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野郎達の挽歌 ~ロックウィーナ目線~(1)
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お茶にしましょうとキースの部屋に招かれた。
夜に異性の部屋へ行ってはいけないとキース自身から注意を受けていたが、現在の時刻は16時10分。まだ夕飯も済ませていない日暮れ前だ。大丈夫だよね? だからキースも誘ったのだろうし。
それに落ち着いた所でもう少しキースとお話ししたかった。
出動先で「愛している」と言われて、その言葉の衝撃に前後不覚となってしまった私。
毎回そうだ。情けない。相手が真剣に向き合ってくれているというのに、私は動揺してしまったと、それを言い訳にして明確な答えから逃げている。
これでは駄目だ。
「どうぞ。ミルクティーにしました。熱いから気をつけて」
「あ、ありがとうございます……」
イスに座る私はキースからティーカップを受け取って、息を吹きかけて冷ました最初の一口を含んだ。ミルクの優しい口当たりとほのかな甘さが身体に染み渡る。
穏やかに微笑むキース。彼は私をリラックスさせようとしてくれているんだろう。優しい人。だからこそ曖昧な態度を取ってはいけないんだ。
私はテーブルにカップを置いて、キースと正面から向き合った。そして言った。
「ごめんなさい」
否定の言葉は受ける側も伝える側もつらい。
「キース先輩のことはとても素敵な男性だと思います。ぶっちゃけると、先輩みたいな人とゆっくり恋ができたら素敵だろ~な~的な妄想もしていました」
あ、「妄想」じゃなくて「想像」って言えば良かった! 口に出した言葉はもう戻ってこない(泣)。
「でも、私にとって先輩は優しいお兄ちゃんなんです」
キースは表情を変えない。
「だから、恋人関係にはなれないです。ごめんなさい……」
私は頭を下げた。好意を抱いてくれたことには本当に嬉しくて感謝しているが、彼を兄と慕う私は気持ちに応えられない。
「顔を上げて、ロックウィーナ。キミが謝ることはありません」
私は言われた通り顔を上げた。申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
キースは私をずっと好きだったと言った。気持ちに蓋をして誤魔化していたそうだ。私はそんな彼の様子にまるで気づかずに、無神経に甘えて頼りにもしていた。……傷付けてしまっていただろう。
「ふふ、キミは解りやすいな。僕を傷付けたんじゃないかと怖がってない?」
キースはくだけた口調で図星を指した。
「お兄ちゃんだと思うのは仕方が無いよな。僕がそう接してきたんだから。キミに恋をすることが怖かった。でもキミと関わっていたくて、兄と言うポジションに収まっていたんだ。ルパートと一緒。……だからキミのせいじゃないんだ」
「でも……、私いろいろと図々しかったです」
「いいんだよ。僕がキミに甘えて欲しかったんだから」
キースはイスごとずれて私のすぐ隣へ来た。
「ロックウィーナ、そんなに早く答えを出さないでくれ。それとも1パーセントの可能性も無いくらい、僕には男としての魅力が無い?」
そんなことは決して無い、キースは素敵だ! 私は思わず力いっぱい頭を左右に振ってしまった。キースに「ぷ」と軽く笑われてしまった。
「ならさ、もう少し時間をかけて僕を見てよ」
「で、でも、私はエリアスさんにルパート先輩、アルにまでプロポーズらしきものをされているんです。ハッキリしない態度で複数の男の人をキープするなんて、まんまビッチちゃんじゃないですか」
また「ぷ」と笑われた。
「じゃあ彼らにもお断りを入れるの?」
「はい。今みたいに落ち着いて話せる時に」
「それじゃあ全員を振ってしまうことになるよね? いいの?」
「うう……」
こんなモテ期はもう二度と来ないだろう。
「本音を言うと凄く勿体無いと思います! たぶん後で激しく後悔すると思います!」
「ぶはっ」
今度は確実に噴き出して笑われた。
「だったら開き直りなよ」
「でも……煮え切らない態度でいるのは卑怯です。ズルイです。迷って答えが出せないのなら、相手を解放するべきだと思うんです」
相手の恋心を知っていながら、付かず離れずの距離を取るのは残酷な行為だ。かつてルパートにやられて私は苦しんだ。あれをキースや他の人にやりたくない。ルパートにも。
