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8の扉 デヴァイ 再
深海へ 3
しおりを挟む差し込む光線 光り渦巻き昇る 気泡
星の様な 光達
白き祝祭の 場から昇るは
青の中 光の 天の川だ
煌めく星屑と混ざり合い、融け込み 散った「私」は
渦を巻いて昇る、光達と 共に昇っていた。
翻った白金の波、それが再び青に翻る瞬間を味わいながら、また星屑を溢し「転換」のチカラに変えてゆく。
その、「みんなの転換」を手伝えるのが嬉しくて、共に舞うことが楽しくて、美しい景色が見れることが ただただ嬉しくて。
フワフワと光と共に舞い、ただ喜びと戯れて、いた。
しかし、暫く青を 堪能すると。
くるくると舞いながら巻き上げる光、自然と「かたち」に戻ってゆく自分。
「もう 戻る 方が いい」
その「なかみ」の声と共に
更に光達が楽に登れる様 腕に緩急をつけ
指先から溢れる星屑と共に光を練っていく。
緩り ゆるり
緩やかに 練り上げる
仕上げの 場
「送り」の 時
白き光に包まれる渦の中、中心で舞い
この「祝祭」を纏め上げる為に 波の勢いを宥め落ち着かせてゆく。
自分の「翡翠」「真ん中」を軸に。
「自分」を散らしていたお陰で、肉体への負担は少なかった様だ。
そう まだ 私の仕事は 残って いるのだ。
胸は、いっぱいだけど
まだ いける。
ゆっくり ゆるり と
光達が そっと 昇れる よう に。
心地良く 再び 旅立てる よう に。
白、白金、金色の光、静かに上る泡、幻想的な場。
頭上から清く通る光、それは今 しっかりと一本道を示していて 道標の様に光達を誘い
その周りを回転しながら光が美しく昇る。
優しさの光で満ち溢れる、その光景を眺めながら緩やかな波で送る、仕上げの時。
すっかり凪いでいた私の全身は、波と共に揺れ、ただ喜びと共にその場に在って。
ただ静かに顔を上げ、その光達を見送っていたのだけど。
しかし。
一瞬だけ、場の青に「いろ」が差した。
そう、この「場」の何処かが「反応」して、私にピクリと知らせが走ったのだ。
え なんだ ろう
反射で顔を動かした、その時。
一瞬、見知った「いろ」が 見えた。
「あ!」
そう あれ あの光 だ!
見た事のある「いろ」、それはあの二つの光で
一つはあの「真珠色の光」、もう一つは「青銀」だ。
考えるより早く「真ん中」が理解し、しかし同時に一瞬躊躇した自分の事も知れる。
そう、あれは。
一つはセフィラで、もう一つは姫様の光だ。
でも、そう「まだ」と、前回言われていた私は。
実は その時ホッとしていた自分に。
気が付いてもいたし 自己嫌悪もしていたからだ。
「もう 終わりなのかも知れない」
「まだ 辿り着いていない」
「まだ はっきりと 見つけられていない」
「寂しい」 「終わりたく ない」
自分の隅に隠れていた 一抹の「感情」。
「残り香」「揺れる 想い」。
でも。
頭を振って、しっかりと二色を目に映す。
そう 「決めた」から
もう「わかった」から 来たんだよね?
何秒も経っていないだろう、自問自答して瞬時に地面を蹴った。
まだ、追い付ける。 必ず。
それは知っていたからだ。
私が「決めた」なら。
追い付ける。
それは分かっていたけれど、兎に角全力で身体にチカラを入れる。
「ごめん」と、心の中で 謝りながら。
ぐん、とチカラを入れ飛び出す「私の斎場」、しかし海は既に「私の場」でも、ある。
追い付けるし、捕まえられる。
捕まえて、どう する?
