透明の「扉」を開けて

美黎

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23の扉 新世紀

新しい景色

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 あれからは 基本的に
  「なにも考えない」様にしているし
 
  「ごちゃごちゃしてきても」、すぐにポイしているけれど。

 
そもそも「浮かべない」というのは
 「まだ自然ではない」からして
 今は
それが自然になる様、丁度いい加減で 自分に課している「ところ期間」だ。

 そしてただ丁寧に「日々の自分」を 生きる。


「   ふむ 。」

 そうして そんな生活を静かに続けていると。

 新しく 視えてきたのは
 「なに」、という事柄ではなくて
 「これまでの自分の在り方」、
  即ち「私もヒロインであったこと事実」だった。


 「もっとこうしたらいいのに」とか
 「どうしてこうしないんだろう」
  「なんで そうするの?」
  「そうすれば ダメになるのに」とか。

 私が 「疑問に感じていた全部」は
  「そもそも何故疑問だったのか」と いうと
 「自分がにより侵されると思っていたから」である。

 だから
 「そこから離れてきちんと観たならば」、
  「それすべては私に関係がない害をなさないし」
  「私達は別の世界を生きていて」
  「そもそも"侵さず侵されぬ関係である"ことが わかる」。

そう、
そもそも「~されると思っている時点で」、
 私は悲劇のヒロインなのだ。


「    ふむ 」

 これは 少し難しくて
     こんがらがる事象だけれど

  歴然とした真実、真理であり
 「私は 主として自分の世界を持っているし」
 「それが 自分を傷付けることはない」。

  何度も 何度も確かめて、
  また行きつ戻りつしていたこの真理だけれど
 それは今 私の前で燦然と輝き世界を照らしていて。

  なにを していても「そのいろ」に世界が染まり、
  「これまでと違った景色」が 視えるんだ
   普通に。


「  先ずは。 この、「自分の中にまだある矛盾」を 融かしてからだね。」

 そう、「なにをしていても」、湧いてくる「この矛盾」は
「これまで」と「これから」のの間にある溝であり
それをまた超えれば「新しいところ」へ行き着く。

 だから先ずは「それ」を捉えたならば
 きちんと意識して それを超えられる様に。

「それに最適な場所」、造船所へ向けて
 軽やかに歩いて 行った。







  今日も通常運転の造船所は
 毎日子供達の元気な声が響き渡る、とてもいい「場」である。

 だがしかし「元気がいい」というのは「複数の純粋なエネルギーがぶつかり合う」ということでもあって、
勿論ただ「あらあら元気ね」、と済ませられることだけ 起きるわけではない。


  小さないざこざ、喧嘩は日常茶飯事
 
だけど、この 中で。

 私は「自分の矛盾」を一番感じられるし、
 「自分が言っているのか発しているのか」、
  視えるから とても勉強になるんだ。

 
「   それで、どうしてこうなったの?いつものパターン?」

「そう、ケイルが多分最初にやりたかったんみたいなんだけど、ミオが始めにもう持ってたんだよ。だからミオは悪くないんだけど、ケイルが拗ねて打ったんだ。」

「   ふむ。」

そう、こんな「小さな絡れ」は よくあることのひとつである。

 だから 「以前の私」は
  事前に作業予定を決めておいたりして
  「その状況を作らない様に」、画策していた。

 だけど 勿論それだけで小さな摩擦が防げる訳ではなく、「なにもしないよりはマシ」
 そんな程度である。

だからその度に、「何らかの言葉」を 自分なりに、子供達に言っていたのだけど。

 「その 言葉」が最近酷く異音に聞こえて、
話している途中の自分が、バグるのである。


「   ね、いつも言ってるよね?いいんだよ、「僕もやりたい」って言えば。 だけど言えなくて叩いちゃうとか、それじゃダメだよね?」

 そう話しかけても、ケイルは黙りだ。

それに、観ているとわかるけれど。

 「彼の中にある葛藤」は
  「まだ本人が意識できるもの」ではなく
  「ただのモヤモヤ」として存在していて、
 だからこそ「それ」が言葉にならないから、「行動で示している」に過ぎない。

