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24の扉 クリスタル
自分のやれることを
しおりを挟む両隣の家は至って普通の青い家で
綺麗に花が飾られ、壁もそこそこ「青いタイル」が使われている。
そう、ここは
ハーシェルの所と「対で造られた教会」で。
南の広場側、そこそこ青の館に近く高い位置にある、「かつては機能していたもの」である。
視点を上げて ぐっと 観ても
「ラピスという土地にきちんと配置された対の教会」
それが何故「片方だけになってしまったのか」、
具体的にはわからないけど。
ただ「その結果」を見つめ、静かな景色だけを真っ直ぐに観れる様、真ん中を正す。
そして「嫌な空気」が無いことを確かめ
「その何故」を仕舞って瞬きをすると、
さっきの様に「好奇心の眼」を戻して。
高い位置からの視点へ切り替え「いろ」をきちんと 読み取ってゆく。
そう、ね
なんだろう
「廃れた」んじゃなくて
「ただ そうなった」のか
放っておかれているというか
「静かに閉じて」 。
「そのまんま」 そんな 感じ 。
家と家の間にある細い通路は「その間」だけ草が生い茂り、手入れの差の激しさは「ちぐはぐ」を生んでいるけれど。
「その一角」に「不自然なところ」は全く視えず、「その状態が世界にとって正常なこと」を 示唆している。
ふぅ む。
そしてこれは
なにも「しゃちこばってやること」でなく、
私が「ただ観て」「その眼に映し」「選択と決断をする」だけであり
「なにかを評価する為にやること」じゃあ ない。
そう、ここに「いい」とか「ダメ」は
全く無くて。
ただそれを観て留めておけばいいことで
ちなみにそれも「どうするもの」でもない。
「 まあ。 記録、と 言うか。 「含む」んだな、 だからそうなる。」
そして「そのいろ」をまた 真ん中に戻したならば
ぐっと空を仰ぎ「橙の時間」に光を送って。
あまり 人に見つからない様に
そっと教会の中へ潜入することにした。
「 ぅっわ てか、これ 「私」も見えづらいけど 「中」もあんま観えないんだけど 」
珍しくも私が夕方行動しているのは
「宵の時間」という「狭間効果」を狙った、見つかり難さの為である。
そう、この時間は 確かに私の味方で。
「怪しげな人影」として報告されない様、配慮したものであるし 自分としても、なにかあった時に「誤魔化しやすい」からだ。
「 イテッ」
そして それが幸いしてか、きちんと預かって来た鍵を開ける間に人は通らず 静かに建物内へ潜入することには成功した。
だが 早速「なにか」に躓き足をぶつけたから。
「探検のドキドキ」をシュルリと虚空へ仕舞って、慎重に奥へ進むことを決め 辺りの様子をきちんと 窺う。
なんか。
あの時 そうね
「オルガンの」
旧い礼拝堂で うん
あの時の埃
やっぱ「共通するもの」は
あるんだろうねぇ
案の定 建物の中は薄暗く観え難くて
窓からの細い光は橙色で美しく埃を照らしているだけだ。
だけど「その細く頼りない光」が とても綺麗で。
同じ「時を留める空気」が流れていることを感じ
そのまま暫く 空間に自分を馴染ませる。
ふぅ む 。
そうしていると 観えてきたのは。
「オルガンの」「あの時と」
同じいろじゃなくて
やっぱり「新しいいろ」、だったんだ。
いつからあるのか わからない厚みの埃
薄明かりでは殆ど見えない、奥にある筈の礼拝室。
ずっと放っておかれている室内へ入ってゆくと
「動かしてはいけない空気」と「微妙に舞い始めた埃」が敏感な鼻をくすぐり始める。
だけど 手を当てることはせず、細心の注意を払い体を動かすことに集中して。
そうっと、息をするにもひっそりとして、眼を慣らしながら奥へと 進んで行く。
この「厚み」って 何十年 ?
いや 隙間から吹き込むのもありそう
てか
閉め切ってるだけでこんなに埃って
溜まるんだね ?
