透明の「扉」を開けて

美黎

文字の大きさ
855 / 2,079
8の扉 デヴァイ 再

深海へ 2

しおりを挟む

深い 深い青、微かな揺らぎと共に流れて来るのは 未消化の「想い」。
それはきっと私の奥に眠る檻と、この深海両方からの波だ。

数え切れない墓の一つ一つから立ち昇る、色の濃い波、揺らぐ色。

そこからこの濃密な「水」を伝い、沁み込んで来るのはやはり

     深い 深い  「群青」だった。




「許す」           「許せるのか」

         「許せない」


 「未だ」
              「澱 」

     「澱み 」

   「許すことが できない」


  「全てを 赦していく」

         「 終わりにしたい」

 「まだ」           「辛い」

     「どうして 」


   「何故 」


その、流れて来る色から。
私の「なか」の幾つもの面が波を受け、キラキラと光りながら回転し始める。


沢山の 「想い」

 名も知らぬ「私」  幾つもの 小さな「光」


   記憶記録にすら 残っていない 過去の「自分」

 いつかの「光」  

       いつでも あった 「暗色」

 沢山の  沢山の  「染み付いた」「凝り固まった」 それ


 しかし。


 それ澱みすらも 美しく見えてしまう 私は。


そうなんだ
もう。

    んだ

    んだ


「許せるか 許せないか」で すら ない


   もう  「」んだ



ブワリと 「黒い想い」が出てくると同時に
湧き上がる「覆したい想い」

 沸沸と 湧き上がる は。


 「翻る」「反転」「黒から白へ」

 やはり 「新しい 展開」を 齎す もの チカラ



ああ  か。

  それを見て 繋がるカケラ

  ピースが ピタリと  嵌った。



 あの 敷き詰められた「強大なる 思いやり」は

 あの 黒い檻を  固めて カタチに してくれて いた

  あの 隙間に 満ちていた 「愛」「慈悲」は


   ここで  「生きて」くる んだ


「わかっている」けど
「辞められない」「止められない」
「想い」「感情」「手放したいけれど 離せない」「思い」


 それを 助ける  

  底上げして  下から 地面から

   海底から   自分の 地球の 宇宙の

   「根底」から  「覆す」「チカラ」


  「から へ  反転させる 」「チカラ」なんだ。



波に揺れる、暗色をしっかりと見つめて思う、「もう そうじゃない」という思い。


     「囚われていた 檻」、

  「抜け出せない」と 「思い込んでいた檻」、

  「そう 思い込んで自ら掴んでいた それ」。

そう

    「」に。

   拘う 時間すら 勿体無いんだ


   「私の 為に」「全ての 為に」

  
   「しがみつくそれ」は。


  「無駄」なのだと。  


 
      「わかった」んだ。



だから。

 「すべてぜんぶ」を 使って

   「覆す」「ひっくり返す」


    だから こその 「この今の 私」


   「新しい 全てのかたち矛盾を含む 私」


      「今の 完成形」


くるくると回る「なか」のカケラ、ピタリと嵌ったピースに
腕を思い切り振り上げ、波を創り渦を巻き上げていく。

黒い檻階段を形作っていた強大な「思いやり慈悲」が 爆け
気泡になり 散り
 私の 全ての面を弾き 回転させ
多胞体が高速で振動し始め その揺らぎが「海水」全体へと 波及して ゆく