 だけど 「それが良いか悪いか」、そうなると
 途端に「暴力は悪」、そうなる。

そしてそれを、「わかってもらおう」と思うと
 どうしたって「彼が悪い」、若しくは「良くない」という表現になってしまうし
「まだ理解できていないのに謝らせる」という「行為」になる。

 
  そう、「このままでも良くはない」けれど
  「そうも」、良くはないのだ。


そして、ここまで数秒でスペースがくるくると切り替わると
 とりあえずは自分を落ち着かせて彼の目をじっと見る。

「   うん。 わかってるんだよね。 でもね、それなら「ことば」にできると、もっといいんだ。 それなら、ケイルもミオも、二人の意見を擦り合わせられるでしょ? 今日はミオなら次はケイルにできるじゃん。 その方が、気持ちよくない?」

「…………ふんっ。」

「 オッケー、とりあえずこの話はこれでおしまい。 でも、次からはやってみよう。 気まずいのは嫌でしょ? 今日叩かれたこと、明日ミオは忘れてるかもしれないけど、「なかったこと」にはならないんだよ。 だからケイルはそれをチャレンジする必要がある。 いつからやるかは自分次第だけど。 大丈夫。怖くないよ。 「世界」は、じゃない。」

「……………うん。」


 「わかった」、とまでは言わないけれど。

実際 「私ができる」のは、ここまでで
 それ以上は彼の領分であり
はただそれを見守る役目だ。

 そして
 「そう思っている私のなか」でもいろんな思惑が渦巻くけれど
 それは全部 杞憂だ。

 「ケイルがみんなから嫌われちゃったら」とか
 「自分のやりたいことを通すには我慢がいる」とか
 「年下の子には思いやりが必要」とか
 なんやかんや、勿論「思うこと」は色々あれど
  それもこれも「真ん中」できちんと視たならば
 「必要ない」し
 「そうは成らない」。

 その、「成るまでの過程」で 一時その時期は来るかもしれないけど
 結局「世界は調和の方向へ向かっている」し
  が そうするエネルギーを使うからだ。


     そう だよね 。
              うん。


 本来、私達は 皆
 「自分達のやりたいことをやって上手く廻る様にできている」し
 「その個々が生み出したもので 世界は美しく廻る」。

 
  そう、ここからの私のなかせかいでは
 「自分のもの」、
 「生み出したものに執着する」ということがないから
  「すべてが「どうぞ」になる」し
  「それを廻せば とんでもなく世界は美しく拡大する」。

  その中で
 「創る者」「受け取る者」「指揮する者」などの「違い」はあるけれど
 それは「そう組んできているから 自然とそうなる」のであって
 そういう意味で 
  世界に「不足」も「余剰」も「不要」も
  「意味役割のないもの」などはないのだ。


「   そこ、なんだよね。 そんで、そことの時間と距離のギャップ。 それを埋めるのが、私の仕事じゃないって こと 」

  そういうこと、 だよ ね ?


 そう、「せかいわたし」に問い掛けて
  「すっきりと透る感覚」を得るけれど

 「ごちゃごちゃと浮かんでくる全部」は
  「真の私の世界」へ
 「本質」ではなく「繋ぎのこと事柄」だ。

 それは勿論「必要ない」とは言わず、
 「そこまでは 必要である」と言えるがしかし
 と いうことなのだ。
 

「   「知って在ればいい」、と 言うか。 ごちゃごちゃ「言うこと」、じゃない。」

 事実、ここ造船所には
 「その私の動き」「風向き」「エネルギーの使い方」を見て、行動してくれる大人が いる。

「  ん? そうか。 今度お礼言っとかなきゃ 。」

 そう、こないだ極彩色とも目が合ったけれど。

 「それ」も
 また、「私の動きを受けての彼の行動」で
  「そうなる様に動いてくれている」のだ。


「  くっ」

 つい、癖で 浮かんだ「あのしたり顔」に悔しくなるけれど
それもまた超えていく色であり、私は ただ感謝して「彼等世界」と上がれば いい。


   そうね   よし、

     オッケー 。


 だから 蹲み込んでいた 膝をぐっと伸ばして
  ポンと腰を 叩いて。

 「既に なにもなかった様に
  キャアキャアと騒いでいる子供達」の中へ

  戻って行ったので ある。










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