夜に異性の部屋へ行ってはいけないとキース自身から注意を受けていたが、現在の時刻は16時10分。まだ夕飯も済ませていない日暮れ前だ。大丈夫だよね? だからキースも誘ったのだろうし。
それに落ち着いた所でもう少しキースとお話ししたかった。
出動先で「愛している」と言われて、その言葉の衝撃に前後不覚となってしまった私。
毎回そうだ。情けない。相手が真剣に向き合ってくれているというのに、私は動揺してしまったと、それを言い訳にして明確な答えから逃げている。
これでは駄目だ。
「どうぞ。ミルクティーにしました。熱いから気をつけて」
「あ、ありがとうございます……」
イスに座る私はキースからティーカップを受け取って、息を吹きかけて冷ました最初の一口を含んだ。ミルクの優しい口当たりとほのかな甘さが身体に染み渡る。
穏やかに微笑むキース。彼は私をリラックスさせようとしてくれているんだろう。優しい人。だからこそ曖昧な態度を取ってはいけないんだ。
私はテーブルにカップを置いて、キースと正面から向き合った。そして言った。
「ごめんなさい」
否定の言葉は受ける側も伝える側もつらい。
「キース先輩のことはとても素敵な男性だと思います。ぶっちゃけると、先輩みたいな人とゆっくり恋ができたら素敵だろ~な~的な妄想もしていました」
あ、「妄想」じゃなくて「想像」って言えば良かった! 口に出した言葉はもう戻ってこない(泣)。
「でも、私にとって先輩は優しいお兄ちゃんなんです」
キースは表情を変えない。
「だから、恋人関係にはなれないです。ごめんなさい……」
私は頭を下げた。好意を抱いてくれたことには本当に嬉しくて感謝しているが、彼を兄と慕う私は気持ちに応えられない。
「顔を上げて、ロックウィーナ。キミが謝ることはありません」
私は言われた通り顔を上げた。申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
キースは私をずっと好きだったと言った。気持ちに蓋をして誤魔化していたそうだ。私はそんな彼の様子にまるで気づかずに、無神経に甘えて頼りにもしていた。……傷付けてしまっていただろう。
「ふふ、キミは解りやすいな。僕を傷付けたんじゃないかと怖がってない?」
キースはくだけた口調で図星を指した。
「お兄ちゃんだと思うのは仕方が無いよな。僕がそう接してきたんだから。キミに恋をすることが怖かった。でもキミと関わっていたくて、兄と言うポジションに収まっていたんだ。ルパートと一緒。……だからキミのせいじゃないんだ」
「でも……、私いろいろと図々しかったです」
「いいんだよ。僕がキミに甘えて欲しかったんだから」
キースはイスごとずれて私のすぐ隣へ来た。
「ロックウィーナ、そんなに早く答えを出さないでくれ。それとも1パーセントの可能性も無いくらい、僕には男としての魅力が無い?」
そんなことは決して無い、キースは素敵だ! 私は思わず力いっぱい頭を左右に振ってしまった。キースに「ぷ」と軽く笑われてしまった。
「ならさ、もう少し時間をかけて僕を見てよ」
「で、でも、私はエリアスさんにルパート先輩、アルにまでプロポーズらしきものをされているんです。ハッキリしない態度で複数の男の人をキープするなんて、まんまビッチちゃんじゃないですか」
また「ぷ」と笑われた。
「じゃあ彼らにもお断りを入れるの?」
「はい。今みたいに落ち着いて話せる時に」
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「うう……」
こんなモテ期はもう二度と来ないだろう。
「本音を言うと凄く勿体無いと思います! たぶん後で激しく後悔すると思います!」
「ぶはっ」
今度は確実に噴き出して笑われた。
「だったら開き直りなよ」
「でも……煮え切らない態度でいるのは卑怯です。ズルイです。迷って答えが出せないのなら、相手を解放するべきだと思うんです」
相手の恋心を知っていながら、付かず離れずの距離を取るのは残酷な行為だ。かつてルパートにやられて私は苦しんだ。あれをキースや他の人にやりたくない。ルパートにも。
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