自分の足跡だけはくっきりと観える、その景色を確かめつつ
一歩一歩 歩いて。
さっきの「新しい感覚」を呼び起こしながら
「何処か 遠くに観えるこの光景」を新しいいろに乗せてゆく。
ふむ。
「本部長のメモ」には
「先代フェアバンクスまでは開いていた」と書かれていたけれど。
「その記憶」は 以前の様にありありとは浮かんで来ず、主の邪魔をするものではないからして「景色が何処か遠いものに観えることに納得する」。
そう
やはり
「眼が変わった」から、
視界に映る景色は「同じ様には展開せず」、私に「なにいろをも連れて来ない」からして
「情景に 揺らされずに済むのだ」。
だからこそ「そこから感じ取るいろ」も 変わっていて。
「この 場」は なにも連れて来ず
「ただ私がいるだけであり」
「ここを終えてまた新しく始めることだけ」を 指している。
「 あー、 でも。 そうか 。」
しかしそれは「失う」「無くなる」「消える」とは違っていて
「それはそこにあるのだけれど」「別のものになる」、そういうことだ。
これは
「形変われど エネルギーはある」ということで
「質が変わるから」「全く同じとは言えねど」
「それはある」、そういうことである。
そして更に言えば
これまでは「喪わねば得られなかった」けれど。
今 世界は「私の世界」に成っているから、
「両方あるし」「なんにもないけど ぜんぶある」のだ。
「 だから、 か 。」
ここへ 来ること
ただ 確認をしに来たこと
ここが無くなることは知っていたこと
だけど「観に来ねば 成らなかったこと」。
それは確かに、「来て」、「感じてみねば わからぬこと」で
「この行為」はやはり、「必要」だったのだ。
だから「この流れが来て」。
私が きちんと確認しに来、
それは そういう道筋を辿る。
「無くなるけれど それは あること」
「ただ エネルギーの質が「古き」から「新しき」へ変わるということ」
「それは 世界にとって適切な時に為され」
「そうなる様に創ってきた結果が顕れる、
流れの一部だということ」。
「 ふむ 」
そしてまた、ここで「自分のこの役割」がよく観えるけれど
実際「ここ」にいる自分に
「現実で出来ること」は 殆どないに等しい。
そう、「侵さず 侵されぬところ」に在れば
そうなるのは至極自然なこととも言えて
「それが何」ではないけれど
「自分にできることは 本当に無いんだな」と感じることは増えた。
例えばここを壊すとして、実際解体を手伝うとか
人を直接癒すとか
誰かや 何かの為に働くとか
「そうなる方法を教える」とか。
いろんな
それこそ、いろんな「こと」が様々スペースを巡るけれど
その「どれも」は出来るけれど私の仕事じゃなくて
主は「この位置」に居ねば成らない。
こうして「きちんと感じていること」
そしてそれを「いろんな手段で現すこと」。
それが自分の方法だと わかってはいるけれど
「何もできないんだな」、とは。
しみじみと思うのだ、いろんな いろで。
「 そう、ね。 それは別に「感傷」でもなくて。 ただ、そう思う うーん?「事実として受け止める」、その瞬間が増えたのか。 だからそれでいい、とか だからなんにもしない、とかもなくて。 自分のベストは尽くすけど 結局「私が直接、できることはないんだ」って。 つくづく思い知らされるんだ、せかいに。」
手を 貸して満足したいとか
感謝されたいとか
褒められたいとか
喜び合いたいとか。
直接やれば、「得られるもの」
それは知っているけど
「今 私が欲しいもの」じゃなくて
それは「過去の私が欲しかったもの」だ。
そして それを得たから今ここにて
「なにも持たずに すべてを感じていて」。
「なにも できない」と知りつつも
「すべては可能だと知っているのだ」。
「 そう なんだよね。」
この"微妙な位置" "微妙な 感覚"
だがそれを「自分の正しい位置だと知っていること」。
私がここに対して「できること」は、なにもないけれど
「このぜんぶ」を含みここにいること
それ自体がギフトだ。
そして 「主」がどこにも寄らずにそうするから
それが世界へ派生し
「ぜんぶある世界へ移行する」。
だから 「傾きのない世界」は実現するし
そもそも そうなる様に、しているのだ。
「 。」
だから その采配をぐるりと確かめると、
「パチン」と手を打って。
ただ綺麗に「さよなら」を言い
廃教会を 後にしたので ある。
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