透明の「扉」を開けて

美黎

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5の扉 再びのラピス 森へ

街のみんな

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「ねえ、ヨル。また、占いとかおまじないとか。相談室とか、やらないの?」

ある日のお茶会 
最早 恒例となった 私達の「喋り場森の家」で。

サラサラと心地良く流れる 小川の音
 共に伴奏する 葉音が耳に 心地良い、この場

そんな中、エローラから その質問が繰り出されたのは
柔らかな陽が差す、ハーブガーデンのテーブル
私が「庭でお茶とか、最高じゃない?」と最近創ったばかりのお茶会会場で だった。


「えっ、なんで?」

思わずカップに口を付けたまま、くるりと向き直る。

きっと彼女は私がここへ引き篭もっている理由も解っている筈である。

 その 理由を押して エローラが
 そう 言う理由とは 如何に。


きっと私が「そう思っている」事も、解るのだろう。
じっと、灰色の瞳に見つめられて 暫く。

 ああ ここで見ると
 グリーンが 綺麗に映るな

そんな事を思っていた私に。

溜息を吐きながらエローラが話し始めたのは、街のみんなの「迷走」の話だった。



「いやね、その。この前も話したけど。みんなの力を、まじないを生かして、の話よ。それがやっぱり「やりたい事」と「向いてる事」が違ったり、そもそも「何がやりたいのか」分からなかったり。なんて言うか、「自分というもの」って案外みんな、解ってないんだなぁと、思ったのよ。」

「まあ、そうだね。」

それは普段から、散々 私も考えていることでも、ある。


 わかり過ぎる。

深く、頷きながらもとりあえず「どうして相談室なのか」目で続きを促した。


「だからって訳でもないんだけど。なんか、みんなの事を解って、しかも「広く」見れてアドバイスできる人って。なかなか、いなくて。でもね、お茶会やなんかで、お互い話したりしてもどうしても遠慮があったりするじゃない?やっぱり面と向かって言い辛かったりする事もあるし。」

ラピスは 噂社会だ。
以前よりはマシになったとエローラも言っていたけれど、また「お互いについて」あれこれ始まったならば。

あまり良くない、影響もあるのだろう。
確かに、この大事な変化の時期 おかしな方向へ行くよりは「私が出れば」と 思わなくも ないけれど。

「うーーーーーーーん。」

しかし。

 そう ではきっと 根本的 解決には
 ならないので ある。

「なんか。他の誰が「それ相談役」をやってたとしても、何も悪い事もないし、文句もないし、やりたい事ならいいと思うんだけど。「今の」「私がそれをやる」のは、違うんだよね 。」

なんて言っていいのか わからないけど。

  「今の私」が 「そう する」のは 違う

それは私の「なかみ」が はっきりと言っているのだ。
この前 そう思ったばかりだというのも、あるけれど。



「多分、「何を売ればよく売れるのか」とか、「どんな仕事が儲かるか」、とかじゃなくて。もう、エネルギーゲームには参加しないで、自分の得意を生かせば 一番いいんだと思うんだけど、でもその「得意」が。分かんないっていう、話なんだもんね?」

「まあ。そうなんだけど。」

「うん、わかる。言いたいことは。」

 そう

 それは 「言うのは簡単」だけど。


「でも、やっぱり「元」?「根源」「根本」から、始めないとまた繰り返しになって行き詰まって、「もの」が枯渇して。奪い合いに、なる。だからまあ考え方を変えなきゃ、いけないんだけど。  それが、難しいんだよね  。」


