」
愉快そうに笑ってエリアスは腕を組んだ。
「ルパートがロックウィーナに惚れているのは一目瞭然だった。それなのに自分の気持ちから逃げ回り、本心を欺いて彼女に関わろうとするルパートに苛ついていた」
エリアスはルパートの本心に気づいていたのか。キースも指摘していたし、男同士は言葉が無くてもそういう部分が通じるのかな。
「だが今は自分の想いに向き合ったようだな。それでいい。やっとおまえをライバルと認定して、本気で叩き潰せるというものだ」
「エリアスさん……」
ルパートが姿勢を正した。
「今の俺は男としてアンタに負けている。だが、いつの日か必ずアンタに勝ってみせる。ウィーの隣に並ぶのはこの俺だ」
「よく言った。私もおまえに負ける気は毛頭無い」
男達は不敵に笑い合った。どうしてだろう、互いに宣戦布告をしたというのに、仲が良くなったように見えるのは。そして当事者の私は置いてきぼりだった。
「しかしチャラ男、何故おまえは急に覚醒したんだ? 昨日までは自分の気持ちに蓋をしていたのだろう?」
「あ~……それ、僕のせいかもしれません……」
キースが遠慮がちに発言した。
「ルパートがグチグチグチグチ迷っていたので、ついカウンセリングらしきことをしてしまいました。その結果、ルパートは抑えていた気持ちを解放してしまったようです」
「眠れる獅子を起こしたのは貴様か、白……」
苦虫を噛み潰した表情となったアルクナイトに対して、ルパートは晴れ晴れとした明るい表情だった。
「感謝しているよキースさん。アンタが背中を押してくれたおかげで俺は素直になれた」
「今は余計なことをしてしまったという反省しか無いのですが……。すみません、ロックウィーナ。馬鹿が暴走しないように、ギルドに居る間はできる限り目を光らせておきますので」
「いっそのこと白、おまえも俺達のミッションに同行しろ。発情した二人の馬鹿の見張りを俺一人でやるのはしんどい」
「そうしたいところですが、ギルドは人手不足でして。一つのミッションにあまり多くの人材を割けないんです」
「あ、じゃあ私が抜けますよ」
弱い私が居なければ、エリアスとルパートはもっと難易度の高いミッションに挑めて、効率的にレベルアップできるだろう。私は私で別の仕事をしながら鍛えればいいんだ。
良いアイデアだと思ったのだが、
「駄目だ、おまえは俺の目の届く所に居ろ!」
「ロックウィーナが居なければ意味が無い、活力が湧かない!」
即座に却下された。我儘さん達め。
私とアルクナイト、キースは盛大な溜め息を吐いたのだった。
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