透明の「扉」を開けて

美黎

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8の扉 デヴァイ 再々

材料の整理

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 「古いもの」

    「汚れたカケラ」

  「歪な 澱」
          「要らない もの」。


それを

 「新しい ひかり」

    「美しいカケラ」

   「よくわからないけど 惹かれるいろ」

    「より 輝いて見える ひかり」

 それに変えてゆく。



頭に浮かんだ ものは 瞬時に「新旧」の選別をされ
古ければ 差し替えられ
新しければ そのままカケラとして まわる。


 「固定観念」「信念」「思い込み」
 「刷り込み」「同調圧力」「勘違い」

それらは見つけ次第、すぐに流して。

光の虚空の材料にして また「ひかり」として私が使う。

 それは それで。

 またクリアな光として 想像の材料にできるからだ。


澱を剥がされた いろ
噛み砕かれ 鮮明になった純粋な意図
未知の色
思ってもみなかった道筋
私が考えない様な 展開の色。


やはり「自分の中に無い色」は、増えると楽しいし 再び材料として使えばそれもまた「せかいの一部」として創造の中に組み込まれる。

 それ 即ち 「ぜんぶがまるっと」のなかみ


「だから、結果 オーライってことで。 うん。」


今、ただ なんにも考えずに
 
  いや 考えてるから出てくるんだけど

極力モヤモヤ、せずに。

こうして自分の中を棚卸し続けて、次への準備をする。

 いつも そう「なんとなく」
  回り始めていたカケラを

 「もっと選択して」「回す前に 確認して」

 「どのカケラが舞うのかも 自分できちんと決める」こと

何事も無意識にやらないこと
瞬間 瞬間を 「意識的にある」こと。


そうしてそれを する事で。

 過去他の光が癒され 全体が 底上げされること
 より 高い光へ
 想像以上へ向かえること
  そして 


そう
私は私なりに、「一番高い自分」に引っ張ってもらう必要が あるんだ。

 これまでずっと 「導かれていた」、それはわかるけれど
 そればっかりじゃあ 駄目だ。

 
  より 高い光へ

   「最高の私」よりも更に 高く

 あの「何枚も上手の私」を驚かせる様な

   「とてつもない 美しいひかり」へ。


「そう、を狙うからして これぞ「私」。更にその裏を描いて高みへ昇るのよ。」

 勝ち負けでも なく
 ただ 純粋な 「驚かせたい」
  「面白い」「楽しい」「こうなったら もっといい」

   その純粋な 「遊び心」 。


「そうなのよね。 いつになっても、何処にいても私は 私。アホのままどこまでも行く、全面的にバランスの取れた光。」

「…………あんた。また、何言ってんの?………でもまぁ、いつもの事か。」

「 あっ  えっ  うん?  まぁね。」


手元の紐をくるくると回しながら独り言を言っていた私に、とうとうツッコむ事にしたらしい 朝。

珍しくフンフンと鼻を動かしながら、私の作業机に乗り、材料の匂いを嗅ぎ始めた。

「あんた、まさか。」

「 ん?」

 なに?
     どうしたの?

何故だかいきなり 何かに気付いた様に。

嫌なものを見る目をして、私を見ている うちの猫は一体何に 気付いたのだろうか。

「これ、作ったらまたあげるんじゃないでしょうね?」

「  う~~~~ん。 いや まだ、考えて ない。」

「…?へぇ?珍しいじゃない。」

「まあ、そうなんだけど。なんか、この子達の先行きを考えると「あげる」のは勿論ナシだし、「売る」のも なんか違うし。まあ、でも創りたいから創って 「その時」が来れば。なんか、わかるかなあって。」

チラリと青い 瞳を見る。

「  なにに、使うのか。」

「えっ。ナニソレ。コワイ。」

「いやいや、そんな物騒なもんじゃないよ。それはでしょう?」

「まぁね。」

「うん、でも覚悟をもって持って欲しいし、なんか    。とりあえずなんだよね。」

「まあ。言いたい事は、解るわ。」

流石は 朝。

口には出していない、私の心情を読み取ったのだろう。
じっと目を見て、溜息を付いた挙句 何故だか首を振って机から降りた。

 何故だ。


「でもさ。きっと、みんなが自分の力をはっきり認識したならば。 きっと、これはいい相棒になると思うんだよね。 まあ、好みだけど。」

「まあ、そうね。」

あまり続きを聞く気がないらしい灰色の毛並みは、生返事をしながらソファーで丸くなっており
顔を上げる気配すら、見せない。

そんな姿を 横目で見ながら。

出来上がった杖をくるりと回し 使い勝手を見ながら
自分が「それを振る」事を想像して。

「ふむ。」

 なにに 使うか 
それを考え始めると、フワリとカケラが 少しだけ舞う。


   「神事」

          「自分の チカラ」

  「その 動かしたい 部分」

    「ピンポイント」

       「色の選別」

   「掻き混ぜる 粒子」

     「雲間の 創造」

  「天地開闢」

       「渦を巻く ひかり」。

  
   ああ  なるほど な?


