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23の扉 新世紀
使い分け
しおりを挟む燦々と照りつける太陽を眺めながら
黙々と 熱々の石畳を 歩く。
ラピスは 相変わらずいいお天気だけれど近頃太陽の動きが活発で。
ジリジリと照らされる脳天は 暑いけれど
「それもまた光合成」と思える意思は健在で
「より強いチカラを送っている星々」の意図をも ふと思う。
「 うん。」
あれから 「私の動き」は「止まっている」とも言えるけれど
「器に有らば」「調」、「不調」の波は あるものだし。
「きちんと自分の中にいると意識しているから」、
それは
「停滞」ではなく「意図的な停止」であり
実際私は「自分が何処を視ているのか」
わかっているだけで いい。
だから 今日も今日とて「日常」を有効に使い、
「新しい目的」の為に こうして歩いているのだ。
「 てか、「止まってる」って言っても。 こうして実際歩いていると なんだか説得力ないけどね。」
一番先に観えた、白い壁の家に辿り着くと
日差しの下に少し 休ませて貰って。
「ラピスまで出向き 歩いている自分」と
「じっと世界を眺めている自分」、
その両方を同時に視て 「現在地」をきちんと確認する。
「 ふぅ 暑 」
そう、
実際「何が違うのか」を端的に 言えば。
それは「すべての言葉の意味」であるからして
即ち「この世を区切り区別しているものの境界が変わる」、
そういう「こと」だ。
そして 実際「これまで」とは 私の位置が逆転しているから。
「私にとっての行動」とは
「実際に動いて何処かへ移動していた地点」から
「根源に在り そこから矢印の先を追って行くこと」へ変化していて
だからこそ
観えてきている景色が如実に変化していて
その「露骨さ」が 中々に面白い。
「 ま、それもまた うん、追々。 てか、早いとこ館に辿り着かないとまずい。」
正直 寒さより暑さの方が苦手である。
だから ほうっと大きく熱い息を吐くと
日陰の空気を大きく吸って。
次の「大きな日陰」目指して 再びテクテクと歩いて行った。
「わざわざ来て貰ってありがとう。暑かったわよね、大丈夫だった?」
「 はい。 最近ですか?こんなに暑いのって。」
「………そうねぇ、少し前からかしら。これまでは大きく気候が変わる事は無かったけれど。これからは分からない、という事なんでしょうね。」
「 ふむ。」
目的の 青の館へ到着すると。
早速 久しぶりのソフィアに迎えられ、大きなホールを抜けて応接室への階段を ゆっくりと上っていく。
勿論、ソフィアとも久しぶりだけれど
この青の館とも久しぶりの私は「自分の中にあるあの頃の景色」、
それがくるくると廻るのを許し みんなと共に 応接室へと入ってゆく。
ふむ。
「なんか不思議」だけど
やっぱり「面白い」 。
そして「その視点」を楽しみながら。
示されたビロードの長椅子に座ると、部屋にはメイドであろう女性が一人茶器を運んできたから。
そのまま大人しく支度の様子を眺め
ついでに「いろんな色」も 眺めていたんだ。
応接室の長テーブルには 勿論お茶だけではなく
「美味しそうなお菓子」も用意されている。
その「見慣れたレモンイエローの包み紙」を見てニヤリとした私の反応に ホッとした様に息を吐いた彼女は
多少なりとも「久しぶりのヨルの訪問」に
緊張していたのかも 知れない。
「………それで。イストリアとも相談してるけれど、一応あなたにも確認しておかないとと思って。…ええ、こちらに任せてくれるのは良いけれど、ちゃんと把握だけはしておいてね?」
「 はい。 うん、いや ご馳走様です。」
そして早速
「久しぶりのイオスのお菓子」を頬張ったのは
言うまでも ない。
「相変わらずねぇ。ここ、付いてるわよ。時が経つのは早いものだと、思っていたけど。貴女は変わらずで安心したわ。」
「 てか、ソフィアさんこそ完全に年齢不詳ですよ。 ふぅむ?」
確か
ソフィアはあの時三十代の筈?
いや
どうだったっけ かな ?
青い館の応接室、その「懐かしの長椅子」は相変わらず健在で
「あの時 すべすべと撫でて楽しんでいた私」は「今の私」と同居しているから。
優雅に(いやきっと優雅な筈)、
お茶をしながら話を聞いていると
どうしても「どうでもいい方向」へ舵を切る私がいて、
それを嗜めながらも結局「静かに茶器を吟味する自分」も同時に 眺める。
そう、今日は久しぶりの「青の館」にて。
「ソフィアに呼び出された目的」を果たす為にこうして座っているのだけど
「豪奢な職人仕事」をあちこちに発見する「目」は忙しく、
しかしそれは「私の新しい視界の練習」にも 丁度良くて。
「 そうですよね、うん。」
なんて言いながらも
目的をきちんと果たすために、一旦視界を切り替え
「物」でなく「いろ」に自分を集中させる。
そう、まだ新しい視界に慣れていない私は
「暫くの練習期間」を経て「意識せずにそれをやれる様になる」し
「この呼び出し」も
「黒の廊下とは趣が異なるの調度品達」も
「久しぶりのソフィア」も
それを練習するにはとても良い「対象」なので ある。
「……本当に。相変わらず。」
そんな私を見ながら もう一度そう呟いて、
コロコロと笑う青い瞳は 変わらず宝石の様に 美しくて。
「青」そう、「青の少女像」って
この人にも似てるよね??
そんな事を思っている私なぞ つゆ知らず。
彼女は手際良く
目の前の書類を サクサクと整理してゆくのであった。
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