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野郎達の挽歌 ~男達目線~(1)
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アルクナイトはエリアスの腕の中でジタバタ暴れていたが、流石は魔王と言うべきか、精神力が強かったようで2分間で平常に立ち戻った。
「ふぅっ……、白、あの野郎……」
憎々し気に呟いた後、アルクナイトは周囲の男達に八つ当たりをした。
「おまえ達は雁首揃えて何をしていた! みすみす小娘を白に拉致されるとは情けないぞ!」
「魅了されて悶絶していた人の言うことじゃない……」
「うるさいわ忍者! クール属性のキャラならこういう時に活躍せんか!」
「理不尽」
「責任の擦り付けしてないで、すぐに俺達も後を追わないと」
ルパートが心配そうに、キースとロックウィーナが去っていった方向を見やった。
「キース殿はアルと違って冷静そうに見えるぞ? そうそうロックウィーナに手を出したりしないんじゃないか?」
「俺はアンタのこともそう思っていたよエリアスさん? でもグイグイ距離を詰めているよな?」
「う」
「好きな女と密室で二人きりになって、指一本触れない自信は有るかい? ハッキリ言うが俺には無いぞ」
ルパートに指摘されたエリアスもカウンター奥へ視線を送った。
「よし、二人を追うぞ」
そうと決まったら行動は早かった。男達はカウンターを抜けて、冒険者ギルドの居住スペースへ進入した。
「二人は何処に?」
「たぶんどっちかの部屋」
「忍者とワンコも付いてくるのか?」
一緒に行動していたエンとマキアにアルクナイトが聞いた。
「はい。キースさんの生まれ持った魅了の力と、ロックウィーナの経験で培った魅了、どちらが勝るか興味が有るので」
「俺も……てか、ワンコって俺のことですか!?」
「懐きやすくて犬みたいじゃないかおまえ」
「そ、そんな……。犬ぅ~?」
「気にするな。ちょっとは可愛いとも思っているから」
「男が男に可愛いって言われても嬉しくないですよ……」
「シッ、話し声がする!」
階段を昇った独身寮の二階廊下、キースの部屋から途切れ途切れに男女の話し声が漏れ聞こえた。男達は小声でヒソヒソ囁き合った。
「白の部屋へ行ったようだな」
「茶菓子で釣ったな。俺にはウィーを部屋に連れ込まないよう、散々釘を刺したくせによ」
「しかし場所が判ったところでどうする? 邪魔をしに行ったところで、キース殿の魅了に返り討ちにされるのがオチだぞ?」
アルクナイトが人差し指を立ててチッチッチッと揺らした。
「エリー、世界でどんな疫病が流行ろうと、数パーセントの人間は生き残ると言われている。生まれつきその病原体に耐性を持っているそうだ」
「それが……?」
「精神に影響を及ぼす魔法に関しても同じことが言える。かかりにくい相手というものは確かに存在する。白の魅了の瞳は、自動発動する精神魔法みたいなものだ」
「なるほど、魅了に生まれつきの耐性を持つ人間が居るってことですね! 魔王様は物知りですね!」
「アルと呼べワンコ。俺が物知りなのは当然だ。人間として生活していた頃は賢者と称されていたからな」
アルクナイト以外の皆が意外そうな顔をした。エリアスですら知らない事実だった。
「人間として……? アル、おまえは魔族ではなかったのか?」
「れっきとした人間だ。魔力の循環のおかげで長生きさんだけどな」
「だが、人間のことを見下していたじゃないか。だからてっきり……」
「……人類に絶望した時期が有ったんだよ。その時の名残りだな」
「アル……?」
「あーもう、デカイ図体をしてしんみりするな馬鹿エリー。忍者とワンコ、白の部屋に突撃しろ」
急に指名された二人は目を丸くした。
「俺達ですか!? 何で!?」
「声を潜めろワンコ。おまえ達がさっき教えた、魅了に耐性を持つ数パーセントの人間かもしれんのだ」
「違ってたら? 俺達も魅了されて痴態を曝す羽目になりますよね?」
「若者が結果を恐れるな。おまえは困難に負けず数多の任務をこなしてきた、勇敢なる忍びの男だろうが!」
二人は渋ったが、エリアスとルパートに頭を下げられた。
「頼む、茶会に参加する振りをしてキース殿を止めてくれ」
