【完結】ハーレムルートには重要な手掛かりが隠されています

天冨 七緒

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二章 ハーレムルート

この猫は普通の猫…ではないですよね? アレサンドロ ギノフォード

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授業を終え与えられた自室に向かう。
授業中は真面目な教師を演じることが出来るが、集中が切れるとルゥの事が甦る。
私が部屋を出る時、キスを求めていたが知らぬ不利をして避けると分かりやすく不貞腐れていた。
子供のように表情豊かでついつい意地悪をしたくなる。
だが、あそこでキスをしたら私の方が我慢できなくなりそうだった。

あの子はそれを狙っているのか天然か。

どちらにしても恐ろしい。
あの見た目に性格、そして獣人が合わさり欲望を掻き立てられ押さえられなくなる。
自分の意思で留まらないと流されてしまう程私はあの子に夢中になっている。
私だけのものにしたい、独占したい、共有などしたくない…と…。

私が後から割り込んでおきながら勝手なものだ。

婚約を発表してからは侯爵家次男という繋がり欲しさに寄ってくる生徒はいなくなった。
相手が公爵家のワガママ坊っちゃんだと知ると何をされるかと怯んだのだろう。

今のところ私ばかり利益を得てしまった。

学園から隔離され不自由な生活を送り婚約者だけの世界にさせておき、更に独占したいなんて…。
自由にさせてやりたい思いはある。
だが、百年ぶりの獣人を無防備にすることは危険で彼のためにもならない。
何が正解なのか…。
隔離することが正解か、多少の危険を承知で自由を与えるか…。
ルゥの事は守る…守るが…危険を避けられるのであればしておきたい。
それはルゥの為というよりも私の心の安定剤だ。

「ん?」

私の部屋に着いたが、扉が開いている。
私は神経質な人間ではないが、扉はちゃんと閉めるタイプだ。
警戒しながら部屋の中を確認するが、どこも変わったところは見当たらない。
私の考え過ぎなのかと席へ移動すると黒い塊が既に我が物顔で鎮座していた。
教師として許されないが言っても良いだろうか?

この野郎。

様々な事を考えた結果。

この野郎。

教師の部屋に勝手に立ち入ることもだが、あれ程部屋から出るなと注意もした。
常に緊張感を持てとは言わないが、一切警戒もせず呑気に眠っていやがる。
猫と思えば可愛いが、中身が人間だと思うと怒りまでとは言わないが何かが込み上げてくる。
だからと言って気持ち良さそうに眠っているので怒鳴ることも出来ない。
ただただ燻る何かを私の中で消化するしかなかった。
教科書を静かに机に置き、起こさないように注意した。

全くこの子は…小さな猫の姿で来られると説教なんて出来る訳がない。

次の授業の準備をしながら猫が起きるのを待った。
もうそろそろ次の授業に向かわなければならないが、この呑気な猫はまだまだ起きそうにもなかった。
頭を撫で喉に移るとゴロゴロと鳴らし始めた。
気持ち良さそうで余計起こしにくくなってしまった。
それどころか、頭を乗せられ手が抜けなくなった。
眠っている無意識の行動なので邪険にも出来ない。

起きていても眠っていても恐ろしい子だ。

少しずつ少しずつ手を抜いていく。
強制的に参加させられた猫に気付かれないで手を抜くゲームをクリアすると授業に遅刻してしまうギリギリの時間だった。

急いで部屋を出てちゃんと扉を閉めた。

試験前以外は扉に鍵を掛けることはしないが、今回は鍵を閉めた。
眠っている猫が獣人とは思わないだろうが念のため。
誘拐される心配もあるが、部屋から抜け出しフラフラと彷徨う恐れの方が強かった。
なので内側から開かないようにしておいた。
今回ばかりはルゥが猫と言うことで力が弱く、さらに獣人に魔力がなくて良かった。

後ろ髪を引かれつつも授業へ向かった。

今日ほど気もそぞろな授業は初めてだった。
冷静さを保ってはいたものの、察しの良い生徒は私の様子に気付いていたようだ。
早く戻りたくて普段より僅かに授業ペースが早かった。
私の機嫌が悪いと思ったのか、いつも以上に生徒の方も真剣だった。
目の前の生徒には悪いと感じつつも、あの子が大人しく待っているのか不安で仕方がなかった。
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