【完結】ハーレムルートには重要な手掛かりが隠されています

天冨 七緒

文字の大きさ
24 / 414
一章 純愛…ルート

逆上せないように注意しないと

しおりを挟む
「シャルマン、多分遅くなるけど行くから。」

「はいっ」

あの日から僕達の距離はとても縮まり、すれ違うことが多くなった気がする。
今も食堂ですれ違い様に声をかけられ誘われると顔がにやけちゃう。

今日も来てくれるんだ。
ふふ。
遅くなるのかぁ。
最近は待つのも楽しい。
少し前までは本当に来てくれるのか、不安でソワソワしてた。
今はドキドキしてる。

ライアン様が来る前にお風呂に入っておこう。
いつもの柑橘系の石鹸とシャンプーを使って…。
僕は良い匂いだと思うけど、ライアン様から何か言われたこと無いな…。

嫌いだったかな?

ライアン様は何でも受け入れてくれるけど、好きとか嫌いって話したことは無いな。
僕もだけど…ライアン様は僕の事好きかな?
僕達はペアの期間だけの関係かな?
今凄く幸せなのに、悪いことが頭に浮かぶ。
この幸せがずっと続けば良いのに…。

シャワーを頭から浴び、涙の痕を…僕は泣いてなんかない。

全身を洗い湯船に入ろうとした時、ふと泡のお風呂に入りたいと思った。

泡風呂ってどうするんだったっけ?

石鹸を少量のお湯でバシャバシャと泡立ててみたが、思った程泡が生まれなかった。
そこにシャンプーを入れて再び挑戦した。
泡が出来はじめたので、水圧をかけると理想の泡が沢山出来た。
浴槽に移して泡を沢山作った。
何かに没頭すると嫌なことが頭から消えていき、お湯と泡を掻き混ぜて泡風呂が完成した。
僕はまだ十六歳だけど童心に帰るっていうのかな?
初めての泡風呂は楽しくて、ふーって飛ばして遊んだり泡ダルマを作った。

僕達の関係は泡のように消えてしまうのかな?

一人の人に感情移入しちゃダメなのかな?
この世界では…。

「ペアがずっと続けば良いのに…。」

かちゃ

扉が開いた。
そこにはライアン様が居た。

…何で?
今日は遅くなるって…。
もう、そんな時間なの?

「ぁっご、ごめんなさい。僕…」

「いや、俺も入っていいか?」

「ぇっ、ぁっうん」

状況があまり理解できずにいた。
頭の整理がつく前に裸のライアン様が現れた。
僕とは全然違う体に目が釘付けになってしまう。

綺麗な身体。

ライアン様は全身をシャワーで流し僕の方へ。
浴槽に浸かる前に僕の前で屈み優しくキスをした。
向き合う体勢でライアン様が浴槽に浸かると少しお湯が溢れた。

一緒に浴槽に浸かるなんて恋人みたい。

「風呂好きなのか?」

「ん?はいっ」

お風呂好きじゃない人なんているのかな?

「珍しいな。」

「…めずらしぃ?」

「あぁ、大体の奴は洗浄魔法やって終わりだろ?貴族なら尚更効率の悪い風呂を好むのは珍しい。」

…そうなんだ…。
そういえば僕が使う前のお風呂場は使った事がないんじゃないかってくらい綺麗だったのは本当に使ってなかったのか…。

「…ライアン様もお風呂入らないの?」

「あぁ」

「そう…なんだ…。」

お風呂…入らないんだ…。

「この匂いだったんだな。」

「へぇ?」

「髪とか身体。」

あっ柑橘系の香、伝わってたんだ…。

「はい…嫌い…でしたか?」

「ん、嫌じゃないな。」

言葉通り受け取って良いのかな?
本当に嫌いじゃない?
我慢…してないかな?
匂いってダメな人は慣れることが無いって聞くし…。
止めた方が良いのかな?
ライアン様は浴槽の縁に肘をつきリラックスしているように見える。

「んにゃっ」

ライアン様にデコピンするように泡を飛ばされ、顔に泡を受けた。
びっくりした…ライアン様もこんな事するんだ?

「はは」

ライアン様のそんな笑顔始めてみた。
嬉しくなって、泡を両手で救いフーっと吹いた。
泡はライアン様の頭や顔にくっついた。
泡って凄い。
いつも格好いいライアン様を可愛く見せてくれる。

「ふふ」

ライアン様とだと何でも嬉しくなる。
泡の中で腕を掴まれたライアン様に引き寄せられ、ライアン様との距離が近づく。
泡が僕達の周りに集まり顔にも沢山ついた。
こんなに近くなのにキスが出来ないのは残念。
泡風呂の欠点だ。
手をライアン様の首に回すも泡だらけで、自分の身体さえ分からなくなる。
お湯の中でライアン様の腕が腰に巻き付き、距離がなくなる。
わざと鼻に泡をつけ、ライアン様の鼻に僕の泡をつけた。
離れるとライアン様の鼻に泡が残った。

えへ。

ライアン様はどこまで許してくれるのかな?
泡泡の手でライアン様の頭に触れた。
モシャモシャと頭全体をマッサージしながら、普段はしないであろう髪型にしてみたりといくら遊んでもライアン様は怒らず受け入れてくれる。
気がつけば一生懸命になっていた。