いいや そんなこと は どうでも いい
「なんとか なる」
それだけは、解っていたから。
一瞬、再び過ぎった「暗所」を放り投げ、ぐんぐん進む青の中、光達は自由に海を舞っている様だ。
え これ
どっち 先に? 捕まえ る
どっちだ ろう
しかし、迷っている暇は無い。
何故だか空を舞う光の様に動きが早い二つの光、波の間をぬう私の方が一段不利だ。
それならば。
「よし!」
羽衣にチカラを通し、スピードを上げ
自由度を確認して再び追いかけて行く。
ふん だ 私だって できる もん
追いついて やる もんね
知って いるのか 解って いるのか
私の周りを揶揄う様に舞う、二つの光
しかし真珠色の方が些か「捕まえて欲しい感」が、強い。
それなら? あっち だ
片方だけを追うのなら、話は早い。
ぐん、とスピードを上げ瞬く間に追い付き「パッ」と。
その、光を掴んだ。
「 ぅ、わ 」
ブワリと発光し、なんだか指輪に再び入った気がしたがとりあえず確かめるのは後だ。
ぐるりと見渡し、青銀の光も、確認する。
しかし。
少し離れた所にあった、その光はゆっくりと一定のスピードで私の前まで滑って来ると。
「ピタリ」と止まり、私のことを眺め始めたのだ。
いや 眺めてって いうか
まあ 光なんだ けど。
しかし。
この「雰囲気」、「見られている」感覚
ある意味「姫様」はずっと私の「中」に、いたからか。
この光が私の事を見ていて、眺めてもいて、きっと「観察」「確かめている」のが解る。
多分。
私に「覚悟」があるのか。
確かめてるいのだと 思うのだけど。
「いや、大丈夫。もう、決めたから。多分、わかるよ。」
自分がどう、するのかは正直分かっていない。
この光を手にすると、どうなるのかも、人形は何処にあるのかも、姫様が戻ったら、どう、すればいいのかも。
なんにも、考えてないんだけど。
でも。 それでいいんだ
暫く。
黙って いた。
光が私を確かめているのが、解ったからだ。
大丈夫 いいよ 丸裸 もう ぜんぶ 解ってる
分かられてる 知られてる だろうし
まあ 見られて困る様な もの 無いし?
うん 全く 不安が無いかと言えば それも
バレるだろうし でも
それも含めて。
大丈夫 だから まあ うん。
私が、ぐるぐる自問自答している間に。
フワリ、ふわりと周りを飛んでいた光は、確認が終わった様でピタリと目の前で止まった。
そうしてそのまま、静かに拡大して「私の姿」に なる。
え あれ?
姫様も そうなの??
ほぼ、ディーと変わらぬその姿、それは「私の姿」でも、ある。
え 人形 私 セフィラの作った 人形 神?
頭はこんがらがっているが、違和感は全く、無い。
なんでかは、分かんないけど。
でも?
とりあえず、手を差し出してみる。
それに、自然に応える「向かい側の私」。
そうして「ポン」と手が置かれた瞬間、それはシュルリと小さく、なって。
「あ、え?」
そのまま「ポン」と、姫様は人形になった。
「あ、え?…なに、これ、どうすんの…………。」
想像と少し違う、小さめの人形はしかし、朝よりは大きくフワリと軽い。
しかし、私の頭の中にはあの部屋の人形が思い浮かんで、いて。
「パチパチ」と嵌るピース、「シン」と「シンラ」「姫様」のこと、あの部屋の人形がほぼ等身大だったこと、「人形神」の、こと。
「……………え?」
両腕を上げ、まじまじと正面で、見る。
少し古くなった衣装、何処かで見た様なレース。
白銀の髪に青い瞳、銀色の星が光るその目にはチカラはあるが何故か「半分」なのは、わかる。
「えっ?なんで???」
ふわふわと漂う波間で、睨めっこをしている私。
とりあえず、下まで降りる事にした。
「斎場」がどうなっているか、気になっていた事もあるしとりあえず二人は捕まえた。
なんか。
落ち着いて 考えたい。
そうして。
混乱している様な、スッキリした様な。
絶妙な気分で、とりあえずは海底へ向かったのだ。
ふわり ユラリと
降ってゆく 青の中。
しかし私の腕の中にある、人形からは「向こうだ」という謎のアピールが感じられて
海底から視線を逸らし、気の向く方向を見る。
すると。
なにか 見え る ?
白い 鳥?
孔雀? 鳳凰? でも 白い な?
