透明の「扉」を開けて

美黎

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22の扉 生成の場

波紋

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   あ    そう  か 。



 それこたえは ある時突然 降りてきて。


   森の 「自分の創った泉」の前で

  水面に木の葉が落ち 波紋が「起きた時」に。


 私のなかにも「ポトリ」とそれが落ちて来て
 静かな「なるほど」が どんどんなかへ 拡がってゆく。



「   なるほど ?」

 そう
 あの
 みんなに捜索願いを出していた「アレ」、
アレのこたえが。

 「波紋」で
しかし確かにそれはこたえではあるが「こたえの一部」なのもわかって
 自分の中でぐんぐんと拡がる波紋が「更なるこたえ」を導き出そうとしているのが わかる。


  そうなんだ 
  その 「最初の一滴」

「それ」が 「この世界扉の中に対する 私という異分子」
 つまり「自分自身」だと 気付いて。


「 成る程 そうか」と納得はできるのだけど
 「私がここへ入って来た時」
 「その期間」
 「起こした変化」
 「大いなる流れの中の 微細な点」
それが諸々重なり合って ピタリと合っただけで。

  "それが 齎す新しい いろ"は視えず

 どうやらこれ以上は 順次解凍されるらしい。

だから 泉に起こされた「波紋」が
 拡がり馴染んで消えるのを 眺めて。

「    ふむ 」

 ただそれだけを留めておいて、ゆっくりと 森の空気を吸って いた。





  天高くから 降り注ぐ 日差しを受け
   キラキラと水面の小波が 輝いている。

  それを ただ静かに見つめている間にも。

  木の葉や水滴による波紋は幾つか発生して
  穏やかな水面には「幾分かの干渉者」が観て取れるし
 私は
 「自分が ピチョンと落ちた 雫という来訪者」という感覚に なって。


「    ふむ 」

 なんとも言えない気持ちになりながらも まだじっと 泉を眺めて いた。


     て
        いう   か


    そう   ね   ?


 風が 凪いで
  一瞬「シン」と泉も静かになって。

 その 水面の静寂を眺め 共に心を「凪」にしていると

 浮かび上がってくるのは

   "私は この世界に落ちた雫"で

  且つ"そこから拡がる 波紋である"、という事実だ。


 それが スペースの中で一際 光っていて。

だからせかいが「そのこと」を示しているのはわかるのだけど
如何せん、「その範囲」は膨大であり 
 「その何がポイントなのか」 今は未だ視え辛い。

しかし「考えても」、出ないのはわかっているから
 「このこたえ」はここへ留めておいて 後は緑を堪能して満たしておけば いい。

だから その色々を踏まえて大きく息を吸って。

 湖面からのキラキラ応援を受けながら
 帰ることにしたんだ。




 行き先を「自分のところ区画」と 決めると
森の中を進む足は一定のリズムを刻み始め
 はそれに応えて「自分のなか」を 曖昧に させる。

 
   「どこから」と いつも決まっていないけれど。


 森を抜け 緑のバスルームへ帰るには
こうして狭間へ入り、「いつの間にか移動しているという状況を創る」
 それが必要だ。

 だからそれが自然と身に付いた体を ぼんやりと眺めながら。

 曖昧に
 しかし丁寧に
 歩を進め
  狭間へ入って行く感覚を自分のなかへ 呼び覚ます。


   うん ?