 「本当に やりたいこと」
 「自分にとって 大切なのは なにか」
 「自分 とは」

まず、そこから始めないと途中で結局 躓くだろうし。


 「エネルギー」「チカラ」
 
  「物質」「もの」

その 「見えるもの」と「見えないもの」 二つの関係性、その複雑な絡み合う「なかみ本当」を 知ること


 「無限」 「有限」

 そう 思われているものを 変える 変わること

 「有限」を飛び越え

   「創り出す」こと。

でも それには「自分だけの 色」が 必要不可欠で
それにはやはり「自分とは」が 必要に なる。


 それを超えて 「生み出す」チカラ
 「想像」から 「創造」への エネルギー


 多分 それが  必要なんだ。


「うーーーーーーーん。」


 「学び」「教える」「体系立てる」
  「糸口を並べてみる」「参考例を 創る」。

ある意味「参考例それ」は イオスの店なんかも、そうだろう。


 でも         を 「今 また やる」「考える」のは。


   「私の仕事 じゃ ない」

 なんかそれは わかる。


これまで散々、考えてきた「私とみんなの違い」、「立ち位置」、「そもそもの出発点」。

 「私という 存在 とは」と いうこと。


それを改めて自分の「なか」へ展開し、灰色の瞳を眺めながら 街の色と「違い」を比べてみる。

 まあ エローラも 大概ズンズン「自分の道」を
 進んで るけどね 。
 うん。


そう 先ずは
「出発地点」が違ったならば、やはり「同じ道」を すっ飛ばして辿る訳にもいかないし、そもそも私の「いろ」は特殊だ。


これまで一人、みっちりと 自分を振り返ってきて
わかったこと それはやはり「沢山のいろ」を持つ自分の「特性」の 様な もの。


そう きっと「今の生」では
 私は ずっと「生きて」いて。

 なんでも 自分で選択して 決めてきたんだ。

子供だから、完璧とは言い難いけれど
それなりにやってきて
失敗もしたけれど
やっとここまで、来れたんだ。

 自分の「なか」の 「こえ」を それと知らずに
 聴きながら。

 それを「信頼」し 「何より優先して」歩いてきたんだ。
 時折 道に迷うことは あっても。


 だから 先ずは 「自分で始める」「選択」「決断する」

 そこからなんだ。

 
手探りでも「やってみる」こと
 「こうすれば わかる」、そんななんて 無い。

 それを「自分で探し始め 旅を始める」、そこから。

 きちんと 始める事が 大切なんだ。



そう、それに。

「 ぶっちゃけ。みんながなにに、困ってるのか私には分かんない部分も多くて。それに、それってやっぱり本人が決めないと。駄目だしなぁ  。」


 そう 「変えること」それはできない
           してはならない

そう散々学んできたんだ。


 私の できること

  それは 「発する」ことだけ

 それが今なら 「チカラ」「エネルギー」

 「波長」「色」 「細波」「振動」「伝わる もの」。

 感じ取る 「空気」や「風」の 様なもの。

そんな様な ものではないかと
今は 思うんだ。

前は「光っていれば」としか わからなかったけど。



今はどっしりと私の「真ん中」に ある「いろ」


 私は
 「世界そとに 働きかける 必要は無い」


その、凛として 毅然と在る、その「様」 「いろ」。

 それだけなんだ。
  「守ること」と言えば。


「ん?」

でも。
なんでなんだろうか 今 降りてきたその「啓示」

しっかりと凛と光るその 「いろ」は私にとってそれが重要だという事を。
指し示して いる。


 「守ること」それは。

 以前  何処かで ?

  「失敗」でも  した  ?


 くるくると 回り始める みどりの カケラ

 
  木漏れ日に反射するかの様に 「なか」でも光る

 多色の それらは。


 思えば ずっと 前から
 私に 聴こえている

 「真ん中」で 響いて いる それ


 「そうじゃない」「お金じゃない」「力じゃない」
 「見た目じゃなく」「仕事でもない」

  「なかみだ」 「本質だ」「魂 なんだ」

しっかりと 点滅する その「カケラひかり


ずっと前の私は「ことば」として 認識 できなかったけれど。


 その 「本当に 大切な」「本質の」部分

私が 「見るべき場所」「視点」の行き先

 それは 
 
 なんだか ずっとずっと 以前から。

 んだ きっと。


「外側だけを変えても どうにもならない」
「繰り返しだ」
「本質」「なかみ」「こころ」「精神的部分」
「信念」 

 その 「見えない部分」が 変わらなければ。



そう 私に繰り返して いたのは。

 誰だったのだろうか
  なんだったの だろうか。


「    てか。「自分私の光」、だよね きっと。」

胸に手を当て、感謝し お礼を言う。

  「ありがとう みんな」「ここまで」
 「導いてくれて」。

未だ 全く
自分の「はっきりとした 行き先」など
見えていないけれど。

 しかし「方向」が 間違っていないのだけは。

 わかる。



「うん、なにしろそれは、そういうことで。」

カケラが終われ始め、私の独り言にエローラがお代わりを淹れ始めた頃。

目の端に チラリと映った 金髪

向かいの瞳の動きで「それ」は彼等の意思疎通だったのだと、知れる。


「解ってるのよ。まあ、私も本気で。ヨルを誘い出そうとしてる訳じゃ。ないし。」

「  うん ?」

 しかし エローラは「あわよくば」くらいは
 思って そうだけど。


クスクスと笑う私にニッコリとして、「お返し」が帰ってきた。

「まあ、彼から奪おうなんて。そんな事、怖くて計画も立てられないけどね?いや、ヨルがやりたいって言うなら、別だけど。」

「う、うん ?」

 え エローラ  さん ??
 
 キミたちは 一体  どこで どう
 会話して  いるのか  ね ???


なんだか、私と同じくらい金色と意思疎通が出来ていそうなエローラが流石に見えて思わず尋ねる。

「ねえ。シャルムの思ってる事、大体エローラなら解るんだよね?」

「まぁね?」

「えっ?なんで分かるの???」
「それ、聞く必要ある??まあ、いいけど…………いないわよね?」

「うん、多分。女子会だよ、なんて言っても。」

「それがね、大体ね?  」


そうして、私達の話は即 明後日の方向へ 逸れて。

いつもの様に、終着点が見えなくなったので ある。



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