  震える  海   

     「すべて」の 「根源

    それは 「魂」の 震え だ



地鳴りの様に震え、鳴り響く海に思わず目を細め、共に震えている身体にぐっと力が入る。

  強大な 「場」の 変化

しかし「これ震え」を起こしている源は、「私」なのだ。

その「変容」を。
余す事なく、この目に焼き付けなければ ならない。

 いいや こんな 美しい 光景を。

   見逃す訳には  いかない のだ。



「想い」か「生命」か
        「魂」なのか、「感情」か。

分からないけれど、無数の、光が。

深海に現れては消え、「星の祭祀」を見ている様な気分に、なる。



 「すべての」 「存在」 
              「融け込む」

         「瞬く 星」  「光」

  「古き痛み」  

     「解放」  「癒し」


  「戻す」      「送り」

     「消化」

  
    「祝い」      「祝祭」  


              「還す」


深海を舞う 幾千の 光の粒  

     流れる 気泡   光の帯

 そのそれぞれが 星の様に 群青の中を 瞬く様


それをしっかりと目に焼き付けていると、自然と手を大きく広げている、自分がいる。

そうしてそのまま、海底に渦が巻く様にゆっくりと手を動かして。
羽衣を靡かせながらくるり、くるりと回り始める。

  さながら「輪廻の輪」の様に。


キラキラと光る星達がその渦の軌道に乗り、回り始めるのを確かめながら、全ての星が浄められる様、辺りを見渡し確認する。


この、生命の輪を。

再び 「廻る」のか。

「解放」されるのか。

それは、分からないけれど。

それも、個々の選択だ。


    私は、それを 見守る のみ


しかし。 

    もう 「行きたい者 」は

     「手を 離したい者」は

  手を貸そう チカラを 貸そう


  その為に 必要な みんなの チカラエネルギー

   私 が  「転換」「変換」しよう


 これまでに受け取った 「すべて」で


  美しい世界を見せてくれた 「すべて」に

 「感謝」すれば それはきっと 可能だからだ。



この、深く青い蒼い 深海  広大なる全ての母

  生命の 始まる ところ

  その  深い 深い 海の なか で。


さあ  始めようか。

 「今」の 「すべて」を。


 「こころ」を 「おもい」を

    「思念」となった  その「重さ荷物」を

   「解放」する  「祝祭」を。



  古き ものを 終わらせ

    新しいものの 到来を 祝う


   その 為の   『祝 祭』


瞬間

  "その 「祝祭キーワード」で
       私にも 「啓示」が 降りた"




ああ なんだ

か。


成る程。

ここのところ、ずっと自分の身に起きていた事が、「祭祀これ」の準備だった事が解る。


 「水晶の剣」  「斎場」

    「鎮魂」 「鎮 御霊」

  「澄み切った場」  「羽衣」

    「神使」  「舞」   「楽」

  「私の かたち」  「浄」


 それら全てがこの場の蒼に溶け込み 心地良く
 響き始める

 目を 瞑っていても わかる

 青の水中には 色とりどりの蝶達

    舞い 散ってゆく 光の粒 流れる 星

 あるべき場所を 浄め囲う みどり

 舞う 一等美しい 慶

  巨大に変化した千手観音は 今 この場
  全てを 護る 大きな 結界と化して
  場を取り囲んでいるのが わかる

 ぐるりと張り巡らされる 白金の 光
 それは羽衣の端か 糸か 光そのものなのか
 わからないけれど。

 辺りを舞いながら 沢山の「なにか」を敷き
 撒いているのが分かるのだ。

あれは多分、普段手に持っている「なにか」護りの様なもので
きっとこの深海を斎場に纏め上げてくれているのが解る。


 一歩一歩 調う場  織り上げられる波
  チカラ エネルギー 
    昇ってゆく 階段
     拡がる 「私の 斎場


その、目の前に拡げられる美しい世界に、胸がいっぱいになり涙が、出る。

出したくないけど、しょうが、ない。
だってそれは。

「感動」の涙 だから。

「真ん中」が、震えちゃうんだから しょうがないんだ。


そう、全てを認めて。
目の前の 「変化」を受け入れて。


 「ああ これで  新しく

             なる んだ  」

そう、それを私が「わかれば」、いいのだから。



自分を合わせていく間にも、組み上げられて行く「場」、深海に創られてゆく大きな光の、球。

力強く飛び交う光、それを先導しながら舞う慶、他の観音達も違う色の光を引きながら、球体を彩り始めている。


きっと 「なにか 大きなものに なる」と
     

   いた 

 その積み上げられた
   「檻」「行き場の無い想い」「全ての私」


それが ここで「全て」  合わさって。

 また 「ひとつ」となり 大きなうねりになるのが
 わかる。


   真ん中に 集合した 多色の光の渦

      複雑に絡み合う 螺旋


これまでここに埋葬されてきた人達の「想い」、私達の「想い」。
それはどんどん増して、捻れ、練られ、反応して「ひかり」になり「チカラ」になり 「エネルギー」に 転換して。


「  ああ か。」


その 輝きから自然と思いつく 方法


 "それを ここに埋葬されている

 「澱み重荷」と「」達と を 切り離す ことに 使う

  浄化し 純化し  洗い清めて。


       また 「還す」  


 それが 私の 「存在仕事」"