 そうして いつもより丁寧に質高く足を踏み入れると。

 「狭間の景色」が「何を映し出しているのか」が
  ようく視えてきて
 「自分のなかへ拡がる波紋」と重なり それは一種の「感覚」を齎して いる。


   
    「ここ扉の中へ 入って来た 瞬間」

  「森で 全身センサーを使いながら
    奮闘していた瞬間」

     「教会へ行き 二人と暮らして
      ここラピスを知っていった 瞬間」


  「運石で シャットへぐるぐると移動した瞬間」

    「橙の川で ベオ様と探検した瞬間」

 「いろいろ創って 楽しかった瞬間」

   
  「グロッシュラーで 辺りを伺いながら
    祈っていた瞬間」

   「魔女の穴へ 入って行く瞬間」

   「なんだかんだ チカラを気持ちよく放出していた
     祭祀の 瞬間」

  「いろんなことに 憤っていた 瞬間」

    「私の奥のディーに会った瞬間」

  
  「諸々すべてを飲み込んで 悪の巣窟へ移動する瞬間」

  
    「隠そうとして 結局隠せなかった瞬間」

   「新しい出会いの瞬間」

     「白く大きな図書館と出会う瞬間」


  「祈りの場所が 光で繋がる 瞬間」


   「迷いながらも進んでいる 瞬間」


     「グレースクアッド最奥の私への旅の瞬間」


   「星の祭祀の瞬間」


    「自分と向き合う 瞬間」


  「金色と向き合う 瞬間」


     「名もなき光達と 向き合う瞬間」


   「ずっとずっと 自分を探っている 瞬間」



   
    ああ
        成る程


   そういう こと   か 。



 一定の リズムを刻み 進む足は。

 私にまた「新しい理解」を齎していて
  一歩を進める度に
 「自分が波紋として落としてきた影響」が沁みるし
 「それは各所に拡がって 未だ効果を持ち続け」
 「どんどん拡がってきた 結果が「今」」
  それがわかる。


そう 私は 
 現実的に表面では「この世界扉の中を渡り旅をしてきた」けれど
 エネルギー的に裏側では「ずっと波紋を拡げ続けていて」、
それはまた 高い視点で言えば「星々に近づくこと」であるし
「私自身の拡大」
 「自分を知りながらくくりの拡大をしているところ」で

 結局 ぜんぶを裏側で 観て みれば。

  
   このまま自分くくりを拡大し  
  最終的には「せかいと等しくなって」
   「ほんとうのこと」、すべてを知るのだ。



「     なる   ほど 。」


   確かに。


    そう  なり  ます   ね ?



 いつもならば、適当なタイミングで 緑のお風呂へ到着する、距離も。

今日は 私に「ある程度の理解」を齎す為に
 未だ到着する気配は無いが
今 ここに「これ以上の情報はない」のは わかる。


  そう
  だって
 確かに「これ」は 重要な「点」で。

  「余計な なにか」を付けての理解が成らない等
   あるわけがないし
  そもそも「ここ狭間」では「点」は分岐しない。


 今 に 視えている景色は
  
   "どこまで行っても一歩道"の"私の人生存在"で

 表側に在れば「選択肢」は存在しているが
 ここに それはなく
  「点」は在るが「分岐点」は ないのだ。


「   確かに。 」

 意識はしていなかったけど、
きちんと 意識して観れば。

 こちら側からの景色は「光の海」の様になっていて
 「これは光の網」なのはわかるけれど「網状」ではなく「海」である。


    うん?  前は。

  裏でも  光の網
          だった  よね ?


しかしそれはきっと
 「私の変化」で齎された状況
 「即ち進化」で
こうして光は 元来た道を 辿って行って。

 「すべて」を 回収し
 「その時の環境次元に適切なかたちに変化して進み」
 「最終的にはせかいとなって」
 「そこからまた 新しい存在として 次が始まる」。


「  うん? 「せかい」に、成ってからじゃないと? そっから上の進化って しないのかな 」

 想像から導き出されたこたえに自分で疑問を投げかけてみるが、
今はそれ以上のこたえは返って来ず
 しかし「一旦 クリアゼロに成らねば 新しく始められない」のはわかるから
自分のこたえが「そう帰結したこと」には納得できる。


「   「せかい」の。 「成分」、かな。 その 含有量」

 そう なんとなくだけど
 「せかいゴール」に成って 終えば。

それは「それでいい」し「なんでもいい」からして
 が「なにかに興味を持つ矛先を向ける」がないだろうし
 大元の元の素、「閃きインスピレーションより前のせかい」であれば
 「なんにも無くとも 充満である」からそれで良くて
  そもそも「私というくくり」、それも「あるけど ない」んだ。


「   ふぅん? だから。 その手前で、止めて? まあ「止める」訳じゃないんだろうけど 「せかい成分」の配分を増やして、なんでもアリの拡大をしながら 「傾きのない範囲次元」へ 出て。 そこで、遊ぶのか。 うん」

 そうなんだ
まだ 
 は 「自分というくくり」を捨てる気はなくて。

 「ちゃんと目的を果たしてから」、終わらねば「終わり」には成らないし
そもそもきっと「もういい」「お腹いっぱい」となっても
 「私」は終われど「せかいはわたし」で
 実際 そう変わりはないし。

 案外 実際そうやって すべては変化してゆくのだろう。


「   なるほど   成る程。」

 そうしてそこまで「理解」を経ると
 きちんと仕事をする虚空は狭間の景色を 徐々に薄くしていて。

  少し 遠くに 「緑の気配」が観え

 緑のバスルームが近づいているのが わかる。


「  ふふ 」

 だから その諸々に感謝を して。

  ぐっと明るく近づいて来る、緑の中へ

    体を潜らせたので ある。




  
 



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