「最後まではいかないと思うけど、放っておいたらウィーはキスぐらいされるかもしれない」
「キースだけに」
「ふぅっ……、白、あの野郎……」
憎々し気に呟いた後、アルクナイトは周囲の男達に八つ当たりをした。
「おまえ達は雁首揃えて何をしていた! みすみす小娘を白に拉致されるとは情けないぞ!」
「魅了されて悶絶していた人の言うことじゃない……」
「うるさいわ忍者! クール属性のキャラならこういう時に活躍せんか!」
「理不尽」
「責任の擦り付けしてないで、すぐに俺達も後を追わないと」
ルパートが心配そうに、キースとロックウィーナが去っていった方向を見やった。
「キース殿はアルと違って冷静そうに見えるぞ? そうそうロックウィーナに手を出したりしないんじゃないか?」
「俺はアンタのこともそう思っていたよエリアスさん? でもグイグイ距離を詰めているよな?」
「う」
「好きな女と密室で二人きりになって、指一本触れない自信は有るかい? ハッキリ言うが俺には無いぞ」
ルパートに指摘されたエリアスもカウンター奥へ視線を送った。
「よし、二人を追うぞ」
そうと決まったら行動は早かった。男達はカウンターを抜けて、冒険者ギルドの居住スペースへ進入した。
「二人は何処に?」
「たぶんどっちかの部屋」
「忍者とワンコも付いてくるのか?」
一緒に行動していたエンとマキアにアルクナイトが聞いた。
「はい。キースさんの生まれ持った魅了の力と、ロックウィーナの経験で培った魅了、どちらが勝るか興味が有るので」
「俺も……てか、ワンコって俺のことですか!?」
「懐きやすくて犬みたいじゃないかおまえ」
「そ、そんな……。犬ぅ~?」
「気にするな。ちょっとは可愛いとも思っているから」
「男が男に可愛いって言われても嬉しくないですよ……」
「シッ、話し声がする!」
階段を昇った独身寮の二階廊下、キースの部屋から途切れ途切れに男女の話し声が漏れ聞こえた。男達は小声でヒソヒソ囁き合った。
「白の部屋へ行ったようだな」
「茶菓子で釣ったな。俺にはウィーを部屋に連れ込まないよう、散々釘を刺したくせによ」
「しかし場所が判ったところでどうする? 邪魔をしに行ったところで、キース殿の魅了に返り討ちにされるのがオチだぞ?」
アルクナイトが人差し指を立ててチッチッチッと揺らした。
「エリー、世界でどんな疫病が流行ろうと、数パーセントの人間は生き残ると言われている。生まれつきその病原体に耐性を持っているそうだ」
「それが……?」
「精神に影響を及ぼす魔法に関しても同じことが言える。かかりにくい相手というものは確かに存在する。白の魅了の瞳は、自動発動する精神魔法みたいなものだ」
「なるほど、魅了に生まれつきの耐性を持つ人間が居るってことですね! 魔王様は物知りですね!」
「アルと呼べワンコ。俺が物知りなのは当然だ。人間として生活していた頃は賢者と称されていたからな」
アルクナイト以外の皆が意外そうな顔をした。エリアスですら知らない事実だった。
「人間として……? アル、おまえは魔族ではなかったのか?」
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「だが、人間のことを見下していたじゃないか。だからてっきり……」
「……人類に絶望した時期が有ったんだよ。その時の名残りだな」
「アル……?」
「あーもう、デカイ図体をしてしんみりするな馬鹿エリー。忍者とワンコ、白の部屋に突撃しろ」
急に指名された二人は目を丸くした。
「俺達ですか!? 何で!?」
「声を潜めろワンコ。おまえ達がさっき教えた、魅了に耐性を持つ数パーセントの人間かもしれんのだ」
「違ってたら? 俺達も魅了されて痴態を曝す羽目になりますよね?」
「若者が結果を恐れるな。おまえは困難に負けず数多の任務をこなしてきた、勇敢なる忍びの男だろうが!」
二人は渋ったが、エリアスとルパートに頭を下げられた。
「頼む、茶会に参加する振りをしてキース殿を止めてくれ」
「最後まではいかないと思うけど、放っておいたらウィーはキスぐらいされるかもしれない」
「キースだけに」
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