 「鎮魂」 その光も目の前を過るけれど

   光達は もう。

  「鎮めなければならない」、光では なくて。


もう 新しい 場所に向かい  昇る 光
だから 切り離し 送れば いいだけ


 「チカラエネルギー」の 「転換」

 「想い」「祈り」の「変換」


 そうして 「みんな自ら」の「チカラ」を
  「自らみんな」が 使う


  その 「変換装置」の ような もの


    
またみんなが 「あるべき場所」へ
   還れる ように。

「繋ぐ」こと  「還す」こと

ただ  「流す」こと

  もう 持たなくてもいい荷物 を

  流せるように  手助けすること



そうして

  「濾過」し 「分離」して

 「光の魂達」と 「想いエネルギー

  に なった 「それ」を 。



   「ピタリ」と 嵌った ピース

 その「結果こたえ」を受け私の「なか」の 蝶達が全て飛び出したのが わかる

漣の様に渦を成し舞う、蝶達は私の「なか意図」が通じているのだろう。
ぐるりと光の周りを取り囲んで舞い、回転速度がそれと共に、更に上がった。

それを、見て。

再び湧き上がる「感謝」、一緒に来た「想い」達が「そうしてくれたこと」に私自身が、感動して。
また打ち震える胸、ブワリと一段海水の「いろ」が上がる。


 どこまで あがる のか
 どこまで拡大するのか。
 
胸がパンパンに膨れている感覚、しかし感じる「感覚」を最大にして挑む『祝祭』、全身の「感じる器官」を開き
更に「知らないけれど 知っている」自分の「すべて」を全開にして周りを取り込んでいく。

 「拓く」「融け込む」「できる」「もっと」
   「地を 拡げろ」 「根を張れ」「足を」
 「腕を」 「取り巻く チカラを」「拡大 しろ」


  "そう ここは 私の 「祭祀」の場だ"