  確かに 光の粒子の「どの部分」を
  動かしたいのか、「意図した」時に。

 「これ」が あると いいかもしれない。

それに、初めに見つけた素材があれだったからか
何故か私の創る杖の素材は鹿の角である。


 多分 鹿だと 思うんだけど。

何股かに分かれるその自然のかたちは なかなかに繊細でいて 色っぽく、その形に合わせて選ぶ装飾と色の組み合わせがとても楽しい。


 「ポイントを突く」
 「狙いを定める」

杖とはその意図が多分にあると思うが、私の杖のつくりは「先端」が三つ、ある。
 もっと言えば 持ち手の所に四つ目も あるけれど
それを じっと見ていて。

 ああ 成る程な と 降ってくる「こたえ」

やはり私が扱うものが「粒子」で 「複数」ならぬ「大規模」
それを「まるっと操る」「先導する」「掻き回せる」役目のそれ。

「確かに。こっちのが、使い勝手がいいわ。 使う人は限られるけど。」

そう自分で納得して、創ったものをぐるりと眺め始めた。


私は杖を何本か、創っている。

それは 元々コーディネートが好きな事もあるが、「私の その日のいろ」が 違うからだ。
それが一番、大きな理由だと思う。

 それは 気分なのか なんなのか

きっとその日の「光の構成量」「配分」が 「その時」によって違うからなのだろうけど。

 自分は すべてのいろ を 含む

そうだからなのかも、知れないし
でも結局みんなが、でもあるのだけれど なんだか「今の私」には複数の杖が必要なのだ。

 その日に「合った杖」を 使いたいから

そう 自分の欲求に忠実になると そうなるのである。


「そうなのよ。 その日の色が違うっていうのも、あるけど 確かに「ここだけ」とか「この色が動かしたい」とか、はっきりしてる時には、こっちの杖だし もっとぐるっと掻き回したい時は こっち。なんかパッと変化を与えたい時には これ。 う~ん。そうやって使うと、いいのかも。」   

「 でもまあ、それだとやっぱり 他の人には向かないかもだし、そもそも「対価を貰う問題」がまた勃発するじゃん、それだと。原価幾らなのか、わかんないし。とりあえずめっちゃ高そう、だけど。 でも「材料を妥協する」ということ、即ちそれ 「カケラを古くする」、それと同義な訳で ?やはりそれは本質から逸れるしな 。イストリアさんに相談したら止められるな ?うーん、それなら杖じゃない方がいいとか、デザインの好みとか。それに、手が まあ一番いいっちゃ いいかもだけど。なんか、いいじゃない、「魔法の杖」って。 てか、そもそも「対価」?「お金」?とかで、取引できる様な「もの」でも。     ないんだよ な  。」


  そう  そうなの   
私が一番に 思うところ それは これで。

  
  この「粒子を扱う 杖」は

  「お金で買える」ような ものでは

   ない のだよ 。

 うん。


なんだか 話が 大分ズレた所で。
くるりと視点を 灰色へ戻した。

 うん。 勿論返事は 無い。

 まあ  わかって たけど
 いつもの事でも あるけれども。


そして 私も大きく息を吐くと、休憩とばかりに身体を伸ばし 固まっていた肩を解す。

「 ふぅ」

そうして 大きな青窓に視界を浄めて貰い
 一旦「細かく」なっていた 自分視界を
 「グン」と拡大し 大きなあおへと 飛ばして。


「  ふぅむ。 」

この空間の「飛べる」、スピリットと同調するのだ。

いつだったか なんとなくの思い付きで始めた「飛行視点」
ふと「飛んでみたいなぁ」と。

なに でもなくボーッと思っていたら いきなり視界がパッと空に弾けた事があった。

 「? ??」

初めはなんにも 分からなくて
戸惑っていた私だけれど、暫くすると その 景色に映る「もの」が。

 「青のホールでボーッとしている自分
 だったから。

 ああ これは
  あの窓の外にいる 鳥達の視点なんだ

そう、腑に落ちて。

それからは気分転換に時々、お邪魔させて貰っている。


実際問題、スピリットあれらも 私で
私の光の粒から できているからして
「私が 彼らの中に入っている」のか 「彼らも私」なのか どうかは分からないけど。

「 まあ いいんじゃ ないでしょうか。」


そう、「世界」基準で考えると混乱するのだ。

それに私は「世界基準それ」を 辞めると決めた。

だから 
   私が 「そうである」「そうしたい」
  「そうなっている」ならば。


 まあ なにも 困る事など 無いのである。


「ふむ。」

だからきっと 「杖のはなし」も それと同じで。

「「対価が どう」とか、そんな世界じゃなくなった 時に。改めて、欲しいって言ってくれる人がいれば。 譲るなり、交換するなり? その時の私で、考えればいいって ことだ。うん。」

それに
それは 「相手」があることで。

 私が 今 一人で考えても どうにもならないこと
 然らば今は「自分が そうだと思う方向」を
 選択して。


「進めば いいだけ。」

そうなので ある。


「よし、そうと決まれば 。」

「なによ。五月蝿いわねぇ。」

「あ。 ごめんごめん。」

しかし、最早日常であるこのやり取りのおとこえに「雑味」は含まれておらず 変わらず朝が私を応援しているのは、わかる。

 そう なんか

   まえ以前よりも よりんだ。


  ありありと 鮮明に 

    最高に美しい 本質の微細な粒子が。

 「伝わってくる からだ」
 「それを喜び染み込ませる なかみ」。


その 「自分の変化」を喜びながら。

 ゆっくりと揺れている フワフワの尻尾を見て
 その優しい振動を 感じていたんだ。




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