遠くからでも分かるその光る姿、「海底にいる鳥」というあり得ない光景。
しかし、案の定疑問にも思わない私の「なかみ」、それはやはりこの腕の中に関係があるものなのか。
とりあえず。
吸い寄せられる様に、その美しい姿が確認できる所まで降りて行った。
薄く残る白い光 私の斎場はその任を解かれ
ほんのりと名残が残るだけの その場
その中央に。
あるは 大きな白い 鳥
所々に銀の羽が入る からだ
少し影のある銀羽は黒にも見え
その豪奢な翼に 良い締まりを与えている
そうして 広げ 靡かせていた大きな羽が 閉じられると。
宝石の様な小さな青紫の瞳に、キラリと銀色の光が灯った。
糸 なのか 光なのか 羽毛は 細く長い繊細な羽根
長い長い それは 天から降り注ぐ光にも似て
柔らかく 天上から垂れ下がる 光の幕の様だ
フワリと舞い上がった鳥、それは如何にも
その美しい羽を私に魅せるかの様に、光の道を残しながら青い海中を舞い始めた。
長く細い嘴は 鶴にも似て
連想するのは 「幸運」「寿」「倖」
その 煌めく「かたち」からも 「別格」なのだと知れる それ
その 「現れ出たもの」は。
馴染んだ「いろ」、しかしこれまでとは違った「特別感」のある、「神」で。
多分 観音達と同じ 「神」なのは わかる
でも。
あの子達 ウンとも違う なんだ ろう?
神使 まあ 神使なんだろう けど
いや 「神そのもの」の 方が?
近い な???
しかし、それをようく、見ていると。
見憶えのある「いろ」、「輝き」、「艶感」
醸し出される雰囲気から。
「神」が 「姫様の半分」なのが、解ってきた。
「え??」
あの人形の「なかみ」が、なんだか半分だとは、思っていたけれど。
「ここに…………??」
なん で ???
しかし、その私の疑問を打ち消す様に、今度は視界の隅に黒い影が侵る。
多分、あれは………。
「えっ、なに…………これも、「対」なの?でも、シンラじゃない、よね??なんか黒いし………??」
そう、くるりと振り返り、しっかりと目に映すと。
神は紛れもなくこの「白い鳥」の対であり、白と黒が混ざってはいるが黒が多い、鳥である。
姿形は、そっくりそのまま、色だけが違う。
白の部分は黒、銀の部分が、白。
瞳は濡れた黒い玉で、じっとこちらを見ているのが分かる。
え…………なに、これ。
どう なってるんだ ろ???
なんで でも多分「関係ある」から「対」なんだ よね?
ラーダと窮は 「始まり」と「終わり」
姫様の対は シンラじゃ ないの??
くるくると働き始める頭、私の中の白い部屋には白いシンラの姿しか見えない。
「黒」は、無いのだ あの部屋に。
「うん…………??」
黒 闇? 違うな
黒い もの 檻 じゃないし
でも「神的」な ものな訳でしょ
えーーーーー
ここに 来て 「神的」
「対」 私に 「必要な もの」
「あ!!!!!!!」
思い、出した。
「ぇっ?!」
ぐるりと勢いよく、振り返ってその黒い鳥を目に、映す。
その黒光する 羽 所々に白が混じるそれも
気付くと輝きに見えてくるから 不思議だ
あの艶 黒々とした 光
何故だか感じる「奥行き」「透明感」
不透明だけど 宇宙を感じさせる 魔法の 空間
「あれ。多分、石だな…………。」
そう、私が探しているものは、もう一つあった。
「9の扉」の、石。
それが多分、「あれ」なんだ。
「黒…………黒いんだ…………なんか、意外だな…………?てか、なんで姫様と対なんだろう?」
ブツブツと呟き回り始めた私の事を、じっと見つめたままの黒い鳥。
「全っ然、わかる気がしない…………まあ、それでいいんだろうけど。」
白と黒 回転
混ざり合う 明暗 描く円
二つの融合
どちらも わたし の カケラ
ブツブツと呟き始めた私の横で、仲が良さそうに廻り始めた二羽の鳥。
ゆっくりと近づいた二羽の大きな鳥は、何故だか光が増し どんどん「発光体」に変化し始めて。
その、二つの光、白と黒のそれが混じり合って、光の球になってゆく様子を。
ただじっと「なか」を空っぽにして、眺めていたのだ。
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