「顔が真っ赤だな、逆上せたか?」

ライアン様の言葉で全身がポカポカ熱いのを認識した。
腰を抱えられ、されるがまま立ち上がった。
浴槽から出るために足を上げた時ふらついた事で逆上せていたことに気付いた。
少し冷たさを感じるシャワーで泡を勢い良く流され、身体を隠していた泡が消えていく。
なんだか急に恥ずかしくなった。

「一人で出られるか?」

「んっ」

疑いの目で見られてる。
ちょっと屈みたくなるだけだから平気だよ。

「………」

「へぇきだよぉ。」

「…いや、少しここで座ってろ。」

浴槽の縁に座らされた。
ライアン様が頭の泡を流す姿をボーっと眺めていた。
シャワーを浴びる男の人の綺麗な背中。

ずっと見てたい。

シャワーを止め振り返り、近付いてくる姿を瞬きせずに見続けた。
顎から首を触られ優しいキスをされた。
もっとしたいとライアン様の身体に触れよう…。

「まだ、熱いな。」

あれ?
えっ?
エッチな感じじゃなく、熱を測るキスだったの?

宙に浮いてしまった行き場の無い手が虚しかった。
大人しく浴室を出て、バスローブを着た。
ライアン様の風魔法で一気に乾かされ、ソファで二人で寛ぐというより僕から熱が引くのを待つという感じだった。
ライアン様が冷たい飲み物を渡してくれ、一気に飲むつもりはなかったのに飲みきっていてライアン様との泡風呂が楽しすぎて長湯し過ぎたようだ。
次回があれば気を付けないと。

その後は服を着て二人で大人しく眠った。
クローゼットの中には様々なサイズのゆったりとした服が用意されていたのでライアン様の服に困ることはなかった。
多分どの部屋にも準備されているんだと思う。
あの授業のために。
しおりを挟む
感想 195

あなたにおすすめの小説

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた

やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。 俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。 独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。 好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け ムーンライトノベルズにも掲載しています。 挿絵をchat gptに作成してもらいました(*'▽'*)

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

姫ポジ幼馴染の貞操を全力で守っていたのに、いつの間にか立場が逆転して伸し掛かられた件

イセヤ レキ
BL
タイトル通りのお話しです。 ※全七話、完結済。

ドジで惨殺されそうな悪役の僕、平穏と領地を守ろうとしたら暴虐だったはずの領主様に迫られている気がする……僕がいらないなら詰め寄らないでくれ!

迷路を跳ぶ狐
BL
いつもドジで、今日もお仕えする領主様に怒鳴られていた僕。自分が、ゲームの世界に悪役として転生していることに気づいた。このままだと、この領地は惨事が起こる。けれど、選択肢を間違えば、領地は助かっても王国が潰れる。そんな未来が怖くて動き出した僕だけど、すでに領地も王城も策略だらけ。その上、冷酷だったはずの領主様は、やけに僕との距離が近くて……僕は平穏が欲しいだけなのに! 僕のこと、いらないんじゃなかったの!? 惨劇が怖いので先に城を守りましょう!

悪役令息に転生したらしいけど、何の悪役令息かわからないから好きにヤリチン生活ガンガンしよう!

ミクリ21 (新)
BL
ヤリチンの江住黒江は刺されて死んで、神を怒らせて悪役令息のクロエ・ユリアスに転生されてしまった………らしい。 らしいというのは、何の悪役令息かわからないからだ。 なので、クロエはヤリチン生活をガンガンいこうと決めたのだった。

「出来損ない」オメガと幼馴染の王弟アルファの、発情初夜

鳥羽ミワ
BL
ウィリアムは王族の傍系に当たる貴族の長男で、オメガ。発情期が二十歳を過ぎても来ないことから、家族からは「欠陥品」の烙印を押されている。 そんなウィリアムは、政略結婚の駒として国内の有力貴族へ嫁ぐことが決まっていた。しかしその予定が一転し、幼馴染で王弟であるセドリックとの結婚が決まる。 あれよあれよと結婚式当日になり、戸惑いながらも結婚を誓うウィリアムに、セドリックは優しいキスをして……。 そして迎えた初夜。わけもわからず悲しくなって泣くウィリアムを、セドリックはたくましい力で抱きしめる。 「お前がずっと、好きだ」 甘い言葉に、これまで熱を知らなかったウィリアムの身体が潤み、火照りはじめる。 ※ムーンライトノベルズ、アルファポリス、pixivへ掲載しています

姉が結婚式から逃げ出したので、身代わりにヤクザの嫁になりました

拓海のり
BL
芳原暖斗(はると)は学校の文化祭の都合で姉の結婚式に遅れた。会場に行ってみると姉も両親もいなくて相手の男が身代わりになれと言う。とても断れる雰囲気ではなくて結婚式を挙げた暖斗だったがそのまま男の家に引き摺られて──。 昔書いたお話です。殆んど直していません。やくざ、カップル続々がダメな方はブラウザバックお願いします。やおいファンタジーなので細かい事はお許しください。よろしくお願いします。 タイトルを変えてみました。

寄るな。触るな。近付くな。

きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。 頭を打って? 病気で生死を彷徨って? いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。 見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。 シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。 しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。 ーーーーーーーーーーー 初めての投稿です。 結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。 ※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。

処理中です...