光る渦、勢いとチカラの青、うえからの薄明かりと舞い上がる砂に
一筋の緊張が被り、場の震えが調律される。


 そうして 一本 筋が通った深海にて 
 また純度の上がった 光が 舞う

 
深く、暗    この深海から送り出す 

それぞれが 一つ一つの 違う ひかり


  「魂」か
     「エネルギー」か
        「ひかり」か「チカラ」か


呼び方は、何であれ。
「それ」は同く高い純度で光を放つ、とてつもなく美しいものなのは、間違いない。


それぞれがキラキラと光り  分離し 流れ

     煌めき 飛び散って   遊ぶ


目の前に広がる これまでに見た どの景色よりも
美しい その光景


その ひとつ ひとつが

  「転換」「変化」「変容」する 

      それは  「なにか」だ。


 それが 「なに」になるのかは
 分からないけど。

 でも。

 きっと。



     「空気が 変わってきてる」


そう、きっと。

 世界の 空気  大気  風    
   
    空    海      

     大地

           この 星

   全て    

    満ち溢れるもの  充満しているもの


      その 「全て」に。


    影響する「なにか」である 


それは 解るんだ。


だって。  

この積み上がった「想いエネルギー」はとんでもなく 巨大強大な もので。

 目の前の景色と  拡がった 「わたし」が
 ひしひしと 感じる それ


 これが あれば。


「世界」だって 変わる

  変化する 変容するし  転換する


 黒が 白に なる ように

   裏が  表に  なる   ように。



一瞬で。

   「ぐるり」と  

        変換したって 


         いい んだ




   「 光の  網  糸  繋 」


パッと浮かんだ言葉、鮮烈な、「色」。


 「それ」が 降りてきた 瞬間
 鋭く爆ける 音がして

   全ての「ひかり」が 「繋がった」

 同時に そらから。

  稲妻の様な 光線が  水の中を 
         瞬時に駆け抜けたんだ。



大きな 大気の うねりが 光と共に海底まで届き

  水が 瞬時に「ザッ」と泡立つのが  わかる



  波が 海が   海の水  全てが。

  その偉大な「想いチカラ」に 「反応」し 共振し始めたのが 解って。

  私は 共に震えていた。



突然 舞い降りて来た  世界ひかり


  それから伝わる その 強大な 「慈悲」と


   激しくもある 「思いやり」に

    
        震えていたのだ。



      「伝わる」「想い」



「それ」が 足の底  いや 地の底
  
   地球の 真ん中 

 いや  世界 宇宙 の  根底からくる

  「振動震え」だと。



          から だ。




ぐんぐん沁み込む「想い」、震えたままの身体。

怖くは、ない。

だって それも「想いエネルギー」だから。

想いそれ」は、「全部同じ」で「私」で「全て」で「みんな」でも、あるから。

それが 痛い程 解っている 自分は。


ただ、その「想い」が動かす「世界の大きさ」に震えるしかなくて
全身にその青の震えを透し、共に 打ち震えていたんだ。

そう
世界すべて」と 共に。

「震える」が いい。



 降りては 昇る  螺旋  振動

それはまるで


  「天上の 鈴」    「地底の 銅鑼どら

     この星の 根底からの 響き



 天から   地から  
           「水」を 伝い

   「世界」が 震え  鳴り響くのが


    聴こえて  くる



    "「魂」を 震わす  「pulse」"




 そう  そうか。

やはり  「世界これ」も みんな

 同じ   あの子デヴァイと 同じで。


 みんな みんな  いて。


    「生きて」いる  んだ



だから  伝わるし
     震えるし


    わかるし  聴こえる 見える  感じるんだ。



 ああ 


 そう  私も。 


 「ただ  在れば」 それだけで いいし

 自分の  「なか」を  美しく保ち

   時に  また自分を 震わせ
  
  溢し   謳い   舞いながら また溢し


 そうして  「ひかり」を  「繋げた」


              ならば。



  翻る 波の青

向こうから押し寄せる光の波に青が飲み込まれ、波が白金に反転していくのが、見える。

   
   「恐ろしくも 美し過ぎる 光景」


       翻る  世界



  「変化 」  「再生」  

   「変容」     「交代」  

  「時代」   「その 時」   「転換」




 「ああ 世界は。 

    やはり そうやって 廻って いるのだ」


それが、今 はっきりと 



ただ ただ。

羽衣が 水流に美しく靡くのを 眺めながら

   くるり くるりと。


舞いながら 自分を 散らし始めて いた。


 そう  もう  無意識でも。

 自分の するべきこと したいこと

  すれば もっと 「感じられる」こと が
 解っていて。

 自然に体が 波に溶け込んでいく 自分
 きっと 光になり 共に舞い 共に煌めいて

 共に 廻る。

そうして。

また ここを離れる時は

 戻ることも できる から。


融け込む自分  

 溶け込まなくては  融けずには いられない

  溶け込みたい  融けたい  みんなで

 ぜんぶ で    感じ きり  たい


そう 思える 自分 を。

 しっかりと 意識  しながら 流れていたのだ。





しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

側妃契約は満了しました。

夢草 蝶
恋愛
 婚約者である王太子から、別の女性を正妃にするから、側妃となって自分達の仕事をしろ。  そのような申し出を受け入れてから、五年の時が経ちました。

【完結】離縁ですか…では、私が出掛けている間に出ていって下さいね♪

山葵
恋愛
突然、カイルから離縁して欲しいと言われ、戸惑いながらも理由を聞いた。 「俺は真実の愛に目覚めたのだ。マリアこそ俺の運命の相手!」 そうですか…。 私は離婚届にサインをする。 私は、直ぐに役所に届ける様に使用人に渡した。 使用人が出掛けるのを確認してから 「私とアスベスが旅行に行っている間に荷物を纏めて出ていって下さいね♪」

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

笑う令嬢は毒の杯を傾ける

無色
恋愛
 その笑顔は、甘い毒の味がした。  父親に虐げられ、義妹によって婚約者を奪われた令嬢は復讐のために毒を喰む。

愚かな側妃と言われたので、我慢することをやめます

天宮有
恋愛
私アリザは平民から側妃となり、国王ルグドに利用されていた。 王妃のシェムを愛しているルグドは、私を酷使する。 影で城の人達から「愚かな側妃」と蔑まれていることを知り、全てがどうでもよくなっていた。 私は我慢することをやめてルグドを助けず、愚かな側妃として生きます。

初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―

望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」 【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。 そして、それに返したオリービアの一言は、 「あらあら、まぁ」 の六文字だった。  屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。 ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて…… ※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。

処理中です...